イラストレーター 魔太郎インタビュー 独学で手にした肉感表現と“嘘の絵”

イラストレーター 魔太郎インタビュー 独学で手にした肉感表現と“嘘の絵”
イラストレーター 魔太郎インタビュー 独学で手にした肉感表現と“嘘の絵”

イラストレーター/漫画家・魔太郎インタビュー

POPなポイントを3行で

  • イラストレーター/漫画家・魔太郎インタビュー
  • 手がけたKomifloの看板キャラクターがグッズ化
  • “限界”や“ギリギリ”を追求した肉感表現のこだわり
イラストレーター/漫画家として活躍する魔太郎さん。数多くのライトノベル・漫画雑誌の表紙に加え、自身のキャラクターのフィギュア化では監修も担当するクリエイターだ。

代表作の1つとして、国内初の成人向け漫画専門読み放題サービス「Komiflo」のマスコットキャラクター・古見川葵のデザインも手がけている。

Komifloの看板娘としてログイン画面にも登場する古見川葵が、アダルトグッズメーカー・G PROJECTとコラボレーション。魔太郎さん監修のもと、7月25日に「ぷるるん 天然 おっぱい」が発売された。

今回は魔太郎さんにメールインタビューを実施。創作活動のきっかけや制作環境、表現におけるこだわりなど、活躍ぶりに反して語られる機会が少ない自身のことを、せっかくなのでいろいろ聞いてみた。

目次

中学生時代『エヴァンゲリオン』に心打たれる

魔太郎さんが手がけた「Komiflo」のマスコットキャラクター・古見川葵。今回は彼女がグッズ化された

──魔太郎さんの現在のお仕事について、教えていただけますか?

魔太郎 オリジナルキャラクターをメインにイラストレーターとして活動しています。イラスト展向けの作品や、フィギュアのキャラデザイン、成人向けイラスト、ライトノベルの挿絵など、ジャンル問わず描いています。

同人誌では得意のカラーイラストを活かして、フルカラー短編漫画も描いたりしています。

──イラストを描き始めたのはいつ頃ですか?

魔太郎 正確には覚えていませんが、小学生の頃に『週刊少年ジャンプ』を読みながら模写していたのがはじまりだと思います。その頃初めてアニメイトに行って、オタクを自覚しはじめました(笑)。

その後、知り合いに中古のペンタブをもらい、いわゆる「デジタルペイント」というものを独学で学びました。

今はもっぱらネットで新しい画風や海外のイラストレーターなど、上手な人が数えきれないほど出てきて、良い刺激を受けながら日々勉強しています。

──これまでどのような作品や作家に影響を受けましたか?

魔太郎 中学生の頃友達の間で流行っていて、大ハマりした「エヴァンゲリオン」です。

特徴的な世界観と個性豊かなキャラクターにとても刺激を受けました。体のラインがくっきり出るプラグスーツも大好きでした(笑)。大人になった今も新作映画が公開されていたので、当時を思い出しながら観に行きました。

最近では、バーチャルYouTuberやソーシャルゲームなど、自分が若い頃と比べるとコンテンツがとても充実しているので、今の人たちがうらやましいです。

イラストレーター・魔太郎としてのきっかけ

魔太郎さんが表紙イラストを担当した『出会ってひと突きで絶頂除霊!』第8巻/画像はAmazonより

──イラストレーターとして仕事をはじめた当初から、イラストの仕事1本でいこうと考えていたのでしょうか?

魔太郎 実は、最初はいわゆる兼業で、通信関係の会社に勤務しながら、イラストレーターとしての仕事をしていました。当時はソーシャルゲームやムック本の依頼などを主に引き受けていて、その数が徐々に多くなってきたのでイラストに専念しようと。

ただ、両親に相談もなく会社を辞めたので、少し揉めました。今ではいい思い出です(笑)。当時はイラストレーターが仕事をする業界というのがどんなものかわからず、知り合いもいなかったので、いろいろと不安を抱えたスタートになりました。

──不安のスタートだったを経て、その後どこかで仕事としての手応えを感じたと思います。何かきっかけになった作品や出来事はありましたか?

『艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆』第1巻/画像はAmazonより

魔太郎 人生の転機となったのは、ブラウザゲームの『艦隊これくしょん -艦これ-』のラノベ『鶴翼の絆』の挿絵に抜擢されたときでした。

『艦これ』と言えば今や誰もが知っている日本の有名なゲームで、そんな大人気作品のラノベの挿絵を任されることになり、本当に光栄で自信につながりました。このラノベで知名度も上がり、ファンが増えたきっかけにもなりました。

──イラストレーターとして仕事をする上で、大切にしていることを教えてください。

魔太郎 「健康」と「スケジュール」です。

イラストレーターとしての技術はもちろんですが、イラストを描く本人に問題があると企画や仕事に関わる方すべてに迷惑をかけてしまうので、日々の健康管理は特に気を遣うようになりました。

在宅なので、どうしても作業に集中して食事を取らなかったり、徹夜したり、座りっぱなしでろくに運動もしなかったりで、意識しないと不健康まっしぐらなんです。SNSやネットなどで、若くして亡くなる漫画家やイラストレーターの訃報を聞くと、他人事とは思えなくなりますね。

以前、健康診断で「とにかく少しでもいいので歩いてください」と言われたのをきっかけに、食事の改善を意識して、ダイエットやランニングなどをはじめました。

魔太郎さんが手がけたキャラクター。こちらも「Komiflo」サイト内に登場

──もう1つの「スケジュール」は、いわゆる作品の納期を守るということですか?

魔太郎 主に納期や仕事のやり取りのことですね。駆け出しの頃は、メールの返信が億劫で数か月遅れたり、イラストの納期が遅れたりすることがしょっちゅうで、編集者や担当者の方には本当にご迷惑をおかけしました……。

イラストレーターやクリエイター系の職種の場合、「気分がのらないと作品が描けない」という点を考慮してか、やや芸術家肌な扱いをされるので、多少の納期の遅れなどは大目に見てもらえます。

でも、それに甘えてサボってしまう自分が嫌だったので、今ではきちんとスケジュール表をつくったり、意識して仕事と休日のメリハリをつけたりしています。

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