監督・脚本をつとめる片渕須直さんをはじめ大ヒット映画『この世界の片隅に』を手がけた豪華メンバーが参加する、オタフクソースのWebアニメーションが『わたしの名はオオタフクコ〜小さな幸せを、地球の幸せに。〜』の1本目が公開された。
キャラクター原案はこうの史代さん、音楽はコトリンゴさん。
そして、主人公の声優は、『この世界の片隅に』で主人公・すずの姑である径子を演じた尾身美詞さん、アニメーション制作はMAPPAがつとめている。
片渕監督が特にこだわったのは、調理シーン。『この世界の片隅に』でも見られた片渕監督の徹底的な取材に基づいた制作姿勢は、今回も存分に発揮されている。
「広島にあるお店を2日間で6軒回って、具材や手順、焼き方、味を取材し、自分の家でも実際に焼いて食べました。ひとくちに一銭洋食といっても、それぞれ個性があって、どれもすごく美味しかったです」(片渕監督)
そして、コミカルでほのぼのとした本作の世界観を、コトリンゴさんの音楽が彩っている。
『わたしの名はオオタフクコ〜小さ な幸せを、地球の幸せに。〜』のその2は11月上旬、その3は12月上旬に順次公開を予定している。時代を越え、国境を越えて旅するオオタフクコが描かれる。
第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に日々を生きた女性を描いた『この世界の片隅に』に通じる丁寧な手触りを、公開されたWebアニメから感じとることができるかもしれない。
なお、新規場面を付け足した新バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開も、2018年12月に控えている。
国内外で高く評価され2016年よりロングラン上映を続けるアニメ映画『この世界の片隅に』の、片渕須直監督念願のロングバージョンとなる。
『わたしの名はオオタフクコ』場面写やラフ画を見る
片渕監督 2010年の夏、映画『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台挨拶で訪れた際、初めて広島のお好み焼きを食べて、それが私と広島との最初の出会いでした。その後、『この世界の片隅に』の制作を経て、広島を自分が住んでいる場所のように感じられたらいいなと思い続けてきた中、広島をルーツに持つオタフクソースさんから届いたオファーということで、とても嬉しかったですし、自分たちが広島という街に根付くことができたのかなという思いを抱きました。
──本作品のストーリーや世界観が生まれた経緯について。
片渕監督 オタフクソースさんから最初に今回のテーマを伺った時、「時の流れ」のようなものを描くことになるのかなと思い、広島出身 のこうの史代さんに相談したところ、彼女が連載する作品の主人公がたまたま「おたふく」をモチーフにしていて。しかも年齢が1028歳で、まさに時の流れをそのまま象徴している。そこで時の流れを生きている主人公が、ある日お好み焼きと出会い、自分や周りの人たちを幸せにしていくみたいなことを描いたら面白いかなと。また、『この世界の片隅に』が戦前から終戦直後を描いた物語なので、その辺りの時代から始まって、現代につながるような話になると、より興味深い作品になるんじゃないかと思いました。
──主人公のオオタフクコさんのキャラクター設定について。
片渕監督 こうのさんの漫画の中では、職業が夜の蝶ということでしたので、今回はその仕事に就く前に、お好み焼きを焼いていたという設定にしました。年齢は1028歳ですが、食い意地が張っていて、自由気ままで、基本的にダメな人です(笑)。何だか長く生きていると、いろんなことを悟っちゃった人格者になりがちですが、そうじゃない方が親しみを持てますよね。日々庶民の中で、新しい発見をしながら生きてきて、その中でお好み焼きとの出会いがあり、人間的にはあまり学習していないけど、大好きなお好み焼きだけは確実に手の内に入れた。その特技の部分を膨らませたキャラクターという感じでしょうか。
──監督自身、ここを見てほしいというポイントはどこでしょうか?
