ラッパー・SEEDAさんが主宰するインタビューメディア「ニートtokyo」が、活動の「第一幕」を終了すると発表した(外部リンク)。
「ニートtokyo」公式Xは8月2日、今後について声明を公開。2017年11月1日の始動から約9年にわたって続けてきた活動に、ひとまず2026年8月末で区切りをつけるという。
発表では「終了」ではなく、あくまで「第一幕の終了」と表現されている。今後の具体的な展開や、新たな活動形態については現時点で明らかにされていない。
SEEDAが立ち上げた「ニートtokyo」
「ニートtokyo」は、SEEDAさんが2017年に始動したYouTube発のインタビューメディア。
グリーンバックを背にした出演者が、インタビュアーから投げかけられた一つの質問に答える、簡潔な動画フォーマットを特徴としている。
出演者の回答を編集したり、ナレーションで意味づけしたりせず、本人の言葉や間、表情まで含めて数分程度の短尺動画として公開。既存の音楽メディアとは異なる、生々しく即時性の高いインタビューの形を築いた。
これまでにラッパーを中心に、DJ、ビートメイカー、ダンサー、モデル、俳優、お笑い芸人、YouTuber、VTuber、メディア関係者など、ストリートシーンを支える多様な人物が出演。
YouTubeチャンネルには約4700本の動画が蓄積され、登録者数は43万人超、総再生回数は3億回を超える規模に成長している。
ストリートシーンの肉声を残した、日本ヒップホップの映像アーカイブ
2010年代後半以降、日本のヒップホップは、ストリーミングサービスやYouTube、ABEMAのオーディション番組などを通じ、急速にリスナーとファンを拡大。
その変化のただ中で「ニートtokyo」は、すでに広く知られたスターだけでなく、若手や気鋭アーティスト、ローカルシーンで活動するラッパーにも同じフォーマットで露出機会を提供。
大規模な媒体に出演する機会が限られていた人物の言葉を、短く、視聴しやすい映像として記録。キャリアの初期に出演したラッパーが、その後シーンの中心人物になる例も少なくない。
結果としてチャンネルに残された大量の動画は、2010年代後半から2020年代にかけて、日本のヒップホップやストリートカルチャーに誰が存在し、何を考えているのかを伝える巨大な映像アーカイブになった。
ニートtokyo/画像はYouTubeより
短尺動画時代を先取りしたインタビュー形式
「ニートtokyo」の形式は、現在のTikTokやYouTube Shortsを中心とする短尺動画文化を、早い段階で先取りしていたともいえる。
一本の動画で一つの質問を扱い、出演者の回答を短時間で提示する。タイトルやサムネイルには、その人物の意外な経験や価値観が端的に表れる言葉を掲げる。
視聴者は長時間のインタビュー全体を追わなくても、気になった人物や話題から断片的にアクセスできる。さらに、同じ出演者の動画を連続して見ることで、その人物像を立体的に理解することもできた。
インタビューを完成した記事や番組として提示するのではなく、細かな発言の集合として公開する設計は、スマートフォンとSNSを前提にしたメディアとして先駆的な表現だったといえる。
2018年のKAI-YOUによるインタビューにおいて、SEEDAさんは既存の文字メディアとは異なる映像インタビューの可能性について語っている。
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