メタバースでのハラスメント経験者は約半数 女性アバターで男性もセクハラ被害に

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Part 2. ハラスメントの実態

ハラスメントを3つのカテゴリーに分類 - メタバースでのハラスメント

ハラスメントの種類・強度・理由についてまとめました。 本調査ではOculusの研究を参考に、ソーシャルVRでのハラスメントを「言葉」「物理」「環境」の3つのカテゴリーに分類します。

ハラスメントの種類

ハラスメント種別 - メタバースでのハラスメント

全体として性的ハラスメントが多いです。ユーザーの多いメタバースプラットフォーム・VRChatでは、性的な言葉(62.5%)・性的に触られる(42.9%)・不適切なアバターを見せられる(68.6%)などが起こっています。

言葉のハラスメント種別 - メタバースでのハラスメント

北アメリカでのみ、言葉のハラスメントにおいて、けなし言葉やヘイトスピーチなどが性的ハラスメント以上でした。

ハラスメントの程度

ハラスメント強度 - メタバースでのハラスメント

全体として、1/3は軽いハラスメントだった一方で、7%は極めて重度なものでした。生物学上における女性は男性よりハラスメントを強く感じています。

没入性の影響

没入性の効果 - メタバースでのハラスメント

ほとんどのユーザーがVR体験の没入性のため、ある程度ハラスメントをリアルに感じています。

理由

ハラスメントの原因 - メタバースでのハラスメント

生物学上での男性が、ハラスメントを受けた理由は「女性型アバターでプレイしていること」が最も多い結果となりました(52.0%)。生物学上における女性においても原因として2番目に多く上がっています。

女性の場合は女性であることも大きな理由でした(71.4%)。北アメリカでは、性的マイノリティであることも理由として挙がっています(31.5%)

メタバース研究ユニット「Nem x Mila」

(左)バーチャル美少女ねむ 日本のVTuberで、メタバース文化エバンジェリスト。HTC公式VIVEアンバサダー。2022年に解説書『メタバース進化論(技術評論社)』を出版(外部リンク)。(右)ミラ:スイス・ジュネーブ大学修士号を取得。現在はフリーの人類学者。2022年に「バ美肉」「VTuber」に関する修士論文でジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞(外部リンク)。

「メタバースでのハラスメント」は、バーチャル美少女ねむとミラことリュドミラ・ブレディキナ(Liudmila Bredikhina)による研究ユニット「Nem x Mila」による調査プロジェクト。

これまでに「Nem x Mila」は、2020年に「新型コロナはバーチャルコミュニケーションを加速したか」を発表(外部リンク)。2021年には「ソーシャルVR国勢調査2021」を無償公開しています。

今回の調査レポート「メタバースでのハラスメント」の全文は、バーチャル美少女ねむのnoteで公開しています(外部リンク)。

【「メタバースでのハラスメント」調査概要】
・目的:ソーシャルVRにおけるハラスメントの実態を調査するため
・回答数:回答数876件(日本・北米・ヨーロッパを始め、全世界のソーシャルVRユーザー876名からの回答が集まった。利用するソーシャルVRは、VRChat・Neos VR・バーチャルキャスト・clusterと多岐に渡った)
・対象:VRヘッドマウントディスプレイを用いて、ソーシャルVR(VRChat、Rec Room、Neos VRなど)を直近1年以内に5回以上使ったユーザーで、英語もしくは日本語話者の方(デスクトップ・スマホからのみの利用者は今回は対象外)
・方法:2022/9/5~9/24、Googleフォームによる公開アンケート
・募集:日英仏3カ国語でプレスリリースを発行し世界中のメディアに送付。各種メタバース関連団体の力を借りて拡散。
・公式サポーター:NPO法人バーチャルライツ、PANORA、メタカル最前線、株式会社ブイノス

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