アメリカの玩具メーカー・ハズブロのCEOであるクリス・コックスさんとその幹部らに対して、1月21日に同社の株主2人が連邦訴訟を起こしていた。
しかし2月17日、2人は自主的に訴訟を取り下げたと米ロードアイランド州の地元メディア「Rhode Island Current」が報じた(外部リンク)。
「過剰印刷によりカードの資産価値が毀損された」と主張
この訴訟は、ハズブロの子会社であるウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の主力カードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』(以下『MTG』)の製造及び販売方針を巡って起こされていたものだ。
本件の原告となったのは、それぞれ2020年、2021年からハズブロ社の普通株を保有しているジョセフ・クロコノさんとアルタン・マクグローンさん。
「受託者責任違反」「不当利得」「会社資産の浪費」「重大な経営不行き届き」「支配権の濫用」ならびに「米国証券取引法違反」を理由として、連邦裁判所に訴訟を提起していた。
ハズブロ/画像はハズブロ公式サイトから
2人はハズブロおよび子会社のウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が、短期的な利益を追求して『MTG』のカードを過剰に印刷・発行したと主張。
それによって流通市場におけるカードの資産価値が毀損される上、『MTG』というゲームの長期的な価値を破壊していると訴えた。
さらに、2022年から2023年にかけて行われた株主総会や説明会における会社側の公表内容が「重大な虚偽であり、投資家の誤解を招くものである」とも訴えており、投資家を誤認させて株価に悪影響を与えたとして提訴していた。
しかし、前述のとおり1カ月も経たないうちに自主的に訴訟を取り下げている。現段階では取り下げの理由は明らかになっていない。
訴訟取り下げの背景には“過去最高の売上高”の存在?
一部の株主やプレイヤーからは近年の販売ペースの増加やカードの過剰印刷に対する懸念の声が上がっていたものの、2025年度の決算でハズブロは極めて好調な業績を示している。
ハズブロが2月10日に発表した2025年第4四半期決算によると、『MTG』は自社の売上記録を更新。2025年度は前年度比59%増となっている。
『MTG』の業績好調により、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社とデジタルゲーム部門の収益が45%増加。年間を通じて同社全体の収益が14%増加した主な理由であると説明している。
結果として全体でハズブロは2025年度において株主らに対して3億9300万ドルの配当を生み出したという事実がある(外部リンク)。
好調な業績が提訴を取り下げたことと直接的な関係があるのかは明らかになっていないが、結果的には記録的な利益と多額の株主還元が証明される形となった。
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