漫画『ハイパーインフレーション』が、3月18日に第33話を更新し、Twitterのトレンド入りを果たした(外部リンク)。
公式Twitterアカウントによれば、「おそらく『ハイパーインフレーション』史上最速でのトレンド入り」とのこと。
『ハイパーインフレーション』は、住吉九さんがWeb漫画アプリ/サイト『少年ジャンプ+』(集英社)で連載中の作品。
昨今話題の『タコピーの原罪』や『怪獣8号』などと同じく、毎週金曜日に最新話が掲載。執筆現在、第3巻まで発売されている。
「次にくるマンガ大賞 2021」Web部門では6位、「このマンガがすごい!2022」オトコ編では11位にランクイン。今、ジワジワと人気を高めている作品である。
贋金づくりの名手である主人公・ルークは、ある日「奴隷狩り」に遭い、たった一人の肉親である姉・ハルをさらわれてしまう。
ハルを助けようとして気絶させられてしまったルークは、夢の中でガブール人が信仰する神と出会い、体から帝国の紙幣・ベルク札を生み出す能力を授かる。
しかし、生み出せるベルク札は、偽造防止のための番号がすべて同じという明らかな偽札。使用するためには一工夫が必要となる。
ルークは、頭の回転の速さや駆け引きの上手さ、話術を活かし、ハルの奪還と奴隷の解放を目指す。
公式Twitterでも紹介されたこのシーンでは、ガブール人・レジャットは、策を弄し時には仲間すらも手の平の上で転がしながら、意のままに尋問を成功させている。
実際、ルークの周りには、一筋縄ではいかない手強いキャラクターたちだらけ。彼らは強欲で、かつ切れ者だ。
各々の目的のため、敵だった者と手を組んだり、はたまた味方だった者と敵対したり。相手の一手先を読み合いながら頭脳で闘う様には、つい息を呑んでしまうだろう。
小難しい内容ではあるものの、テンポの良い掛け合いによってつい読んでしまう。
そして、「世界を!!人生を!!豊かにしようという人間の覚悟だけが!!この世界におカネを生み出すの!!」というセリフ、その背景に描かれたルークに、読者はグッときてしまうことだろう。
経済の歴史や仕組みを漫画の中で学べる上に、それらを土台にストーリーが進んでいく。読んでみれば、「経済はこんなに面白く興味深いものだったのか」と実感できるに違いない。
中でも筆者の一押しキャラクターは通称「大きな赤ちゃん」、大奴隷商人・グレシャムだ。
グレシャムは、商会を経営している大奴隷商人。金にがめつく、自分の身よりも金が大事というスタンスで行動をする。そんな欲求に忠実すぎるところが「大きな赤ちゃん」と呼ばれる所以だ。
どんな事態でも儲け話にしようとするほど金への執着が凄まじい。長年の経験もあり、損得の判断が的確でグレシャムの商談は巧みだ。
グレシャムは、清く正しいような良い人では決してない。しかし、金に対するまっすぐな気持ちは潔く、好感すら抱いてしまう。
私利私欲のため、周りの人間を何度も困らせているのに何故か憎めない。グレシャムのやることなすこと全てに目が離せなくなってしまう。そんなところが彼の魅力だ。
このグレシャム、実は元ネタが存在する。「悪貨は良貨を駆逐する」で知られるイギリスの財政家・貿易商のトーマス・グレシャムさんだ。経済学を勉強している人ならこの名前にもニヤリとするかもしれない。
もちろん、グレシャムだけでなく他の登場人物も、一癖も二癖もあって個性的かつ魅力的。そんなキャラクターたちの織りなす熱い心理戦とシュールギャグは、読めば読むほど癖になるに違いない。
執筆現在、『ハイパーインフレーション』は『少年ジャンプ+』で第9話まで無料公開中だ。是非この機会に読み始めてみてはいかがだろうか。
公式Twitterアカウントによれば、「おそらく『ハイパーインフレーション』史上最速でのトレンド入り」とのこと。
『ハイパーインフレーション』は、住吉九さんがWeb漫画アプリ/サイト『少年ジャンプ+』(集英社)で連載中の作品。
昨今話題の『タコピーの原罪』や『怪獣8号』などと同じく、毎週金曜日に最新話が掲載。執筆現在、第3巻まで発売されている。
「次にくるマンガ大賞 2021」Web部門では6位、「このマンガがすごい!2022」オトコ編では11位にランクイン。今、ジワジワと人気を高めている作品である。
「言い値で買おう、この世界」奴隷少年の一発逆転劇
『ハイパーインフレーション』は、ヴィクトニア帝国に奴隷として扱われてきたガブール人の少年が、「偽札づくり」で同国の政府と闘う一発逆転劇である。キャッチコピーは「言い値で買おう、この世界」。贋金づくりの名手である主人公・ルークは、ある日「奴隷狩り」に遭い、たった一人の肉親である姉・ハルをさらわれてしまう。
