トレーディングカードゲーム(TCG)の戦略性といった魅力はそのままに、いつでもどこでもプレイできるデジタルカードゲーム(DCG)が勢いを増している。
世界的なe-Sportsの盛り上がりを背景に、高額な賞金の大会も数多く開かれている。
国内外で新規タイトルが生み出され続け、先日もあの「ドラゴンクエスト」のDCGが発表されて話題になったばかり(関連記事)。
TCGは、カードを買い揃えたりカード仲間を見つけたりと、始めるまでのハードルがいくつかあるが、興味を持ったらその場で始めることができる手軽さもDCGの魅力だ。
デジタルならではの斬新な機能を採用したタイトルも多く、ゲーム性の幅も広がっている。しかも、基本無料!
ここでは10作品に絞ったが、入れたかったけれど漏れてしまったゲームもたくさんあるので、どれかに興味を持ったらどんどん自分で探してみてほしい。
文:オグマフミヤ 編集:新見直
キャラクターごとに使用できる特殊能力「ヒーローパワー」の存在やフィールドの構成など、シンプルながらも奥深いゲームシステムとデザインは、後発のDCGに大きな影響を与えている。
日本では新たなDCGが発表されるととりあえず「ハースストーンのパクリ」と騒がれるほど。それはそれで不幸なことだけど、それほど偉大なタイトル。
世界では大きな賞金がかかった大会が開かれ、e-Sportsとして認識されているものの、日本では世界大会の代表権を獲得したプレイヤーが会社の理解を得られず休暇がとれなくて出場が危ぶまれるという騒動も(無事出場できた)。
現在は日本でも高額賞金の大型大会(関連記事)が開催され、プロプレイヤーやチームも存在している。
『ハースストーン』とゲームシステムは似ているが、日本人向けのキャラクターデザインも受けて、日本でDCGを定着させ、今なおトップシェアを誇る大人気タイトル。
今をときめく若手イケメン俳優を起用したCMをゴールデンタイムに放映していることから、普段ゲームに触れないような人々も含めて認知度は非常に高いと思われる。
プレイヤー人口が多く、ルールも比較的シンプルなため、対人戦ならではの駆け引きをいつでもどこでもオンラインで楽しめるDCGの魅力を味わう入り口としては最適かも。
ルールはTCGとほぼ同じだが、アプリにあわせてシンプルになっていて若干プレイ感触は異なる。
原作キャラの特殊能力を使うことが出来る(他のDCGでいうところの「ヒーローパワー」)のが大きな特徴。例えば遊戯はデスティニードロー(漫画のようにカードの創造は出来ないが、デッキから好きなカードを引くことが出来る)、ペガサスはマインドスキャン(漫画では手札から相手の思考まで覗いていたが、セットカードしか確認出来ない)が出来る。
TCGとは異なるカードプールで、懐かしいカードが実戦レベルで活躍していることもあって、遊戯王世代のお友達にはとても嬉しい。
リアルとデジタルが同じルールで遊ぶことが出来るうえに、リアルカードのシリアルコードを読み込むことでアプリでも同じカードが使えるという、とにかくTCGとDCGの連動がちゃんと機能している。
デジタルならではの派手な演出やシステムはないものの、アプリで練習してリアルでショップ大会に挑戦するといった他ではできない遊び方が出来るのはとても魅力的だし、やっぱりガンダムはかっこいい。
普通、40枚ほどのカードをデッキと用意し、そこからカードをドローして手札にするというのがカードゲームの基本で、それゆえに運の要素も大きく絡んでくる。しかし、『マビノギデュエル』にはドローが存在せず、12枚で構築したデッキをすべて手札にした状態から始まるというかなり特殊なシステム。
