「QuizKnock」が今年設立5周年を迎える。YouTubeのメインチャンネルは登録者数177万人を突破し、その存在感は増す一方だ。
KAI-YOUでは今回、YouTubeチャンネルの仕掛け人であるふくらPにインタビューを実施。チャンネル開設を提案したのがQuizKnock加入間もなかった頃のふくらPであったことは、動画視聴者の間ではよく知られている。だが実は、当時のふくらPは大きな迷いを抱えていた。QuizKnockのこれまでを振り返りながら、彼が「危険な賭け」と語ったある決断と迷いについて紐解いていく。
取材:斎藤岬、和田拓也、新見直 執筆:斎藤岬 撮影:Hayato Takahashi 編集:和田拓也
ふくらP そうですね、僕は東工大クイズ研究会です。
──東大のクイズ研究会については世に様々な情報がありますが、東工大のクイズ研究会はあまり知られてないですよね。クイズ研究会はどのくらいの強さなんでしょうか?
ふくらP 僕が言うのもなんですが、すごく強いってことはないですね(笑)。僕が大学1年生で入ったときはギリギリ存続できるくらいの人数でした。今はもっと増えているみたいですけどね。
──ではあまり活動は活発ではなかった?
ふくらP 「じゃあこの日に集まりましょう」ってなっても全然人が集まらなくて、「今日は解散しようか……」となることもあるくらいでした。早押しクイズって最低でも3人は必要なんですよ。1人が問題を読んで1人がボタンを押す、では成り立たないですから。普通に活動するのも難しいところはありました。
ただ大学とは別に、毎年関東の大学のクイズ研究会の新入生たちでインカレサークルができるんですね。東工大の先輩にも「入っておいたほうがいいよ」と言われて入りました。
──なぜインカレサークルをつくる慣習があるんでしょうか?
ふくらP 誰かが問題をつくってそれを読むというクイズの仕組み上、人数が多いに越したことはないんですよね。
例えば、5人の集まりで問題作成が持ち回り制だったら5回に1回は自分が作らないといけないですけど、20人集まったら20回に1回で良くなりますよね。
あるいは、複数のサークルがつながると「うちでつくった問題をあげるから、交換しようよ」ということもできるようになります。クイズ大会の準備をするにも人数は必要だし、人のつながりを増やそうとするのは自然なんですね。
河村(拓哉)ともそこで知り合って仲良くなりました。
──そして河村さんを通じて伊沢拓司さんとも知り合って、2016年12月にQuizKnockに加わった、と。そこからふくらさんが「YouTubeをやろう」と提案してチャンネルが開設されたというエピソードはよく知られています。
もうひとつお聞きしたいのが、ふくらさんのメディア出演時のプロフィールには「東京工業大学出身」と書かれていることが多いと思います。生まれ年(1993年8月生)から計算すると、QuizKnockに加わった2016年はストレートにいけば学部卒の年に当たると思うんですが。
ふくらP 僕、大学を休学してるんです。で、休学中にQuizKnockでアルバイトを始めてるんですよね。2017年4月にYouTubeを開設して、そこから顔出しせずにやっていた半年くらいの間は大学に籍がある状態でした。
ふくらP 東工大は4年生から研究室所属になるんですけど、僕は3年生が終わったときに、単位が微妙に足りなかったんですね。そうすると研究室に仮所属してる3年生という、3年とも4年ともいえる状態になっていたんです。東工大のルールでどちらの学年の扱いになるのかはわからないですが、その状況になってすぐ休学しました。それが2015年です。
──そこで留年して単位を取り直すことは考えなかったんでしょうか。
ふくらP そうですね。僕はもう1年間で取り返せることはないなと思っていて。ひとつには学業の面で、僕は大学1〜2年生の間、結構一夜漬けで試験を乗り越えてきちゃったんですね。でもやっぱり東工大の3年の試験はすごく難しくて、そのやり方ではもう無理だなと。だから、1年生の内容から全部やり直そうと思って休学しました。
1〜2年生のときにかろうじて単位をとった内容をもう一度独学で勉強して、その上で3年生をもう一回やろうかなと。もちろんそれはすごく大変だとわかっていたし、入学からやり直したほうが早いくらいだなと思っていましたが。
──一夜漬けで試験を迎えていたというのが意外です。QuizKnockチャンネルを観ていて、これだけ学ぶことが好きなら大学の勉強も同じように取り組んでいたんだろうと思っていました。
ふくらP いや、僕は大学生のとき、本当にクイズのことしか考えてなかったんです。大学も、学ぶために行きたかったというより、クイズをするためというのが正直なところで。
KAI-YOUでは今回、YouTubeチャンネルの仕掛け人であるふくらPにインタビューを実施。チャンネル開設を提案したのがQuizKnock加入間もなかった頃のふくらPであったことは、動画視聴者の間ではよく知られている。だが実は、当時のふくらPは大きな迷いを抱えていた。QuizKnockのこれまでを振り返りながら、彼が「危険な賭け」と語ったある決断と迷いについて紐解いていく。
取材:斎藤岬、和田拓也、新見直 執筆:斎藤岬 撮影:Hayato Takahashi 編集:和田拓也
目次
クイズに没頭することでの出会い、大学休学
──QuizKnockが今年で5周年を迎えました。夏から全国を巡回した記念展をはじめ、さまざまな周年イベントが行われることと思います。その中で今回、このタイミングであらためてYouTubeチャンネルの仕掛け人であるふくらPさんのパーソナルな部分に迫るインタビューをしたいなと。QuizKnockはもともと東京大学のクイズ研究会を母体として立ち上がっていますが、ふくらさんは東大のクイズ研究会出身ではないんですよね?ふくらP そうですね、僕は東工大クイズ研究会です。
──東大のクイズ研究会については世に様々な情報がありますが、東工大のクイズ研究会はあまり知られてないですよね。クイズ研究会はどのくらいの強さなんでしょうか?
