第44回星雲賞の候補作品発表。『屍者の帝国』『さよなら絶望先生』『魔法先生ネギま!』『巨神兵東京に現る』など

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第44回星雲賞の候補作品発表。『屍者の帝国』『さよなら絶望先生』『魔法先生ネギま!』『巨神兵東京に現る』など
第44回星雲賞の候補作品発表。『屍者の帝国』『さよなら絶望先生』『魔法先生ネギま!』『巨神兵東京に現る』など
最も長い歴史を誇るSF賞である星雲賞の第44回候補作品が発表された。毎年行われる日本SF大会の参加者らによる投票が行われ、過去1年の最優秀作品が発表される。今年は、5月31日にかけて投票され、広島県で開催される7月20日・21日の第52回日本SF大会中に発表されることになっている。

星雲賞は、日本長編部門・日本短編部門・海外長編部門・海外短編部門・メディア部門・コミック部門・アート部門・ノンフィクション部門・自由部門という全9部門にわたったSF作品を網羅し、それぞれの部門で最も優秀なSF作品及びSF活動を決定する。

今年は、日本長編部門では、故・伊藤計劃さんの遺志をついで芥川賞受賞作家の円城塔さんが書き継いだ『屍者の帝国』や、イラストをredjuiceさんが担当されマンガやフィギュア化など意欲的に展開されている長谷敏司さんの『BEATLESS』などが挙がっている。日本短編部門の候補作には、『原色の想像力2 創元SF短編賞アンソロジー』(創元SF文庫 編集:大森望、日下三蔵、堀晃)に収録され好評を博した、大阪弁の女性と宇宙人が織りなすコメディを描いたオキシタケヒコさんの「What We Want」などがある。

メディア部門では神山健治監督による『009 RE:CYBORG』や大人気作品の続編『エウレカセブンAO』といったアニメ作品やハリウッド映画『アベンジャーズ』などの他、樋口真嗣監督、庵野秀明脚本、そして小説家の舞城王太郎さんが「言葉」を担当した、特撮短編作品の『巨神兵東京に現る』などもエントリーされている。同作が上映された「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技(東京展)」自体も自由部門に選出されている。

また、コミック部門の候補作には、長寿マンガ『さよなら絶望先生』『魔法先生ネギま!』や、自由部門では原画展もエントリされている大友克洋さんの『OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2』などがある。

ちなみに、昨年度2012年の星雲賞受賞作は以下の通りだ。


2012年 第43回星雲賞 受賞作品一覧
【日本長編部門(小説)】
『天獄と地国』 小林泰三 早川書房

【日本短編部門(小説)】
『歌う潜水艦とピアピア動画』 野尻抱介 早川書房「SFマガジン8月号」掲載

【海外長編部門(小説)】
『ねじまき少女』 著:パオロ・バチガルピ 訳:田中一江、金子浩 早川書房

【海外短編部門(小説)】
『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』 著:テッド・チャン 訳:大森望 早川書房「SFマガジン1月号」掲載

【メディア部門】
『魔法少女まどか☆マギカ』 監督:新房昭之 有限会社シャフト
©Magica Quartet / Aniplex・Madoka Partners・MBS

【コミック部門】
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 安彦良和 角川書店

【アート部門】
鷲尾直広

【ノンフィクション部門】
『吾妻ひでお〈総特集〉---美少女・SF・不条理ギャグ、そして失踪』 河出書房新社

【自由部門】
該当なし


星雲賞への投票資格としては、一般は18000円、22歳以下は6000円の大会参加費を支払うか、投票のみであれば3000円で可能だ。

日本SF大会自体、SFファン最大のイベントと言っても過言ではない。日本中のSFファンのアツい1票で決定される星雲賞、今回の行方にも注目が集まっている。


第52回日本SF大会(こいこん)公式サイト
http://www.koicon.com/ja/top.html

星雲賞参考候補作一覧
http://www.sf-fan.gr.jp/awards/2013result.html


2013年 第44回星雲賞 候補作品一覧
[日本長編部門]
『屍者の帝国』 伊藤計劃、円城塔 河出書房新社
『機龍警察 暗黒市場』 月村了衛 早川書房
『本にだって雄と雌があります』 小田雅久仁 新潮社
『BEATLESS』 長谷敏司 角川書店
シリーズ 甲田学人 アスキー・メディアワークス
『Delivery』 八杉将司 早川書房
『百年法』(上下巻) 山田宗樹 角川書店