ドローはなくともカードゲームとしての駆け引きの面白さを味わうことが出来るので、ドローに悩まされてきたTCGプレイヤー諸君にはデジタルならではのゲームも試してみる価値あり。ゲーム自体のデザインも綺麗。
同じ縦列に相手のユニットがいると相手プレイヤーに攻撃出来なかったり、同じ横列の味方を強化する効果があったりと、カードの配置が重要な要素になっている。
『マビノギデュエル』もだが、ゲーム画面が縦なので、プレイ感覚も他のDCGと大きく異なる。
詰め将棋のように特定の状況での勝利を目指すパズルバトルというモードが成立するほどの戦略性の高さや神話モチーフのデザインなど、一味違う本格派と言える。ちなみにサポートキャラクターのマキナちゃんは一人だけサイバーさが際立って可愛い。
なんといっても5秒間はマリガン(最初の手札の引き直し)し放題という、デジタルならではの仕組みが面白い。カードが成長してステータスが変化するというRPGのようなシステムも特徴。
また、他のDCGに比べカードの種類が多く盤面も複雑で選択肢が多いというのに、なんとターンに1分間の時間制限があり、頭脳だけでなく相当な瞬発力も求められる。公式が謳うとおり、正しく「超ありえねぇ」カードゲーム。
カードのコストを踏み倒せるオーバーヒートや、3ターン目以降はカードを使うためのコストとなるメモリーを増やすか追加ドローをするかを選べるといったような独自のシステムが多数採用されていて、序盤から終盤までとにかく選択肢が多くTCG的戦略性の高いゲーム。
『MTG』のプロプレイヤー・瀧村和幸氏がデザインに参加していることもあってなんとも緻密なゲームデザインですが、キャラクターが喋りまくるエンターテイメント性も大きな魅力。見た目強そうなユニットが「こう見えてバニラ(特別な能力を持たないカード)です」とか言いながら出てきたりする。
ハニカム型のフィールドに土地プレートを配置して道をつくり、クリーチャーを相手の場まで進めて攻撃することでライフを削っていくのだけど、道をつくると相手もそこを通ってこっちに来てしまうのでただ最短距離をとればいいというわけでもないという、ボードゲーム的駆け引きも楽しめる。
最近日本語にも対応したので気軽に始めることができるようになったが(関連記事)、ローカライズがまだ甘いのか、他のゲームなら「次へ」や「OK」と表記されるようなボタンに、大きく「わかった!」と書いてあるのがもはや可愛らしい。
プレイヤー人口的にもまだ発展途上なので青田買いするなら今。
発表されたカードのデザインがやはり『ハースストーン』に似ているとネットでは早くも話題になったが、他のゲームは縦に相手と対面するのに対し、このゲームは横で対面するという盤面が非常に独特。
またフィールドに3×2のマス目があることからカードの配置が重要になるボードゲーム的要素の強いゲームになってくるのではないかと推察される。
登場するキャラクターやモンスターがおなじみドラクエの面々なのに加えて、SEや演出に至るまで世界観が再現されていて、原作ファンからも大きな期待が寄せられる注目タイトル。
特集の記事の一覧は特設ページから。続々更新していきますので、ご期待下さい!!
世界的なe-Sportsの盛り上がりを背景に、高額な賞金の大会も数多く開かれている。
国内外で新規タイトルが生み出され続け、先日もあの「ドラゴンクエスト」のDCGが発表されて話題になったばかり(関連記事)。
TCGは、カードを買い揃えたりカード仲間を見つけたりと、始めるまでのハードルがいくつかあるが、興味を持ったらその場で始めることができる手軽さもDCGの魅力だ。
デジタルならではの斬新な機能を採用したタイトルも多く、ゲーム性の幅も広がっている。しかも、基本無料!
