国立科学博物館、資金難で運営危機 標本の管理費逼迫でクラファン実施

国立科学博物館、資金難で運営危機 標本の管理費逼迫でクラファン実施
国立科学博物館、資金難で運営危機 標本の管理費逼迫でクラファン実施

画像はクラウドファンディングサイト「READYFOR」から

国立科学博物館が、500万点を超える標本・資料を適切に管理する資金が逼迫した状況にあるとして、目標金額1億円のクラウドファンディングを実施している(外部リンク)。

実施しているサイトはREADYFORで、期間は11月5日(日)23時まで。8月7日(月)13時までに約3500万円の支援が集まっている。

光熱費の高騰などで標本の管理費用を削減せざるをえず

国立科学博物館は、独立行政法人国立科学博物館が運営する総合科学博物館。

上野本館、筑波にある実験植物園や研究棟・標本棟、港区白金台地区の附属自然教育園の3か所を拠点に、「調査・研究」「標本・資料の収集・保管・活用」「展示・学習支援」という3つの活動を行っている。

今回、国立科学博物館が支援をつのるのは、上記のうち「標本・資料の収集・保管・活用」について。

国立科学博物館は現在、コロナ禍によって入館料収入が激減(2019年度は約7.5億円、2020年度は約1.5億円)していたところに、光熱費・物価の高騰が重なり、標本・資料を収集・管理する資金が危機的な状況にあるという。

収蔵庫の光熱費は3億8000万円 経営を逼迫

標本・資料の大半を保管している収蔵庫は、年間を通して温度・湿度を一定に保たなければならないため節電が難しく、今年度の光熱費は3億8000万円ほどになると見込まれている。これは2021年度と比べて2億円ほど増加した金額だ(外部リンク)。

自助努力や国からの補助ではこの状況を改善できず、このままでは博物館の根幹となる標本・資料の収集・管理の費用を削減せざるを得ないため、クラウドファンディングの実施を決めたとしている。

支援プランは5000円から法人向けの1000万円のものまで幅広く、返礼品も標本のレプリカや収蔵庫のツアーなど様々なものが用意されている。

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