美学者・難波優輝さんによる新刊『本とは何か』(新潮社)が、6月17日(水)に刊行される。
「本を読むってそんなに偉いことなんでしょうか」 という複数の書店員から投げかけられた疑問をきっかけに、難波優輝さんが読書の意味を問い直す内容だ。
小説からレシピ本まで、あらゆる「本」を通して読書を考える
『本とは何か』では、難波優輝さんが提唱する「読書とは〈パフォーマンス〉である」という概念を手がかりに論が展開される。
対象となるのは、小説や人文書、漫画だけではない。ハウツー本や楽譜、さらにはレシピ本までにもフォーカス。幾多の学問領域を横断しながら、この世に存在するあらゆる「本」について考えていく。
本を読むことが無条件に「良いこと」とされがちな現代において、読書の意味を根本から問い直す前代未聞の試みとなっている。
■目次
はじめに 本を読んでいるときに、私たちが考えていること
第一章 へたな読書と上手な読書は何が違うのか――パフォーマンスとしての読書
第二章 物語を読むと他人が分かるようになるのか――あいだのパフォーマンス
第三章 難しい人文書が分からなくてなぜ楽しいのか――分からなさ
第四章 ハウツー本でなぜ元気になるのか――変身の予感
第五章 なぜ雑誌は読み通せなくてもいいのか――回遊する時間帯
第六章 マンガは本なのか――アトラクションと批評
第七章 楽譜とレシピの何を読んでいるのか――自由と可能性
第八章 なぜ読んだ本をSNSで紹介するのか――装いと家具
第九章 積読と書店めぐりは読むことなのか――庭とデモクラシー
「全肯定」ではない距離感で、読書を考える
難波優輝さんは、1994年生まれの美学者。専門は、分析美学とポピュラーカルチャーの哲学。
主な著作に『物語化批判の哲学』『なぜ人は締め切りを守れないのか』『批判的日常美学について』など。2025年11月には堀之内出版から『なぜ人は締め切りを守れないのか』が刊行された。
このほか、インターネット上でも様々なジャンルで執筆活動を展開。晶文社での連載「批判的日常美学について」やKAI-YOU Premiumでもインタビューやコラムを執筆している。
今回の刊行に際して、難波優輝さんは「本が好きだからこそ、『全肯定』ではない、ひっつきすぎず離れすぎずのいい感じの距離感で考える言葉を作りたかった」とコメント。
そしてこの本がきっかけとなり「本についての語りがさらに多種多様になる未来」を想像しているそうだ。
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