市販アバターで“自ら”を再現するVTuberたち
そして、「VRChat」上での自分を、市販アバターで表現する動きも見られます。
2024年にスタンミさんが企画協力した、REJECT所属の天鬼ぷるるさんのVRChat握手会では、天鬼ぷるるさんが市販アバター「ルーシュカ」をベースにした改変モデルで出演。
この時点では間に合っていなかった(※天鬼ぷるるさんの3Dモデルは2024年10月に初公開)ワンオフ3Dモデルの代理として、この企画で活躍を見せました。
2025年に入ると、.LIVEの神楽すずさんも「VRChat」配信をスタート。
初めての配信では「ミルティナ」の改変モデルを使用していました。後に自らのワンオフ3Dモデルも「VRChat」に持ち込むことに成功していますが、以後も配信上でこの「ミルティナ」の姿を見せています。
この改変モデルはベースから髪色、瞳、表情が、神楽すずさんのオリジナルの姿に寄せるように調整されています。
(ちなみに、「ミルティナ」は2025年に発売されたばかりの最新アバターのひとつです)
また、神楽すずさんの後輩筋にあたる、.LIVEと同じくアップランドが運営するぶいぱい所属の鬼頭みさきさんも2025年にVRChat配信を実施。特にユーザーシェア率の高い人気アバター「マヌカ」を使用しています。
こちらも、髪型を鬼頭みさきさん自身に寄せたものに改変しているため、神楽すずさんの方式が採用されているように見られます。
赤見かるび自らがアバターの改変に挑戦
そして2025年3月に入り、VTuberが「VRChat」で自身に近い改変アバターを使ったり、自身の3Dモデルに別の3D衣装を着せる動たりする動きが、同時多発的に見られるようになりました。
まず、赤見かるびさんは「VRChat」で実施された、ストリーマーのけんきさんを裁判にかける企画にて、「キプフェル」の改変モデルを使用しました。
髪型、瞳、さらに衣服も改変した姿は、本人の面影が色濃く宿っています。Xに投稿されたこのアバターの写真は、赤見かるびさん本人が改変した旨の発言も合わせ、大きな反響を呼びました(外部リンク)。
さらに、近いタイミングで、シンガーのyosumiさんが自身の3Dモデルで市販3D衣服を着たとおぼしき写真を投稿しており、「オシャレできて楽しい」とコメントしています(外部リンク)。
同じくシンガーの藍月なくるさんも、「VRChat」上での自撮りと思われる写真を投稿。こちらは普段の3Dモデルとは少しデザインが異なるように見えます。
「VRChat」が拡張するVTuberの自己表現
こうした動きそのものは、2024年以前から、特に「VRChat」で活動するVTuberや配信者の間でよく見られるものではありました。
企業所属VTuberに限っても、例えばRe:AcT所属の水瓶ミアさんが、2021年から「VRChat」にて市販アバターの改変モデルを用いた配信をたびたび実施しています。
筆者の私見ですが、一連の動きは2024年のブームを経て、再びVTuberの間で「VRChat」が再評価されつつある、と解釈できるかもしれません。
「VRChat」向けアバターや3D衣装は、利用規約が細かく定義されているため、配信などへの利用には若干のハードルがあるものの、バーチャルな活動者にとってはより幅広い自己表現を生み出し、プライベートの楽しみも広げる力があります。
彼らの活動の支えとして、今後さらに広まっていく可能性は十分にあるでしょう。
※記事初出時、一部記述に誤りがあったため訂正しております。

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2件のコメント
都築 陵佑
この度はコメントありがとうございます。KAI-YOU編集部の都築です。
ご指摘いただきました件につきまして、大変失礼いたしました。
該当箇所の記述を訂正いたしました。
匿名ハッコウくん(ID:12434)
素晴らしい記事ありがとうございます!
一つ気になったのですが鬼頭みさきさんは.LIVE所属ではなく、.LIVEと同じ運営会社のアップランドの姉妹グループぶいぱい所属です。
ご本人様達が明確に線引されてらっしゃるので指摘させていただきます。