「著作権を保持していないイラストを著作権者の許諾なくアップロードする行為」「mimic上で公開されているイラストを利用範囲を逸脱して利用する行為」といった、不正利用への対策を強化した「mimicベータ版 2.0」を10月中に公開することを目指すとしている。
併せて、サービス利用前にはアカウント審査を導入することや、画像に透かしを入れるといった悪用防止対策などの内容も説明された。
【画像】「mimic」が発表した不正利用の防止対策
不正利用の懸念で物議、サービス停止中のイラストAI「mimic」
「mimic」は、イラストをアップロードすることでAIがその特徴を学習、絵柄や画風といった“描き手の個性が反映されたイラストメーカー”を作成できるというサービス。8月29日にベータ版がリリース。その際、SNS上では「悪意のある人が他人の作品を『mimic』に学習させ、生成したイラストを自分の作品として発表してしまうのではないか」などの危惧から賛否両論を巻き起こした。
ガイドライン上では「他人のイラストを勝手にアップロード」する行為は明確に禁止されていたものの、騒動は「mimic」のPRやヒアリングに協力したクリエイターに対する誹謗中傷にまで発展。
それを受け、ラディウス・ファイブは「不正利用を防ぐ仕組みが不十分」と判断し、翌日8月30日にベータ版の全機能を停止していた。
「アカウントの事前調審査」「透かし追加」など対策
ラディウス・ファイブの代表・漆原大介さん名義の発表によれば、「mimicベータ版 2.0」ではベータ版の不正対策に加えて「利用者のTwitterアカウントの事前審査」「学習に利用されたイラスト・『mimic』が作成したイラストを公開」「mimicが作成したイラストの悪用防止対策」を新たに追加。「mimicベータ版 2.0」は、Twitterアカウントの事前審査を経た上で、クローズドな形で提供。「mimic」と連携したTwitterアカウントの情報をもとに審査を行い、ラディウス・ファイブが自分でイラストを描いていると判断したアカウントのみ、イラストメーカー作成機能を利用することができる。 審査には厳しい基準を設定しているため、「審査完了までに大きく時間を要する場合があります」と説明。基準となるアカウント審査ガイドラインは、不正利用防止の観点から詳細は伝えられないとしながら、大枠となる基準を公開している。
また、透明性確保のために、イラストメーカー作成後に学習に使用されたイラストおよび「mimic」が作成したイラストは、大きく透かしが入った状態で公開(イラストの利用範囲は、『mimic』上での閲覧のみ可能となる「利用NG」に設定される)。【mimicアカウント審査ガイドライン】
・Twitter上での投稿・活動が確認できること。
・Twitter上、またはTwitterアカウントと相互リンクとなっているイラスト投稿サイト等のページ上にてご自身でイラストを描いていることが確認できること。
・暴力的・反社会的な表現、自殺、自傷行為の助長等の行為を行っていないこと。 mimic公式Twitterより
さらに、「mimic」で作成したイラストの悪用防止対策として、必ず透かしが入ることに加え、追跡するための情報が付与される。
【mimicの今後の展開について】
— mimic(ミミック) (@illustmimic) September 14, 2022
先般はmimicベータ版へ多数のご意見を頂戴し、誠にありがとうございました。
皆様のご意見を踏まえた、mimicの今後の展開について説明させていただきます。長文となり恐縮ですが、ご一読くださいますようお願い申し上げます。 pic.twitter.com/aYwY0a5bRf
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