ここでは10作品に絞ったが、入れたかったけれど漏れてしまったゲームもたくさんあるので、どれかに興味を持ったらどんどん自分で探してみてほしい。
文:オグマフミヤ 編集:新見直
1.Hearthstone(ハースストーン)
『Diablo(ディアブロ)』や『Overwatch(オーバーウォッチ)』を手がけたゲーム会社・ブリザードが展開するDCG界の超人気タイトル。
キャラクターごとに使用できる特殊能力「ヒーローパワー」の存在やフィールドの構成など、シンプルながらも奥深いゲームシステムとデザインは、後発のDCGに大きな影響を与えている。
日本では新たなDCGが発表されるととりあえず「ハースストーンのパクリ」と騒がれるほど。それはそれで不幸なことだけど、それほど偉大なタイトル。
世界では大きな賞金がかかった大会が開かれ、e-Sportsとして認識されているものの、日本では世界大会の代表権を獲得したプレイヤーが会社の理解を得られず休暇がとれなくて出場が危ぶまれるという騒動も(無事出場できた)。
現在は日本でも高額賞金の大型大会(関連記事)が開催され、プロプレイヤーやチームも存在している。
2.Shadowverse(シャドウバース)
Cygamesが展開する国産DCG。
『ハースストーン』とゲームシステムは似ているが、日本人向けのキャラクターデザインも受けて、日本でDCGを定着させ、今なおトップシェアを誇る大人気タイトル。
今をときめく若手イケメン俳優を起用したCMをゴールデンタイムに放映していることから、普段ゲームに触れないような人々も含めて認知度は非常に高いと思われる。
プレイヤー人口が多く、ルールも比較的シンプルなため、対人戦ならではの駆け引きをいつでもどこでもオンラインで楽しめるDCGの魅力を味わう入り口としては最適かも。
3.遊戯王 デュエルリンクス
ご存知、『遊戯王OCG』のアプリ版。2016年にリリースされたばかり。
ルールはTCGとほぼ同じだが、アプリにあわせてシンプルになっていて若干プレイ感触は異なる。
原作キャラの特殊能力を使うことが出来る(他のDCGでいうところの「ヒーローパワー」)のが大きな特徴。例えば遊戯はデスティニードロー(漫画のようにカードの創造は出来ないが、デッキから好きなカードを引くことが出来る)、ペガサスはマインドスキャン(漫画では手札から相手の思考まで覗いていたが、セットカードしか確認出来ない)が出来る。
TCGとは異なるカードプールで、懐かしいカードが実戦レベルで活躍していることもあって、遊戯王世代のお友達にはとても嬉しい。
4.ガンダムクロスウォー
『機動戦士ガンダム』を題材にした、同タイトルのカードゲームのアプリ版。リアルとデジタルが同じルールで遊ぶことが出来るうえに、リアルカードのシリアルコードを読み込むことでアプリでも同じカードが使えるという、とにかくTCGとDCGの連動がちゃんと機能している。
デジタルならではの派手な演出やシステムはないものの、アプリで練習してリアルでショップ大会に挑戦するといった他ではできない遊び方が出来るのはとても魅力的だし、やっぱりガンダムはかっこいい。
5.マビノギデュエル
オンラインゲームを数多く展開するネクソンの代表作「マビノギ(mabinogi)」シリーズのDCG。
普通、40枚ほどのカードをデッキと用意し、そこからカードをドローして手札にするというのがカードゲームの基本で、それゆえに運の要素も大きく絡んでくる。しかし、『マビノギデュエル』にはドローが存在せず、12枚で構築したデッキをすべて手札にした状態から始まるというかなり特殊なシステム。
ドローはなくともカードゲームとしての駆け引きの面白さを味わうことが出来るので、ドローに悩まされてきたTCGプレイヤー諸君にはデジタルならではのゲームも試してみる価値あり。ゲーム自体のデザインも綺麗。
6.DUELS X MACHINA(デュエルエクスマキナ)
DeNAが、この3月にリリースしたばかりのDCG。2×3のマス目がそれぞれのフィールドで、そこにユニットを配置していくというゲームシステム。同じ縦列に相手のユニットがいると相手プレイヤーに攻撃出来なかったり、同じ横列の味方を強化する効果があったりと、カードの配置が重要な要素になっている。
