その5:タイムリーな話題やオマージュを知る
『テッド2』では、ほかの映画のオマージュやパロディが多く使用されており、なかにはタイムリーなネタも織り交ぜられています。例えば、劇中のセリフで "Fifty shades of bear" とテッドが口にするシーンがあります。これは日本でも2月に公開された、イギリスの官能小説を原作とした映画のタイトル "Fifty Shades of Grey(フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ)" を、テッド(テディベア)に置き換えた言い方です。
また、8月5日より新作が公開された「ジュラシック・パーク」シリーズのテーマが流れたり、冬に新シリーズが公開されることで話題となっている「スター・ウォーズ」シリーズのキャラクターが出てきたりもします。 一方、冒頭の結婚式のシーンでは、ミュージカル映画『イースター・パレード』の「Steppin' Out With My Baby」という曲に合わせて、『フットライト・パレード』などで知られるバスビー・バークレー監督の演出を彷彿とさせるようなダンスシーンも。
たくさんのダンサーが華麗でハイレベルなダンスを披露する、ミュージカル映画の黄金期を築いた作品のオマージュは、本作の監督をつとめるセス・マクファーレンさんのお茶目な映画愛ともいえます。
その6:SNSのハッシュタグの使われ方を知る
また、InstagramやTwitterといったSNSなどで見られるハッシュタグの利用法が日本とアメリカでは違うことも知っておくと、本作に対する理解が深まるでしょう。もともとハッシュタグは、投稿に関連する単語をタグとして検索可能にし、同じ興味やテーマの投稿を検索したり、逆に見つけてもらったり、といった用途で使われるもの。
しかし、最近のInstagramやTwitterの日本人ユーザーの間では、「#花火大会 #からの #飲み」のように、ひとつひとつのタグで検索をかけてもまったく内容がバラバラで、検索することを目的としていないようなものを頻繁に見かけます。
一方アメリカでは、単語ごとで区切らず "#myamazingsummer (my amazing summer)" といった風に、文全体をひとつのタグでつなげるのが一般的。このようなタグを通して、自分の感情や状態を強調しているのです。 劇中では、ジョンが頻繁に "hashtag, my amazing summer" "hashtag, sh*t happens" などと、わざわざSNSに投稿する際に文章を読み上げるシーンがあるのですが、日常会話の中でも「ハッシュタグをつける=物事を強調する」という意図で使われています。
日米それぞれのやり方で、本来とは違った用途でハッシュタグが使われているということがわかります。
コメディ映画は文化を知ることで面白さ倍増!
文化や言語を学ぶということは、簡単なようで実は奥が深く、時間がかかるものです。しかし、だからといって外国映画が楽しめないなんてもったいない!ぜひこれを機に、映画を見る前や見た後に気になったことを調べ、映画のその先にある外国社会・外国文化に触れてみてはいかがでしょうか?
執筆者:うえきゆみこ
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