評論家・漫画原作者の大塚英志さんの新刊『シン・論 おたくとアヴァンギャルド』(太田出版)が5月25日(水)に刊行される。
企画・脚本をつとめた映画『シン・ウルトラマン』が公開中の庵野秀明さん、おたく文化とアヴァンギャルドの100年史との関係を軸に、その方法と美学の出自を検証した芸術論となっている。
現代思想や民俗学、文芸評論からフェミニズム論、さらに漫画やアニメといったサブカルチャー/ポップカルチャーまで、その対象は多岐に渡る。
2014年から2016年まで東京大学大学院情報学環特任教授をつとめ、現在は国際日本文化研究センター教授。漫画原作者や小説家としての顔も持ち、『多重人格探偵サイコ』や『魍魎戦記MADARA』などの代表作で知られる。
中でも「おたく」に関する評論を数多く残し、宮崎駿さんや庵野秀明さん、そして『エヴァンゲリオン』シリーズについても、これまで幾度となく言及。
「庵野秀明の『シン・』シリーズは、『おたく』の歴史を踏まえた自覚的な「つくり直し」である」と宣言される本書では、国内エンターテイメントの中でも一層の存在感を集めつつある『シン・』シリーズをどう読み解くのか。
板垣鷹穂さん、手塚治虫さん、柳田國男さんらを参照しながら論じられていく。
企画・脚本をつとめた映画『シン・ウルトラマン』が公開中の庵野秀明さん、おたく文化とアヴァンギャルドの100年史との関係を軸に、その方法と美学の出自を検証した芸術論となっている。
戦後の「おたく」表現のフェティシズムや美学の出自は、戦時下に狂い咲いたアヴァンギャルドが、戦後、政治的にウォッシュされたものであるというのがぼくの一貫した主張だが、「シン・」シリーズは、その美学や方法を「正しく」運用し直し、戦後おたく表現を「修正」する試みなのだ。成田亨ウルトラマンの初期デザインの採用などその際たるものだろう。しかし、それは「特撮」とか「アニメ」とか戦後のジャンルに必ずしも閉じたものでなく、もう少し広い。その「広さ」が重要だ。 (「あとがき」より)
戦後、物語、漫画、文学、おたく──大塚英志の仕事
大塚英志さんは、戦後の消費文化を切り口に批評・研究を行う評論家。現代思想や民俗学、文芸評論からフェミニズム論、さらに漫画やアニメといったサブカルチャー/ポップカルチャーまで、その対象は多岐に渡る。
2014年から2016年まで東京大学大学院情報学環特任教授をつとめ、現在は国際日本文化研究センター教授。漫画原作者や小説家としての顔も持ち、『多重人格探偵サイコ』や『魍魎戦記MADARA』などの代表作で知られる。
中でも「おたく」に関する評論を数多く残し、宮崎駿さんや庵野秀明さん、そして『エヴァンゲリオン』シリーズについても、これまで幾度となく言及。
「庵野秀明の『シン・』シリーズは、『おたく』の歴史を踏まえた自覚的な「つくり直し」である」と宣言される本書では、国内エンターテイメントの中でも一層の存在感を集めつつある『シン・』シリーズをどう読み解くのか。
板垣鷹穂さん、手塚治虫さん、柳田國男さんらを参照しながら論じられていく。
関連商品
Kindle版 (電子書籍) ¥2,530
庵野秀明の「シン・」シリーズは、「おたく」の歴史を踏まえた自覚的な「つくり直し」である。その方法と美学の出自を探る、挑発的芸術論。
目次)
第一章 赤いエッフェル塔の歴史学
1 ローアングルの鉄塔の系譜学
2 「映画」的なものをめぐる見えない運動
3 板垣鷹穂の「映画的」手法
4 「後衛」たちの鉄塔
第二章 第3村問題と郷土映画
1 『シン・エヴァ』に於ける再「物語」化
2 戦時下に育まれた手塚治虫の映画理論
3 『海の神兵』と文化映画実装問題
4 柳田國男のデータベース的映画論
5 郷土巡礼
第三章 原形質と成熟
1 「成長」もアニメ的「動き」と捉える手塚の美学
2 『シン・ゴジラ』という蛭子譚
3 「変身」「変形」への執着
4 エイゼンシュテインの原形質とゲーテの形態学
5 原形質から生成される人造人間
庵野秀明の「シン・」シリーズは、「おたく」の歴史を踏まえた自覚的な「つくり直し」である。その方法と美学の出自を探る、挑発的芸術論。
目次)
第一章 赤いエッフェル塔の歴史学
1 ローアングルの鉄塔の系譜学
2 「映画」的なものをめぐる見えない運動
3 板垣鷹穂の「映画的」手法
4 「後衛」たちの鉄塔
第二章 第3村問題と郷土映画
1 『シン・エヴァ』に於ける再「物語」化
2 戦時下に育まれた手塚治虫の映画理論
3 『海の神兵』と文化映画実装問題
4 柳田國男のデータベース的映画論
5 郷土巡礼
第三章 原形質と成熟
1 「成長」もアニメ的「動き」と捉える手塚の美学
2 『シン・ゴジラ』という蛭子譚
3 「変身」「変形」への執着
4 エイゼンシュテインの原形質とゲーテの形態学
5 原形質から生成される人造人間
エヴァ、ゴジラ、ウルトラマンの系譜を考える
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント