文芸評論家・三宅香帆さんの新刊『推したちとどう生きるか』が、7月17日(金)に新潮新書から刊行される。
本書は、野球や観劇、アイドル、VTuberなど、幅広いジャンルに広がる「推し活」を題材に、日本社会におけるファン文化の歴史と現在をたどる一冊。
「推し」とともに年齢を重ねる時代に、私たちは推しとどのような関係を築いていくのか。その問いを、近代以降の日本文化や現代社会の変化から考える内容となる。
「推し活」はなぜここまで広がったのか
『推したちとどう生きるか』は、日本人と推し活の関係を近代からさかのぼって考察する新書だ。
『推したちとどう生きるか』書影
目次には、「日本はなぜ推し活が好きなのか」「近代日本とアマチュアリズム・アイドルの誕生」「一億総中流社会に誕生したアイドルという子どもたち」「『母』化する現代日本の推し活」「アメリカと共同性と推しの語り口」といった章が並ぶ。
近年、「推し活」はアイドルやアニメファンの言葉に留まらず、スポーツ選手、配信者、VTuber、俳優、ミュージシャンなど幅広い対象へ拡張してきた。
本書ではそうした現象を一過性のブームとしてではなく、日本社会に根付いた文化として捉え直す内容になっているようだ。
VTuberも射程に入れた“推し”の文化論
公開されている紹介文では「『推し活』はもはや一時の熱狂にとどまりません」と説明。
「推し」が私たちに特別な「ハレの日」を与えるだけでなく、日常である「ケの日常」にも寄り添う存在になっていると分析されている。
配信文化やSNSの発達によって、ファンが推しと接する時間は飛躍的に増えた。
本書はそうした現代的な推し活を、日本独自の文化史の延長線上に位置付ける試みとも言えそうだ。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』著者の最新作
三宅香帆さんは1994年生まれの文芸評論家。
哲学者・谷川嘉浩さんが提唱した「令和人文主義(読書・出版界とビジネス界をまたいだ文化的潮流。押しつけがましさ抜きに人文知の重要性を訴える姿勢が貫かれている)」ムーブメントの担い手のひとりに数えられている(外部リンク)。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で新書大賞を受賞。『「好き」を言語化する技術』『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』などの著書でも注目を集めてきた。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』書影/画像はAmazonより
近年は若者文化やインターネット文化を論じる機会も多く、『考察する若者たち』では考察動画やChatGPT、MBTIなどを題材に令和のヒットコンテンツとZ世代のカルチャーを分析している。
『推したちとどう生きるか』は、そうした三宅香帆さんの関心が「推し」というテーマへ向かった最新作となる。
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