主な争点になっているのは記事のタイトルそのもので、容疑者が「バ美肉」「アニメ」が好きという点と殺人容疑に何の関係があるのか、という声が同サイトに集まっている。
なお現在、同記事のタイトルは「「バ美肉」、アニメ好きの20代新婚夫婦が女子高生を「殺害」した仰天の動機」に変更されている。
その後、9月2日に記事タイトルが「20代新婚夫婦が女子高生を「殺害」した仰天の動機」と再び変更。あわせて「記事は重大事件の容疑者の人となりに迫ろうとしたものであり、趣味と容疑とを関連づけるものではありません」と釈明した上で、「しかし、読者に誤解を与えかねないとのご指摘を受け、見出しの「『バ美肉』、アニメ好きの」は削除しました。お詫びして訂正します」と謝罪が追記されている(※9月2日19時50分追記)。
報道に必要な正当性と根拠
アニメ、ゲーム、ドラマ、映画、漫画などの文化や趣味と何らかの事件を結びつける、あるいは関係しているように記述する形で報道がなされた例は、古今東西、枚挙にいとまがない。実際に特定のアニメやゲームなどの内容が事件に繋がったという明確な事実と証拠があれば報道の正当性に問題はなく、メディアあるいは書き手の筆致に根拠が生まれる。
しかし肝心の事実と証拠が曖昧なまま行われる報道もあり、故に根拠がないにも関わらず、特定のジャンルに趣味趣向を持つ個人への偏見や差別を助長する可能性が指摘されてきた。
今回AERA dot.が配信した件の記事は、この根拠が希薄とされたため物議を醸している。記事公開時点でAERA dot.からリアクションは起こっていないが、それも1つのアンサーとして捉えられる。
各社、各メディアにとっての報道の意味合いは全くの同義でないとはいえ、一義に公平・公正であらねばならないことは明白だ。そこは守られるべきである。
NPO法人・バーチャルライツが緊急の声明を発表
この記事に対して、VRの文化を振興するNPO法人・バーチャルライツは以下の声明を発表。Googleフォームを利用した意見の公募を行っている。
緊急声明
AERA dot.が、2021年9月1日17時28分付で配信したオリジナル記事、『「バ美肉」アニメ好きの20代新婚夫婦が女子高生を「殺害」した仰天の動機』にて、「章平容疑者と和美容疑者の共通の趣味はアニメ。略称で「バ美肉」と呼ばれるバーチャル美少女受肉ものが好きだという。バーチャル空間で美少女を3Dモデル、2Dアバターなどで作成。自分好みの声やコスチュームなどをアレンジして活動、美少女になりきり、かわいさを徹底追及するものだという。「バ美肉」の映像をネット検索すると、ファンタジーのようなものが多い。」との記述が行われました。社会的に注目されている事件であるだけに見出しがセンセーショナルになりやすいという事情は理解しておりますが、上記のAERA dot.での記述はアニメ・バ美肉と犯罪に関連があるかのような印象を読者に与えるものであり、個人の趣味趣向に対する差別を扇動するだけでなく、自己表現の形としての性の多様性を侵害するものだと考えております。
以上
【緊急声明を掲載いたします】
— NPO法人バーチャルライツ (@NPO_VR) September 1, 2021
加えて、今後の対応を検討するために「バ美肉」と犯罪を結びつける報道に関する意見公募を行います。皆様のご意見をお待ちしております。
▼意見公募URL▼https://t.co/2jv3RBUoIQ pic.twitter.com/xwWUU70bnj
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:4695)
未だにオタクは犯罪者予備軍っていう意識に凝り固まってる化石さんたちはとっとと消えて欲しいですね