麻雀漫画の50年に及ぶ歴史を、関係者へのインタビューなどから明らかにする書籍『麻雀漫画50年史』が、5月31日(金)に文学通信から刊行される。
1960年代〜70年代に連載された阿佐田哲也さんの小説『麻雀放浪記』のヒットに代表される麻雀ブームの発生と、青年向け漫画誌の勃興の中から生まれ始めた麻雀漫画が、どのような変遷をたどってきたのかを紐解く。
著者は、サークル「フライング東上」として、麻雀関連の同人誌などを手がけてきたV林田さん。表紙のイラストは、麻雀漫画『咲-Saki-』の作者として知られる漫画家/イラストレーター・小林立さんが担当した。
歴史を変遷を明らかにし、隣接ジャンルも照らす『麻雀漫画50年史』
近年、麻雀プロリーグ戦「M.LEAGUE(Mリーグ)」をはじめ、オンライン対戦ゲーム『雀魂』やそれを用いた大会「神域リーグ」など、麻雀シーンが盛り上がりを見せている。
そうした中で、麻雀漫画が改めて注目される機会も多い。そんな麻雀漫画の歴史を『麻雀漫画50年史』は全5章構成で解説。
「麻雀漫画黎明期 70年代」「麻雀漫画誌戦国時代 80年代」「竹書房麻雀漫画の黄金時代 90年代」「下り坂の専門誌と一般誌掲載作の台頭 00〜10年代」「麻雀漫画のこれから 20年代」という各章に加え、年表、用語集、コラムで全体像を捉える内容となる。
書籍の帯に掲載されている作品には、前掲の『咲-Saki-』の他にも『哭きの竜』『あぶれもん』『アカギ』『むこうぶち』『天牌』といったタイトルが並ぶ。
刊行にあたっては、漫画家、原作者、編集者へインタビューを実施。
それらと膨大な資料から、麻雀漫画の歴史を変遷を明らかに。麻雀漫画というジャンルから、出版史、小説史、漫画史、アニメ史、映画史といった隣接ジャンルの歴史を照らす試みにもなっている。
■『麻雀漫画50年史』の「はじめに」より
本書で記すのは、麻雀漫画という漫画界の辺境ジャンルにも様々な人物がいて、情熱や惰性によって様々な雑誌や作品が生み出されてきたということ、ただそれだけだ。その多くは現在では忘れ去られているし、まあ正直忘れ去られても仕方がないものも少なくないのだが、記録にとどめておきたかったのである。世の中にはそういうことを積極的にやりたがる人間がいるのだと思っていただきたい。
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