ハルを助けようとして気絶させられてしまったルークは、夢の中でガブール人が信仰する神と出会い、体から帝国の紙幣・ベルク札を生み出す能力を授かる。
しかし、生み出せるベルク札は、偽造防止のための番号がすべて同じという明らかな偽札。使用するためには一工夫が必要となる。
ルークは、頭の回転の速さや駆け引きの上手さ、話術を活かし、ハルの奪還と奴隷の解放を目指す。
騙し、騙される…駆け引きだらけの心理戦
ここで、筆者が本作を読んで「そうきたか…!」と思わされた本編中のワンシーンを紹介したい。公式Twitterでも紹介されたこのシーンでは、ガブール人・レジャットは、策を弄し時には仲間すらも手の平の上で転がしながら、意のままに尋問を成功させている。
『ハイパーインフレーション』には、このような読者が思わず唸ってしまう掛け合いがいたるところに散りばめられている。漫画でわかる「良い警官・悪い警官」(1/2) pic.twitter.com/gMgzqv9H3t
— 『ハイパーインフレーション』/住吉九 (@sumiyosikyu) January 20, 2022
実際、ルークの周りには、一筋縄ではいかない手強いキャラクターたちだらけ。彼らは強欲で、かつ切れ者だ。
各々の目的のため、敵だった者と手を組んだり、はたまた味方だった者と敵対したり。相手の一手先を読み合いながら頭脳で闘う様には、つい息を呑んでしまうだろう。
ためになって面白い! 漫画でわかる経済の奥深さ
同じく、公式Twitterで公開されているこのシーンでは、ルークがつくりだす偽札(ハイパーノート)がいかに危険なのかをわかりやすく説明している。漫画でわかる「偽札がなぜ経済を壊すのか(金本位制下)」と「信用創造」(1/2)
— 『ハイパーインフレーション』/住吉九 (@sumiyosikyu) February 8, 2022
※ハイパーノート=偽札 pic.twitter.com/XYaNNg4Snx
小難しい内容ではあるものの、テンポの良い掛け合いによってつい読んでしまう。
そして、「世界を!!人生を!!豊かにしようという人間の覚悟だけが!!この世界におカネを生み出すの!!」というセリフ、その背景に描かれたルークに、読者はグッときてしまうことだろう。
経済の歴史や仕組みを漫画の中で学べる上に、それらを土台にストーリーが進んでいく。読んでみれば、「経済はこんなに面白く興味深いものだったのか」と実感できるに違いない。
個性爆発! 我が強すぎるキャラたちが大暴れ
真面目なシーンだけでなく、シリアスな場面の合間に挟み込まれるシュールなギャグ要素も同作の魅力(登場人物たちは至って真面目なので、ギャグ要素と言っては憚られるのかもしれないが…)。中でも筆者の一押しキャラクターは通称「大きな赤ちゃん」、大奴隷商人・グレシャムだ。
グレシャムは、商会を経営している大奴隷商人。金にがめつく、自分の身よりも金が大事というスタンスで行動をする。そんな欲求に忠実すぎるところが「大きな赤ちゃん」と呼ばれる所以だ。
どんな事態でも儲け話にしようとするほど金への執着が凄まじい。長年の経験もあり、損得の判断が的確でグレシャムの商談は巧みだ。
グレシャムは、清く正しいような良い人では決してない。しかし、金に対するまっすぐな気持ちは潔く、好感すら抱いてしまう。
私利私欲のため、周りの人間を何度も困らせているのに何故か憎めない。グレシャムのやることなすこと全てに目が離せなくなってしまう。そんなところが彼の魅力だ。
このグレシャム、実は元ネタが存在する。「悪貨は良貨を駆逐する」で知られるイギリスの財政家・貿易商のトーマス・グレシャムさんだ。経済学を勉強している人ならこの名前にもニヤリとするかもしれない。
もちろん、グレシャムだけでなく他の登場人物も、一癖も二癖もあって個性的かつ魅力的。そんなキャラクターたちの織りなす熱い心理戦とシュールギャグは、読めば読むほど癖になるに違いない。
執筆現在、『ハイパーインフレーション』は『少年ジャンプ+』で第9話まで無料公開中だ。是非この機会に読み始めてみてはいかがだろうか。
関連商品
ASIN : B08XLZH21J
出版社 : 集英社 (2021/4/2)
発売日 : 2021/4/2
言語 : 日本語
ファイルサイズ : 80077 KB
出版社 : 集英社 (2021/4/2)
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aill(あいる)
ライター。元金融系システムエンジニア。1990年生まれ。青山学院大学文学部卒。すきなジャンルはゲーム、漫画、実況者、コスプレ、ロック。
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