英語圏の人気ストリーマー・IShowSpeed(以下、Speed)さんが、自身を模倣したAI生成動画に対して強い懸念を表明した。
10月19日、Speedさんは配信中、Open AIが9月末にリリースした動画生成AIモデル「Sora 2」で生成された、自身のディープフェイク動画を確認。
次に訪問する予定の国を騙ったり、自身の性的指向を誤認させたりする動画を見て、「これはオフにする。公式にもうやめさせる」と発言した。
「Sora 2」は、著作権や肖像権についてオプトアウト方式(=本人が反対を表明しない限り同意したものとみなす)で運用されているため、ユーザーが自身の肖像を利用して動画を生成できなくすることを意図したものだと思われる。
世界各地を訪れる配信が話題のストリーマー「IShowSpeed」
Speed(本名:ダレン・ジェイソン・ワトキンス・ジュニア)さんは、ゲーム実況やIRL(In Real Life、実生活配信)などを展開する、世界的ストリーマーのひとり。
IShowSpeedさん/画像はInstagramより
2016年にYouTubeチャンネルを開設し、『NBA 2K』、『Fortnite』などのゲーム実況からキャリアをスタート。
2021年ごろからオーバーリアクションな実況スタイルで注目を集め、現在のチャンネル登録者数は4,500万人にものぼる。
近年では、世界各国を訪問してライブ配信を実施。各地の文化を国内外の視聴者に紹介している。
精巧な動画を生成するOpen AIの「Sora 2」
「Sora 2」は、テキストや音声の指示から高度にリアルな動画を生成できるツール。現在は招待制で一部クリエイターに開放されている。
一方「Sora 2」で生成されたAI生成動画の中には、著作権や肖像権に抵触しかねないもの確認されている。
特に著名人や故人の姿をリアルに再現したディープフェイク動画が急速に拡散。10月17日、OpenAIは故マーティン・ルーサー・キング・ジュニアさんを再現した動画を不適切として一時停止した(外部リンク)。
さらに、日本政府も国内のクリエイターが権利を保持する漫画やアニメ作品の動画が生成されることに懸念を表明するなど、AIによる生成表現をめぐる倫理・法的議論が世界的に広がっている(外部リンク)。
なお、生成AIを巡っては、AIによって生成された女優であるティリー・ノーウッドがデビュー。全米俳優組合のSAG-AFTRAが非難を表明するなど、実画像とAI生成画像の境界を巡る議論が広がっている。
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