過去を思い出せない主人公・鯨井と、廃墟になった九龍
『九龍ジェネリックロマンス』最初の衝撃は、1巻に収録されている8話でしょう。
鯨井とそっくりな人間、作中では鯨井B(仮称)と呼ばれる女性の存在と、鯨井Bが工藤の婚約者だということが明らかになります。
続いて鯨井に過去の記憶がないことが判明。鯨井Bが何らかの原因で記憶喪失になった結果が今の鯨井で、工藤は彼女の記憶が戻るのを待っているのではないか?
という説が浮かび上がるのですが、それを反証するように、鯨井がすでに亡くなっていることがわかります。鯨井と鯨井Bは、外見が同じで中身が異なる別人だったのです。
次に鯨井が鯨井Bのクローンである説が浮上するのですが、この鯨井クローン説に対立する別の可能性も考慮しなくてはならない展開になり……このように、8話以降、鯨井の出自に限らず、謎が謎を呼んでは読者を煙に巻きます。
まずAという謎があり、その回答Bが導き出されたかと思え...
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