『マビノギデュエル』もだが、ゲーム画面が縦なので、プレイ感覚も他のDCGと大きく異なる。
詰め将棋のように特定の状況での勝利を目指すパズルバトルというモードが成立するほどの戦略性の高さや神話モチーフのデザインなど、一味違う本格派と言える。ちなみにサポートキャラクターのマキナちゃんは一人だけサイバーさが際立って可愛い。
7.コード・オブ・ジョーカーPocket
セガがアーケードで展開しているDCG「CODE OF JOKER」のアプリ版。なんといっても5秒間はマリガン(最初の手札の引き直し)し放題という、デジタルならではの仕組みが面白い。カードが成長してステータスが変化するというRPGのようなシステムも特徴。
また、他のDCGに比べカードの種類が多く盤面も複雑で選択肢が多いというのに、なんとターンに1分間の時間制限があり、頭脳だけでなく相当な瞬発力も求められる。公式が謳うとおり、正しく「超ありえねぇ」カードゲーム。
8.WAR OF BRAINS
『Wixoss』を生み出したタカラトミーとホビージャパンが手がけるDCG。カードのコストを踏み倒せるオーバーヒートや、3ターン目以降はカードを使うためのコストとなるメモリーを増やすか追加ドローをするかを選べるといったような独自のシステムが多数採用されていて、序盤から終盤までとにかく選択肢が多くTCG的戦略性の高いゲーム。
『MTG』のプロプレイヤー・瀧村和幸氏がデザインに参加していることもあってなんとも緻密なゲームデザインですが、キャラクターが喋りまくるエンターテイメント性も大きな魅力。見た目強そうなユニットが「こう見えてバニラ(特別な能力を持たないカード)です」とか言いながら出てきたりする。
9.Faeria(フェアリア)
『ハースストーン』と同じく海外初のDCG。
ハニカム型のフィールドに土地プレートを配置して道をつくり、クリーチャーを相手の場まで進めて攻撃することでライフを削っていくのだけど、道をつくると相手もそこを通ってこっちに来てしまうのでただ最短距離をとればいいというわけでもないという、ボードゲーム的駆け引きも楽しめる。
最近日本語にも対応したので気軽に始めることができるようになったが(関連記事)、ローカライズがまだ甘いのか、他のゲームなら「次へ」や「OK」と表記されるようなボタンに、大きく「わかった!」と書いてあるのがもはや可愛らしい。
プレイヤー人口的にもまだ発展途上なので青田買いするなら今。
10.ドラゴンクエストライバルズ
前述の通り、先日突如として発表された「ドラゴンクエスト」を題材としたDCG。年内に配信される予定だという。発表されたカードのデザインがやはり『ハースストーン』に似ているとネットでは早くも話題になったが、他のゲームは縦に相手と対面するのに対し、このゲームは横で対面するという盤面が非常に独特。
またフィールドに3×2のマス目があることからカードの配置が重要になるボードゲーム的要素の強いゲームになってくるのではないかと推察される。
登場するキャラクターやモンスターがおなじみドラクエの面々なのに加えて、SEや演出に至るまで世界観が再現されていて、原作ファンからも大きな期待が寄せられる注目タイトル。
特集「人生を変えるカードゲームの魔力」は今日からおよそ1ヶ月更新予定!
KAI-YOU.netが送る特集第一弾「人生を変えるカードゲームの魔力」は、5月29日からおよそ1ヶ月、様々な切り口から記事を更新予定です。特集の記事の一覧は特設ページから。続々更新していきますので、ご期待下さい!!
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オグマフミヤ
プレイヤー
「関係各所に「何でも知ってるな」と評される知性と感性を活かし、よきアイドルと音楽を求めて時代のエッジをさまよう本格派平成4年生まれ。
TCGについても広くあれこれプレイし、真剣勝負の世界に魅力を感じながらコミュニケーションツールとしての側面にも関心を持ち、競技プレイからカジュアルプレイまで楽しむユーティリティプレイヤー Twitter: @oresamax
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