『Arcane』に受けた衝撃
「ARCANE DAY」のオープニングトークにはケイン・コスギさんが登壇。「アーケイン・コスギです!」
『LoL』好きでゲーマーとして知られるケイン・コスギさんの鮮烈な発声で、イベントは幕を開けた。
『Arcane』本編の試写会が始まり、「ジンクス」と「ヴァイ」の幼少が描かれる。
しかしながら、冒頭は「ルーンテラ」世界を十分に理解していない筆者にとっては、置いてけぼりにされる展開。
「勉強しておけばよかったか」という後悔も束の間、オープニングが流れた瞬間、その不安は杞憂に終わる。
オープニングテーマは、Imagine DragonsとラッパーJ.I.Dさんによる楽曲『Enemy』。
Imagine Dragonsは、2014年シーズンの『LoL』の世界大会「Worlds 2014」のテーマソング「Warriors」でコラボレーションを果たしている。
以来Imagine Dragonsと『LoL』のコラボレーションはなかったが、今回『Arcane』のテーマをSpillage VillageのJ.I.Dとのタッグで担当することは発表されていた。
アニメ本編の中で、Imagine Dragonsのボーカルであるダン・レイノルズさんの声を聞いた瞬間、「Worlds 2014」での熱い戦いが筆者の脳裏に蘇った。
その瞬間、『Arcane』が、「ストーリーにあまり興味のないプレイヤー」側に寄り添っていることを体で理解したのだ。
『Arcane』に懐疑的だった視聴前
以降、完全に「ルーンテラ」世界に没入した筆者。ゲーム内で聞き覚えのある用語がちらほら聞こえ始め、ワクワクが高まる。個人的に印象的だったキャラクターが、ヴァイの妹で、『Arcane』主人公のジンクスこと「パウダー」。
ゲーム内でチャンピオンとして登場するゾウンの犯罪者・ジンクスの、幼少期の名前である。
ゲーム内でのジンクスは、情緒不安定でクレイジーな言動をするキャラ。セントリーガンとロケットランチャーを用い、破壊と混乱を撒き散らすぶっ飛んだ暴走パンクガールだ。「ルールはね、壊すためにあるのよ。建物も人もみーんな……ね!」
対照的に、作中のパウダーは、気弱な研究家気質の女の子として描かれている。
LOLでのジンクスを知る筆者は、純なパウダーがいつサイコなジンクスへと変貌してしまうのか、『Arcane』を通してどのように“壊されていく”のか、親心さながらハラハラしながら見入ってしまった。
思いを巡らせながら鑑賞していると、あっという間に上映会の60分が過ぎていた。
細部まで書き込まれた背景美や、スローモーションで描かれたアクションシーンの迫力。
立体感がありながら写実的絵画表現もあわせ持つ、摩訶不思議な絵のタッチ。
そして1話でしっかりとルーンテラ世界に引き込むストーリー展開。
素人目ながら、映像作品として筆舌に尽くしがたい魅力が詰め込まれている。
プレイヤーとして、新たな『LoL』を再発見できた『Arcane』。その後すぐに3話まで一気見したが、この原稿を書いている今も続きが気になって落ち着かない。
上坂すみれ、小林ゆう登壇のトークイベントも
試写会後は、『Arcane』声優陣を交えたトークイベントが行われた。「ジンクス」役の上坂すみれさん、「ヴァイ」役の小林ゆうさん、そしてオープニングトークに引き続きケイン・コスギさんが登壇。 上坂さんは「意外性があり、引き込まれる」「幼少期のパウダーが(自分が演じる)ジンクスに至るまでが気になる」、小林さんは「ゲームと異なる『ヴァイ』の姿が衝撃的ながら、丁寧に描かれている」「キャラクターの表情、『ゾウン』の臭いや風の感じ、夜の雰囲気、アクションシーンのヒップホップ的演出が素晴らしい」とコメント。 ケインさんはプレイヤー視点から、「オープニングシーンからウルっと来た」「『Arcane』は『LoL』の入り口として入りやすい」「早く家に帰って『ジンクス』を使ってプレイしたい」と、『Arcane』に太鼓判を押す。
途中、淑女的な出で立ちでおしとやかに話をする小林さんが、『LoL』ゲーム内でのヴァイのドスの効いた台詞「ヴァイは『ヴァイオレンス』のヴァイさ」を実演し、そのギャップに会場がざわつく一幕も。
ジンクスとヴァイの対立にちなんで「ケンカの解決方法」を問われた上坂さんは、「お金を積み、相応のプリンで解決する」と独特なすみぺ節を全開に。
小林さんは「争いを避ける」、ケインさんも兄弟ゲンカの経験から「ちょっとしたキッカケで解決できる」と対処法を語るも、両者とも上坂さんの「プリン」に同調し、会場は笑いに包まれた。
最後にファンに向けて、上坂さんは「見応えあふれる『Arcane』を是非大きな画面で見てほしい」、小林さんは「『Arcane』で描かれる争いの悲しさ、人間ドラマを瞬きせず最後まで見てほしい」と語った。
ケインさんの「パーフェクト・アーケイン!」の一言で、トークイベントは盛況のまま幕を閉じた。 トークイベントの様子は、現在TwitchのRiotGamesJPチャンネルでアーカイブが視聴可能だ(外部リンク)。
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