自分にとってアニメーションは、瞬間の繋がりによって生命を吹き込まれたものです。
アニメーション制作の現場においては、多くの人との関わりがあり、それぞれ相互的に点状の作業が結びつき、線のようにまとまって、最終的には表現として生み出されています。その背景には表面からは観測できない、かけられた時間や込められた思い、感情が確かに存在しています。
この事実は私自身の表現においての歩みにも共通していると日々の制作を通して実感してきました。
そこで描かれた線は真っ直ぐに紡がれたわけではなく、何かから脱却しようとする過程や解釈によって浄化されていく過程を経て、曲線的に変化を続けているように思えます。
幼少の時に観たアニメーションの変身シーン、登場人物が危機から脱するシーンにも自分を投影していたこともあり、ある状態から違う状態へと変化する過程や、葛藤や苦難を経た先にある成長やカタルシスに惹かれ、それを自分が触れてきたアニメやコミック、イラストレーションの文化の中で培った技法で表現しています。
今回の個展「arc」では、そのような自分自身の成長の軌跡、そしてアニメーションの中にある「見えない尊さ」を重ね合わせた時間と手仕事の痕跡を「曲線」として残そうと思い作品制作を行いました。
この空間を通して、瞬間の価値と、その前後や背後にある繋がりの存在を感じてもらいたいと考えています。
米山舞

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イベント情報
YONEYAMA MAI EXHIBITION “arc”
- 会期
- 2025年12月6日(土)~12月28日(日)
- 時間
- 11:00~20:00 ※最終日のみ18:00閉場
- 会場
- GINZA SIX 6F 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM
- ⼊場
- 無料
- 共催
- 銀座 蔦屋書店 / 株式会社アプリボット
- 協力
- SSS by Applibot
︎米山舞について
長野県出身。
イラストレーター・アニメーター・アーティスト。アニメーション会社に在籍したのち2018年からイラストレーターとして装画・広告などを手掛け、映像監督としてもCMやMVなどで印象的な作品を発表している。
また、精力的に個展を行う中で最新技術を探し出し、デジタルイラストレーションの可能性を常に模索し作品を発表している。
2019年には初個展となる「SHE」、2021年個展「EGO」を開催、2023年PARCO MUSEUM TOKYOにて開催された「EYE」はアクリルにUV印刷を施したレイヤー作品を多く発表し業界内外で注目を集めた。
イギリス・ロンドンのサーチギャラリーで開催された展覧会「START ART FAIR2021」に出展した作品『00:00:00:00』は16枚の作品から構成される集合作で、時間芸術と空間芸術の組み合わせによるアニメーター出身のイラストレーターとしての来歴を象徴するような作品になっている。
略歴
「キルラキル-KILL la KILL-」総作画監督補佐/作画監督/原画
「キズナイーバー」キャラクターデザイン/作画監督
「ダーリン・イン・ザ・フランキス」作画監督/エンディング演出・作画
「プロメア」ビジュアルデベロップメント
「サイバーパンクエッジランナーズ」EDアニメーション監督/絵コンテ/演出/原画/撮影
「Newパンティアンドストッキング」バンクシーン原画
「RADIO EVA」キービジュアル
「YOKU/Eve」アニメーションディレクター/絵コンテ/キャラクターデザイン/原画
カネボウ化粧品「KATE」キービジュアル/パッケージビジュアル
「LAZARUS」EDアニメーション監督/絵コンテ/演出/原画
出展歴
2019年 個展「SHE」pixiv WAEN GALLERY
2021年「START ART FAIR2021」出展
2021年 個展「EGO」anicoremix gallery
2023年 個展「EYE」PARCO MUSEUM TOKYO
2024年「ARTISTS' FAIR KYOTO2024」 選出
2024年「ART SESSION by 銀座 蔦屋書店」出展
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