[日本短編部門]
「〈すべての夢|果てる地で〉」 理山貞二 東京創元社『年刊日本SF傑作選 拡張幻想』収録
「What We Want」 オキシタケヒコ 東京創元社『原色の想像力2』収録
「盤上の夜」 宮内悠介 東京創元社『盤上の夜』収録
「いま集合的無意識を、」 神林長平 早川書房『いま集合的無意識を、』収録
「人の身として思いつく限り、最高にどでかい望み」 粕谷知世 河出書房新社『NOVA8』収録
「洞(うつお)の街」 酉島伝法 東京創元社『原色の想像力2』収録

[海外長編部門]
『アンドロイドの夢の羊』 著:J・スコルジー 訳:内田昌之
『量子怪盗』 著:H・ライアニエミ 訳:酒井昭伸
『連環宇宙』 著:R・C・ウィルスン 訳:茂木健
『ブラックアウト』 著:コニー・ウィリス 訳:大森望
〈リヴァイアサン〉三部作 著:スコット・ウエスターフェルド 訳:小林美幸

[海外短編部門]
「火星の皇帝」 著:アレン・M・スティール 訳:古沢嘉通
「女王の窓辺に赤き花を摘みし乙女」 著:レイチェル・スワースキー 訳:柿沼瑛子
「ポケットの中の法」 著:パオロ・バチガルピ 訳:金子浩
「タマリスク・ハンター」 著:パオロ・バチガルピ 訳:中原尚哉
「穢れた手で」 著:A・T・カストロ 訳:小野田和子
「ヴィシュヌと猫のサーカス」 著:イアン・マクドナルド 訳:下楠昌哉


[メディア部門]
『モーレツ宇宙海賊』 監督:佐藤竜雄 原作:笹本祐一 サテライト
『アイアン・スカイ』 監督:ティモ・ブオレンソラ テロ・カウコマー他
『アベンジャーズ』 監督:ジョス・ウィードン 製作総指揮:ヴィクトリア・アロンソ
『009 RE:CYBORG』 監督:神山健治 原作:石ノ森章太郎 Production I.G / サンジゲン
『巨神兵東京に現る』 監督:樋口真嗣 脚本:庵野秀明 特撮研究所 / カラー
『輪廻のラグランジェ』 総監督:佐藤竜雄/監督:鈴木利正/原作:Production I.G XEBEC / ラグランジェ・プロジェクト
『エウレカセブンAO』 監督:京田知己 原作:BONES BONES

[コミック部門]
『鉄腕バーディーEVOLUTION』 ゆうきまさみ 小学館
『星を継ぐもの』 星野之宣 小学館
『マップス ネクストシート』 長谷川裕一 ソフトバンククリエイティブ/ほるぷ出版
『秘密 ―トップ・シークレット―』 清水玲子 白泉社
『OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2』 大友克洋 講談社
『さよなら絶望先生』 久米田康治 講談社
『魔法先生ネギま!』 赤松健 講談社

[アート部門]
鈴木康士 http://www016.upp.so-net.ne.jp/elegant/
Pablo Uchida http://pablouchida.cghub.com/
Kekai Kotaki http://www.kekaiart.com/index.html
coco http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/
米田仁士 http://members.jcom.home.ne.jp/zarathustra/
鷲尾直広 http://www11.ocn.ne.jp/~kiwi/
鶴田謙二
岩郷重力

[ノンフィクション部門]
『戦後SF事件史』 長山靖生 河出書房新社
『SF挿絵画家の時代』 大橋博之本の雑誌社
「《特集》CGMの現在と未来: 初音ミク,ニコニコ動画,ピアプロの切り拓いた世界」 情報処理学会


[自由部門]
iPS細胞
「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技(東京展)」
移動式全天球シアター「SPACEBALL」
大友克洋GENGA展
金環日食

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