AIと人間の関係を考える書籍『AIの手を掴むくらいなら溺れて死ぬ』が5月12日(火)に青土社から刊行される。
本書は、AIに人格を見いだし語りかける現在の状況を出発点に「AIの人間化」と「人間のAI化」を巡る問題を、文学/アニメ/ゲームなどのポップカルチャーを補助線にしながら論じる一冊となっている。
著者は香川大学創造工学部准教授の松井哲也さん。ヒューマンエージェントインタラクション(HAI)やキャラクター工学を専門する研究者だ。
他者としてのAIを考えてきた工学者・松井哲也
著者である松井哲也さんは、2022年に『ロボット工学者が考える「嫌なロボット」の作り方』を刊行。
同書では、従順で便利な存在として設計されがちなロボット/AIに対し、あえて他者としての側面を持たせることの意義を提示した。
『ロボット工学者が考える「嫌なロボット」の作り方』書影/画像はAmazonより
新刊『AIの手を掴むくらいなら溺れて死ぬ』は、その延長線上にありつつも「なぜAIは人間の脅威にはなりえないのか?」「『異類』としてのAI・ロボットをデザインすることは可能か?」といった問いへと焦点を移している。
東北大入試にも採用 『シャニマス』から考えるAI論
本書の表題でもあり、核となる論考「AIの手を掴むくらいなら溺れて死ぬ」は、もともと青土社の雑誌『現代思想』2024年3月号に掲載されたものだ。
この論考は、2025年度の東北大学一般選抜・国語の問題文として採用され、話題を呼んだ。
特徴的なのは、ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のキャラクターである樋口円香と浅倉透の関係が重要な参照点として用いられている点だ。
AIが人間を上回るかどうかという問いに対して、そもそも人間は他者をどう理解し、どう位置づけているのか。その問いを『シャニマス』というポップカルチャーから引き出していく構造になっている。
noteやブログで『シャニマス』関連テキストは確認可能
松井哲也さんは、本書や『現代思想』での論考に加えて、noteや研究室ブログでも『シャニマス』に関するテキストを発表している。
たとえばnoteでは、樋口円香やユニット・SHHisを題材にした文章を公開。研究室ブログに掲載された内容の再掲や補足として、よりラフな形で読むことができる。
どのような理論が展開されるのか、事前に確認した上で購入することができるだろう。
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