アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』とコラボした、Steinberg製のUSBオーディオインターフェース「UR22C Bocchi Edition」が、7月1日(月)から28日(日)まで期間限定で受注販売されます。
本商品は人気エントリーモデル「UR22C」の筐体の天面に、『ぼっち・ざ・ろっく!』の主人公・“ぼっちちゃん”こと後藤ひとりの描き下ろしイラストがプリントされた逸品。
側面には『ぼっち・ざ・ろっく!』のロゴと通称「ツチノコぼっち」のイラストがあしらわれています。価格は35200円(税込)です。
(※)この記事には、漫画およびアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』のネタバレが含まれています。
目次
ぼっちちゃん愛用のオーディオインターフェースに潜む謎
恐らく、音楽クリエイターやサウンドエンジニア、あるいは配信者などではない限り、あまり聞き馴染みがないであろう「オーディオインターフェース」。
PCとマイクやギター、シンセサイザーなどの楽器を繋げるための機材です。録音/再生時の音質や音の遅延を改善できるなど、パソコンを使った音楽制作や録音には必要不可欠な存在です(外部リンク)。
『ぼっち・ざ・ろっく!』劇中にて、「guitarhero(ギターヒーロー)」という名義で動画投稿サイトに弾いてみた動画を投稿している後藤ひとりももちろん所持しています。
アニメ第1話にもオーディオインターフェイスが登場しており、その筐体のデザインから、Steinberg製の「UR22mkII」や後継機である「UR22C」ではないかと音楽ファンの間で囁かれていました。
(※)余談ですが、音楽活動をしている筆者も、初心者のころはオーディオインターフェースとして人気エントリーモデルの「UR22mkII」を使用していました。
しかし、ここでひとつの疑問が──後藤ひとりが使用しているDAWソフト(音楽制作ソフト)なのですが──少なくともアニメの描写では、どう見てもApple社製の「GarageBand」なんですよね。
なぜ後藤ひとりは「Cubase」を使わないのか?
「UR22C」も「UR22mkII」も、Steinberg製のDAWソフト「Cubase AI」が付属しています。
どうして後藤ひとりは「Cubase AI」ではなく「Grageband」を使用しているのでしょうか?
仮に、後藤ひとりが“弾いてみた動画”を制作するために「UR22C」(あるいは「UR22mkII」)を購入したとして、オーディオインターフェースに付属している「Cubase AI」ではなく、あえて「GarageBand」を使用するのは不自然……とまでは言えない(※)ものの、何らかしらの意図を感じさせます。
(※)DAWソフトには、それぞれ得意・不得意があるため、単純に優劣を語るのは難しいです。ちなみに、筆者がはじめてオーディオインターフェースとして「UR22mkII」を購入した時には、「Cubase AI」を使用していました。
アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』と言えば、アニメ制作会社・Clover Worksによる音楽やバンドに対するリアリティと細部への気づかいを感じさせる描写も注目を集めた作品。
そこにはきっと理由があるはず!
無料ソフト&エントリーモデルの機材構成を明確にしたからこそ浮かび上がるキャラクター性
下位モデルから上位モデルまで、“共通の高音質と使いやすさ”を備えていると謳う「Cubase」(外部リンク)。プロのアーティストも使う人気のソフトです。
どのグレードの「Cubase」も、ディティールで区別するのが困難だと言えるほどに、ほとんど似たようなUIデザインなのも特徴。もし仮に後藤ひとりが劇中で「Cubase」を使っていたとしたら、下位モデルなのか最上グレードなのか、それを断定するのは難しいです。
その点にこそ、後藤ひとりにふさわしいソフトが「GarageBand」である理由が隠されていると考えています。
「GarageBand」なら、デフォルトの無料ソフトであることが明確(そもそも無料版しか存在しないため。有料版の「Logic Pro」とディテールで区別するのは「Cubase」ほど難しくありません)。使用機材によって、後藤ひとりのキャラクターを表現/演出するのであれば、「GarageBand」のほうが意味性が生まれます。
つまり後藤ひとりは、無料ソフト×エントリーモデルという機材構成で、覆面女子高生ギタリスト「guitarhero」としてインターネット上で人気を集めていた、という設定を生み出せるのです。
もちろんプロと同じ機材を使えば必ずしもクオリティが高くなるというわけではありませんが、そのビハインドを埋めるほどに「guitarhero」の腕前は凄まじかったのです。
「UR22C」(あるいは「UR22mkII」)と「GarageBand」という機材構成は、後藤ひとりのギターの実力を示す演出として、しっかりと機能していると考えています。
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