音楽販売サイト「Bandcamp」Epic Games傘下に メジャー市場との接続に懸念も

音楽販売サイト「Bandcamp」Epic Games傘下に メジャー市場との接続に懸念も
音楽販売サイト「Bandcamp」Epic Games傘下に メジャー市場との接続に懸念も

Photo by Troy T on Unsplash

POPなポイントを3行で

  • BandcampがEpic Gamesの傘下に
  • インディーズに支持される音楽販売サイト
  • SNSで懸念の声があがる理由とは?
音楽配信・販売サービスのBandcampが、ゲーム『フォートナイト』やゲームエンジン「Unreal Engine」で知られるEpic Gamesの傘下に加わった。

メジャーと独立した音楽市場・Bandcamp

Bandcamp/画像はスクリーンショット

Bandcampは、2008年に創業されたオンライン版レコードショップ/音楽プラットフォーム。アーティストがファンの直接的なサポートによって成長するコミュニティを構築し、音楽の持つ“癒しの力”を広める手助けをすることをミッションに掲げている。

その特徴のひとつが、Bandcamp上で商品を購入した際、売上の平均82%がアーティスト/レーベルに渡るという収益モデル。

SpotifyやApple Musicなどのサブスクリプション型音楽配信サービスでは、有料会員の利用料や広告収入で得られた収益が、再生回数に応じてそれぞれのアーティスト/レーベルに分配される。より有名で人気なアーティストほどより稼げるという収益モデルだ。

それに対しBandcampの収益モデルは、少数のコアなファンがいるアーティストでも採算が取れる可能性が高い。

このような背景から、インディーズのアーティストを中心に支持されており、メジャーシーンとは独立した音楽市場として評価されてきた。

Epic Gamesの株主・テンセントが持つメジャー市場への影響力

Bandcampの共同設立者・CEOのイーサン・ダイアモンド(Ethan Diamond)さんは、アーティストに最もフレンドリーなプラットフォームを構築するという理念がEpic Gamesと一致したことを、買収合意に至った理由として挙げている。

発表を受け、SNSではBandcampの今後に期待する声やこれまでと変わらない運営方針に安堵する声がある一方、懸念する声も出ている。

それが、Epic Gamesの株式の40%を保有する中国のIT大手・テンセント(Tencent)がSpotifyの第3位株主であり、3大メジャーレーベルの内ユニバーサル・ミュージックとワーナーミュージックの株式を持っているという点。

音楽メジャーシーンへ影響力のあるテンセントとの接続により、Bandcampのインディペンデント性が揺らぎかねないのではないか、という懸念だ。

Bandcampがインディペンデントなアーティストに優しいプラットフォームとして成長していくかどうか、今後の動向も注視したい。

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