プロジェクトの名前は「クリプト・アニメ(Crypto Anime)」。ブロックチェーン・エンターテインメント・スタジオのブロックパンクが立ち上げたベンチャー事業だ。
クリプト・アニメの収益の一部は東北復興支援として寄付される。
仮想通貨ではないのですが(´◡`♥)仮想通貨の技術を使ったこういうサービスが昨日リリースしました٩(ˊᗜˋ*)و
— 東北ずん子(公式) (@t_zunko) 2018年4月5日
こちらはずんだホライずんや、ずん子のイラストを仮想通貨を使って売買する仕組みです(っ´∀`c)https://t.co/soZ5VCGUHy pic.twitter.com/8VWhBgxhpz
東北ずん子とは?
東北ずん子は2012年に東北6県全体を盛り上げるために制作されたキャラクター。東北企業であればイラストを無償で商用利用することができるご当地アイドル的な存在だ。声は宮城県仙台市出身の声優、佐藤聡美さんが担当しており、これまでに「VOCALOID」や「VOICEROID+」などもリリース。
アニメ化においても、クラウドファンディングでの資金調達、ボーカルシンセサイザー(歌唱音声合成)を作品に取り入れるなど、ファンを巻き込みながら新しい技術やサービスを積極的に採用してきた。
ちなみに、姉妹キャラクターとして東北イタコ、東北きりたんも存在している。
ブロックチェーンを用いてデジタルアートを販売
販売されるのは「クリプトアート」と呼ばれるブロックチェーン(分散型台帳技術)に記録されたデジタルアート。 クリプトアニメの公式サイトでは、キャラクターの設定画などが販売されている。各クリプトアートには、クリエイター本人によってつくられたという「制作証明」と、購入して所有した人間の記録(所有記録)が刻印される。
一般的にコピーが容易なデジタルデータだが、証明と記録というデータの持ち主を特定できるブロックチェーンを用いることで、本物の価値を実証できる仕組みだ。
個人間でデジタルアートを売買
もうひとつのポイントは、クリプトアートの所有者は移り変わるという点だ。例えば、AさんがイラストCを100円で購入したあと、Bさんが200円(100%増)で購入すると所有者がBさんへ移り変わる。
そしてAさんは、「自分が購入した値段(100円)+マージン」を受け取り、所有権を手放すと言うかたちだ。この際、Bさんの購入金額から一律35%がクリエイターに支払われるという仕組みとなる。
シンプルに言うと、仮想通貨を使ってデジタルアートの個人間売買ができるというわけだ。
東北ずん子も自身のTwitterで、「平たく言うと『トレーディングカードゲーム』のトレカみたいなものをとして画像(電子データ)を販売する仕組みを作りました(*・∀・*)」と説明している。平たく言うと「トレーディングカードゲーム」のトレカみたいなものをとして画像(電子データ)を販売する仕組みを作りました(*・∀・*)
— 東北ずん子(公式) (@t_zunko) 2018年4月4日
仮想通貨に使われる技術を使っているのでトレカデータの持ち主がわかる、というものになります╭( ・ㅂ・)و ̑̑ https://t.co/Rz9rABv8ou
クリプトアートを購入するには?
次にどうすればクリプトアート購入できるのか。そのためにはイーサリアムという仮想通貨を購入する必要がある。イーサリアムを仮想通貨取引所で購入して、ウォレットに保存(ここでは「MetaMask」が紹介されている)。難しい部分を説明なしに軽く行くと「イーサリアムを買って、MetaMaskというウォレットに保存。そしたらカードが買える」ようになっています(๑•̀ㅁ•́๑)✧
— 東北ずん子(公式) (@t_zunko) 2018年4月4日
どうですか?
そこで初めてクリプトアートの売買に参加できる。
将来的なイラストレーターの収入源に
東北ずん子によれば、新たにブロックチェーンや仮想通貨を使ったデジタルアート販売をはじめたのは、「『ずん子界隈の絵描きさんの収入源』がつくれるかも、というのがあったから」だという。現状、クリプト・アニメで販売されているのは、公式イラストのみ。今後は、システム面の調整が進み相場が定まれば、フリーのイラストレーターの作品も販売したいという。これまで絵描きさんの絵を1枚1枚売るって電子の世界ではなかなかなくて「ソシャゲの絵を仕事で描く」とか「ラノベの絵を仕事で描く」とかが多かったんですよね٩(。•ω•。)و
— 東北ずん子(公式) (@t_zunko) 2018年4月4日
それをこの仕組みで絵が売れるようになれば絵師さんはもっと楽しく仕事ができるだろう、というのがありました٩(ˊᗜˋ*)و
さらには、ファンから「新作アニメのデータをセル画単位で売れるようにすれば、(その売上で)アニメ作品1本つくれるのでは?」という提案に対して同意した東北ずん子。今は公式絵のみの販売ですが(๑╹◡╹๑)システムが整ってしかもある程度相場とかも決まってきたらずん子やきりたん、イタコ姉さまの絵を描いてくれているフリーの絵師さんのイラストも販売できるようにしたいんです((o(*´∀`*)o))
— 東北ずん子(公式) (@t_zunko) 2018年4月4日
アニメ制作の新たなスキームとなると話は壮大だが、可能性を秘めていることは間違いない。クラウドファンディングも徐々に浸透しつつある一方で、製作委員会方式の代案となるまでには至っていない。絵師さんの仕事を作り、そしてアニメの続編にも繋がる仕組みとして今回のクリプトアート販売(画像トレカの取引みたいな感じ)にチャレンジしてます٩(๑′∀ ‵๑)۶•*¨*•.¸¸♪
— 東北ずん子(公式) (@t_zunko) 2018年4月4日
どちらが良い悪いという是非ではなく、アニメ業界で求められているのは選択肢の増加。そういう意味で、クリプト・アニメの試みには大きな期待が寄せられると同時に、第1弾となる東北ずん子へ注目が集まるのも必然といえるだろう。
現状を変えようとする新たな挑戦
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