カイカイキキ所属アーティストに加え、近年カイカイキキギャラリーや中野ブロードウェイ内のHidari Zingaroで個展を開催するゲストアーティストたち、そしてカイカイキキの設立当初に作品を発表していたアーティストたちの作品が並ぶ。
会期は9月19日(日)まで、開廊時間は11時から19時となっている。
Mr./タカノ綾/MADSAKI/TENGAone/大谷工作室/ob/くらやえみ/T9G/細川雄太(READYMADE・©SAINT M××××××)/本秀康/寺田克也/坂知夏/國方真秀未
秋のカイカイキキを彩るアーティスト
総勢13人のアーティストたちの作品が展示されるグループ展「2021 Kaikai Kiki Autumn Show」。漫画家・イラストレーターの寺田克也さんをはじめ、オタクカルチャー・ストリート・グラフィック・アパレル・サブカル・トイフィギュア・漫画・陶芸など、独特な独自のルーツを持った様々なアーティストが集結する。
各アーティストたちのスタジオから直送されてきた新作から、十数年ぶりに公開する作品まで、村上隆さんによるキュレーションで作品が展示される。
ob
2010年、日本のSNS世代のアーティストが一気に吹き出した現象がありました。Twitter、pixivのお絵描きコミュニティで作品を語り合い、グループを造って展覧会をしていくスタイル。数回のキュレーション展を制作、開催。「wassyoi」という展覧会で脚光を浴びてデヴューしました。ちなみに「wassyoi」の意味は祭りの時の掛け声。
2013年にはshu uemuraとコラボ。近年は海外のアートフェアに多数出展。ゲームやSNSを身近に育った新世代アーティストといえるob。大きな瞳の少女をモチーフに繊細で幻想的な世界を表現しています。
個展
2021「(タイトル未定)」ペロタンギャラリー(NY)
2020 「螺旋と春」Kaikai Kiki Gallery(東京)
蜷川実花監督のNetflixドラマ「FOLLOWERS」の作中アーティストの作品を提供する。
Mr.さん
埼玉県志木市在住。
オタクアートなるものが、現代美術の世界にほぼなかった頃、「SUPER FLAT」文脈でデビューを飾ったキャリア20年を超えるアーティストです。
初期は、オタクカルチャーとの隣接をことさら誇張していましたが、最近では、自分の内面に肉薄して、ゴミ溜めやその文化の最底辺を背景にアニメ風の少女が立っているという、美と醜とのコントラストが際立つ表現をしています。
少女は、妖怪的なる大顔面が画面の中央に居座るようなオドロオドロしい雰囲気が最近作の流れとしてあり、背景には、日本の少し離れたサバービアや工業地帯が描かれています。殺伐としつつも懐かしい、バブル経済前夜の日本を描いています。
振り返ってみれば、日本のその後のアートシーンやオタクシーンにも、大きな影響を与えているMr.の作品。
2021年以降は、上海と、アメリカのフェニックスでの美術館の個展が決まっています。
個展
2021「日常派」上海HOWミュージアム
2019 「A Call To Action」ギメ東洋美術館(パリ)
「ミスターのぶらり哀愁街角散歩」ペロタンギャラリー(パリ)
タカノ綾
奇妙な世界の成り立ちや、社会の綻び、奇妙に変形した動物や人間の欲望のドグマが作品を構成するテーマを描き続けるタカノ綾さん。
たとえ話なんですけれども90年代から最近に至るまで、ハリウッドムービーは1960年代のアメリカのサイエンスフィクション小説群、例えばフィリップ・K・ディック等のハードSFが主流になっています。難解な内容の一般への理解までの時間に30年以上必要だったと言えましょう。
同じようにタカノの真価は30年後以上の未来にこそ、理解される膨大な未知の情報に溢れています。
心を癒す力が満々とたゆたう絵画に浸ってみてください。
個展
2021「起、境界域、ego」ペロタンギャラリー(香港)
2021「りんご宇宙 ―Apple Cycle / Cosmic Seed」弘前れんが倉庫美術館
MADSAKI
1974年に大阪で生まれ、6歳の頃ニュージャージーに移り住んだMADSAKIは、1996年にニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインでBFAを取得。以後、個人としてのキャリアを開始するまで、国際的なアーティスト集団であるBarnstormersのメンバーとして活動していました。
風刺が効いていながらも感傷的で、攻撃的でありながらも傷つきやすい面を持つMADSAKIは、2つの異なる文化を包含するアイデンティティに由来するフラストレーションや疎外感を表現し、アートの価値に対する批評を行う手段として、グラフィティの影響を受けた手法を用い続けています。
個展
2021 「HELLO DARKNESS, MY OLD FRIEND (IʻVE COME TO TALK WITH YOU AGAIN)」
ペロタンギャラリー(NY)
2020 「1984」Kaikai Kiki Gallery(東京)
大谷工作室
大谷工作室の屋号を掲げ、陶芸の技法で彫刻作品を制作する大谷滋。古来から陶芸の中心地である信楽からほど近い町で生まれ育ち、大学卒業後は、滋賀県陶芸の森の共同スタジオで制作を続けてきました。2016年のカイカイキキギャラリーの個展での手応えから、自身のスペースと大作のための窯を持ちたいと考えるようになり、現在は淡路島の元瓦工場に拠点を移し、大きな絵画や大きな陶作品、ブロンズ作品等を制作しています。
個展
2021「Like a Talisman」ペロタンギャラリー(上海)
2020 「Be if you can, even if you donʼt have to be, let it be」ペロタンギャラリー(NY)
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展示会情報
「2021 Kaikai Kiki Autumn Show」
- 参加アーティスト
- Mr./ タカノ綾/ MADSAKI/ TENGAone/ 大谷工作室/ ob/ くらやえみ/T9G/ 細川雄太(READYMADE・©SAINT M××××××)/ 本秀康/ 寺田克也/坂知夏/ 國方真秀未
- 会期
- 9月10日(金)から9月19日(日)
- 会場
- Kaikai Kiki Gallery
- 開廊時間
- 11:00-19:00
- 定休日
- 会期中無休
- 住所
- 〒106-0046 東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F
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