ふくらP 僕が言うのもなんですが、すごく強いってことはないですね(笑)。僕が大学1年生で入ったときはギリギリ存続できるくらいの人数でした。今はもっと増えているみたいですけどね。
──ではあまり活動は活発ではなかった?
ふくらP 「じゃあこの日に集まりましょう」ってなっても全然人が集まらなくて、「今日は解散しようか……」となることもあるくらいでした。早押しクイズって最低でも3人は必要なんですよ。1人が問題を読んで1人がボタンを押す、では成り立たないですから。普通に活動するのも難しいところはありました。
ただ大学とは別に、毎年関東の大学のクイズ研究会の新入生たちでインカレサークルができるんですね。東工大の先輩にも「入っておいたほうがいいよ」と言われて入りました。
──なぜインカレサークルをつくる慣習があるんでしょうか?
ふくらP 誰かが問題をつくってそれを読むというクイズの仕組み上、人数が多いに越したことはないんですよね。
例えば、5人の集まりで問題作成が持ち回り制だったら5回に1回は自分が作らないといけないですけど、20人集まったら20回に1回で良くなりますよね。
あるいは、複数のサークルがつながると「うちでつくった問題をあげるから、交換しようよ」ということもできるようになります。クイズ大会の準備をするにも人数は必要だし、人のつながりを増やそうとするのは自然なんですね。
河村(拓哉)ともそこで知り合って仲良くなりました。
──そして河村さんを通じて伊沢拓司さんとも知り合って、2016年12月にQuizKnockに加わった、と。そこからふくらさんが「YouTubeをやろう」と提案してチャンネルが開設されたというエピソードはよく知られています。
もうひとつお聞きしたいのが、ふくらさんのメディア出演時のプロフィールには「東京工業大学出身」と書かれていることが多いと思います。生まれ年(1993年8月生)から計算すると、QuizKnockに加わった2016年はストレートにいけば学部卒の年に当たると思うんですが。
ふくらP 僕、大学を休学してるんです。で、休学中にQuizKnockでアルバイトを始めてるんですよね。2017年4月にYouTubeを開設して、そこから顔出しせずにやっていた半年くらいの間は大学に籍がある状態でした。
大学での“学びの重要性”に気づいていなかった
──なぜ休学という決断をしたのでしょうか?ふくらP 東工大は4年生から研究室所属になるんですけど、僕は3年生が終わったときに、単位が微妙に足りなかったんですね。そうすると研究室に仮所属してる3年生という、3年とも4年ともいえる状態になっていたんです。東工大のルールでどちらの学年の扱いになるのかはわからないですが、その状況になってすぐ休学しました。それが2015年です。
──そこで留年して単位を取り直すことは考えなかったんでしょうか。
ふくらP そうですね。僕はもう1年間で取り返せることはないなと思っていて。ひとつには学業の面で、僕は大学1〜2年生の間、結構一夜漬けで試験を乗り越えてきちゃったんですね。でもやっぱり東工大の3年の試験はすごく難しくて、そのやり方ではもう無理だなと。だから、1年生の内容から全部やり直そうと思って休学しました。
1〜2年生のときにかろうじて単位をとった内容をもう一度独学で勉強して、その上で3年生をもう一回やろうかなと。もちろんそれはすごく大変だとわかっていたし、入学からやり直したほうが早いくらいだなと思っていましたが。
──一夜漬けで試験を迎えていたというのが意外です。QuizKnockチャンネルを観ていて、これだけ学ぶことが好きなら大学の勉強も同じように取り組んでいたんだろうと思っていました。
ふくらP いや、僕は大学生のとき、本当にクイズのことしか考えてなかったんです。大学も、学ぶために行きたかったというより、クイズをするためというのが正直なところで。
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イベント情報
QuizKnock 5周年記念展
- 期間
- 10月1日(金)〜10月17日(日)
- 開催場所
- hmv museum(「HMV&BOOKS SHIBUYA」6F)
- 詳細
- https://www.hmv.co.jp/news/article/2106151012/
関連リンク
ふくらP
QuizKnock・プロデューサー
本名は福良拳(ふくらけん)。2016年12月にWEBのライターとしてQuizKnockに参加。 3ヶ月後、YouTubeを始めることを提案。現在は動画プロデューサーとして、企画、出演、編集を主な業務とする。 (QuizKnockファンブックより)
1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:4833)
ふくらさんの経歴が東工大「出身」なのはずっと気になっていました。公表しなかったのにはこんなに深い理由があったのですね。河村さんとの深い絆、伊沢さんとの出会いがあったから今のふくらさんがいらっしゃるんだと思うと、運命というものに感謝したいです。これからも楽しくて学べる動画を期待しています!!