漫画『ぷにるはかわいいスライム』に通じるテーマ性
『ダウナーお姉さんは遊びたい』では、1話でタカラトミーのBEYBLADE X(ベイブレードX)、2話でバンダイのハイパーヨーヨーアクセルが登場します。どちらも言わずと知れた玩具メーカーが販売している人気の玩具ですね。
こうした玩具を毎話で取り上げその魅力を伝えるとともに、ホビーが大好きな大人・ダウ姉さんと、大人になるための階段で躓いている少年・新夕くんの交流をコメディちっくに描くのが本作の主な流れになるようです。
ダウ姉さんは名前すら判明しておらず、今のところ公園で1人玩具で遊ぶ変人でしかありません。しかし、大人(年齢不明)でありながら童心を忘れず、楽しそうに玩具と戯れる姿はとても自由に見えます。
翻って、まだ社会的な責任もなく自由でいるはずの新夕くんは何となく浮かない顔をしている。このアンバランスさ、対比は象徴的です。
もう子どもには戻れないけれど、大人にもなりきれない微妙なお年頃の新夕くんが、ダウ姉さんと玩具で遊ぶことでどう変化していくのか──その変わっていく姿そのものが、物語の核となっていくのではないでしょうか。
同じく「週刊コロコロコミック」で連載中の『ぷにるはかわいいスライム』とも通じる、子どもから大人への変化を一つ重要なテーマにしていくのかもしれません。
『だがしかし』など小学館のコンテンツ紹介系漫画の系譜
『ダウナーお姉さんは遊びたい』の1話と2話の最後には、各話で紹介したBEYBLADE Xとハイパーヨーヨーアクセルのビジュアルおよび、公式サイトに繋がるQRコードが掲載されています。
取り上げるからにはしっかり紹介するスタンスのようです。
1話の扉絵ではZOIDS、デュエルマスターズ、カードファイト!! ヴァンガード、ミニ四駆、ボトルマンなど数え切れないホビーが描かれており、今後どんどん登場すると思われます。個人的にはZOIDS回に期待。
このように実在する商品を漫画の中で取り扱う漫画は小学館には多い印象があります。
『よふかしのうた』で知られるコトヤマさんの駄菓子をテーマにした『だがしかし』はその筆頭。お酒を題材にした火野遥人さんによる『たくのみ。』や、カップ麺を題材に小学館の漫画アプリ「マンガワン」で連載中の『3分待って むぎ先輩』もそうです。
いずれの漫画も取り上げる商品の豊富な豆知識と、なにより魅力的なキャラクターの掛け合いが面白い漫画です。『ダウナーお姉さんは遊びたい』は、これら、いわば商品紹介系漫画の系譜を継ぐ作品に思えます。
また、魅力的なキャラクターという点で言えば、『ダウナーお姉さんは遊びたい』はダウ姉さんがすでに話題性を獲得しており、滑り出しはこれ以上ないほど上手くいったのではないでしょうか。
まだまだその魅力を出し尽くしていないダウ姉さん、そして新夕くんの変化が楽しみです!
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