片渕監督 ただ、お好み焼きが好きで、行く先々で焼いていたら、いつの間にか立派なことをやっていて、世界中のいろんな人の役に立っていたという、オオタフクコさんの人間像、生き方をぜひ見ていただきたいですね。
──アニメーションをご覧になる視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
片渕監督 お好み焼きはみんなで鉄板を囲んで食べるので、自然と笑顔になりますよね。その笑顔が世界中に広がっていけばという思いを、今回の作品に込めました。そして、いま自分たちが食べているお好み焼きや普段の食事について、時代を遡って考えることで、時の流れを感じていただき、その先の未来を考えるきっかけにしていただけたらと思います。
キャラクター原案はこうの史代さん、音楽はコトリンゴさん。
そして、主人公の声優は、『この世界の片隅に』で主人公・すずの姑である径子を演じた尾身美詞さん、アニメーション制作はMAPPAがつとめている。
『この世界の片隅に』スタッフが描くWebアニメ
オタフクソースは、2018年10月より新たに策定した自社のコンセプト「小さな幸せを、地球の幸せに。」を広げるため、Webアニメーション『わたしの名はオオタフクコ〜小さな幸せを、地球の幸せに。〜』を公開した。 全3話で構成された本作。公開されたその1は、1028歳という、悠久の歳月を生きる主人公・オオタフクコの語りで幕を開ける。 いくつもの戦争を含めて、人間の歴史を歩んできたという彼女が、戦後の広島で出会ったお好み焼きの原型料理「一銭洋食」を通じて、小さな幸せと笑顔の輪を広げていく姿を描いている。 自由気ままで食い意地が張っていても愛嬌があって憎めないオオタフクコは、こうの史代さんが『週刊漫画ゴラク』で連載している漫画「百一 hyakuichi」のキャラクターをモチーフに描かれた。片渕監督が特にこだわったのは、調理シーン。『この世界の片隅に』でも見られた片渕監督の徹底的な取材に基づいた制作姿勢は、今回も存分に発揮されている。
「広島にあるお店を2日間で6軒回って、具材や手順、焼き方、味を取材し、自分の家でも実際に焼いて食べました。ひとくちに一銭洋食といっても、それぞれ個性があって、どれもすごく美味しかったです」(片渕監督)
そして、コミカルでほのぼのとした本作の世界観を、コトリンゴさんの音楽が彩っている。
『わたしの名はオオタフクコ〜小さ な幸せを、地球の幸せに。〜』のその2は11月上旬、その3は12月上旬に順次公開を予定している。時代を越え、国境を越えて旅するオオタフクコが描かれる。
第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に日々を生きた女性を描いた『この世界の片隅に』に通じる丁寧な手触りを、公開されたWebアニメから感じとることができるかもしれない。
なお、新規場面を付け足した新バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開も、2018年12月に控えている。
国内外で高く評価され2016年よりロングラン上映を続けるアニメ映画『この世界の片隅に』の、片渕須直監督念願のロングバージョンとなる。
『わたしの名はオオタフクコ』場面写やラフ画を見る
片渕監督インタビュー「広島という街に根付くことができたのかな」
──今回のオファーを受けた時の率直な心境をお聞かせください。片渕監督 2010年の夏、映画『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台挨拶で訪れた際、初めて広島のお好み焼きを食べて、それが私と広島との最初の出会いでした。その後、『この世界の片隅に』の制作を経て、広島を自分が住んでいる場所のように感じられたらいいなと思い続けてきた中、広島をルーツに持つオタフクソースさんから届いたオファーということで、とても嬉しかったですし、自分たちが広島という街に根付くことができたのかなという思いを抱きました。
──本作品のストーリーや世界観が生まれた経緯について。
片渕監督 オタフクソースさんから最初に今回のテーマを伺った時、「時の流れ」のようなものを描くことになるのかなと思い、広島出身 のこうの史代さんに相談したところ、彼女が連載する作品の主人公がたまたま「おたふく」をモチーフにしていて。しかも年齢が1028歳で、まさに時の流れをそのまま象徴している。そこで時の流れを生きている主人公が、ある日お好み焼きと出会い、自分や周りの人たちを幸せにしていくみたいなことを描いたら面白いかなと。また、『この世界の片隅に』が戦前から終戦直後を描いた物語なので、その辺りの時代から始まって、現代につながるような話になると、より興味深い作品になるんじゃないかと思いました。
──主人公のオオタフクコさんのキャラクター設定について。
片渕監督 こうのさんの漫画の中では、職業が夜の蝶ということでしたので、今回はその仕事に就く前に、お好み焼きを焼いていたという設定にしました。年齢は1028歳ですが、食い意地が張っていて、自由気ままで、基本的にダメな人です(笑)。何だか長く生きていると、いろんなことを悟っちゃった人格者になりがちですが、そうじゃない方が親しみを持てますよね。日々庶民の中で、新しい発見をしながら生きてきて、その中でお好み焼きとの出会いがあり、人間的にはあまり学習していないけど、大好きなお好み焼きだけは確実に手の内に入れた。その特技の部分を膨らませたキャラクターという感じでしょうか。
──監督自身、ここを見てほしいというポイントはどこでしょうか?
片渕監督 ただ、お好み焼きが好きで、行く先々で焼いていたら、いつの間にか立派なことをやっていて、世界中のいろんな人の役に立っていたという、オオタフクコさんの人間像、生き方をぜひ見ていただきたいですね。
──アニメーションをご覧になる視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
片渕監督 お好み焼きはみんなで鉄板を囲んで食べるので、自然と笑顔になりますよね。その笑顔が世界中に広がっていけばという思いを、今回の作品に込めました。そして、いま自分たちが食べているお好み焼きや普段の食事について、時代を遡って考えることで、時の流れを感じていただき、その先の未来を考えるきっかけにしていただけたらと思います。
片渕須直監督インタビュー
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