乃木坂46としては初のアニメMVとなる。
このMVは、齋藤飛鳥さん、梅澤美波さん、山下美月さんという乃木坂46のメンバーが主演した映画『映像研には手を出すな!』スタッフと、同作の原作者である漫画家・大童澄瞳さんによって映像化。
1ヶ月弱という短期間で制作が行なわれ、ストーリー、絵コンテ、原画を大童澄瞳さん自身が担当。アニメーションは、映画でも制作を担当したmonofilmoが手がけた。
温かみあるアニメで伝えるメッセージ
映画『映像研には手を出すな!』スタッフと大童澄瞳さんの間で、新曲「僕は僕を好きになる」を使い、新たにストーリーのあるMVをつくりたいという構想が膨らみ、制作に乗り切った今作。大童さんの独特のタッチで、歌詞とリンクするように物語が描かれている。
主人公は、エアバイク部に所属する少女で、学校生活や部活動の模様と自身への葛藤が混じりながら紡がれていく。 「あんなにいたはずの嫌いな人の名前が 数人しか思い出せないのはなぜなんだろう? 嫌いな理由ってこんなにつまらないことだっけ」という歌詞にリンクするように、スマホに「キライ」と打ち込む主人公。流れる涙がどこか苦しい。
そして「何回も明日こそって期待した未来 裏切っていたのは誰でもない僕だ」という歌詞のように自分と正面から向き合い、現実を見ようとする主人公に、手が差し伸べられる。 自分で自己を見つめ始めた時、仲間の助けも加わり、自分を認めることができた主人公。まさに「僕は僕を好きになる」物語だ。
1ヶ月弱という短い期間での制作とは思えない、温もりある映像に仕上がっている。
アニメ版MVカット(全10枚)
思いが重なって生まれたアニメ版MV
漫画『映像研には手を出すな!』は、2016年に『月刊!スピリッツ』にて連載が開始された、アニメ制作に勤しむ女子高生を描く物語。原作者・大童澄瞳さん自身の経験を下敷きに描かれたアニメの制作風景はもちろんのこと、キャラの心の機微とともに創作活動のダイナミズムや難しさも描かれる他にない筋書が人気を呼び、「マンガ大賞2018」へのノミネートも果たした。
映画では主人公3人組・浅草みどり役を齋藤飛鳥さん、金森さやか役を梅澤美波さん、水崎ツバメ役を山下美月さんが担当。作中描かれる女子高生ならではの距離感や溌剌とした台詞回しが自然に再現された。
また、山下美月さんは「僕は僕を好きになる」で、初のセンターに抜擢。すでに公開されている通常版のMVではその姿を見ることができる。
大童澄瞳「どこかで悩んでいる誰か」に思いを巡らせた
大童澄瞳さん コメント
最近の乃木坂46のMVは、物語性のある物が少ないとスタッフの方にお聞きました。そんな中で新曲『僕は僕を好きになる』を使って、ストーリーのあるMVを新たに作ってみたいという話しが盛り上がり、僕がストーリーなどを引き受ける事になりました。
歌詞を読んだ時、自分自身の境遇と重ね合わせて「これは私の話ではないな」と思いました。
歌詞から伝わってくる「どこかで悩んでいる誰か」はいったいどんな人なんだろうと思いを巡らせ、部活を舞台に、怪我をきっかけにストイックで周りを置いて行きがちになってしまった主人公が、仲間から差し伸べられた手によって、純粋に楽しかった日々を取り戻すというシチュエーションにたどり着きました。
苦労したのは納期です。時間がとにかくなかったので、映像編集ソフトを使って音楽の上に絵を貼り付けて作る「Vコン」を制作しました。曲に対して直感的に絵を組んで行けるし、チーム内でイメージも共有しやすいので良かったと思います。幸い僕は映画部出身で現役YouTuberでもあるので、映像編集自体は「お手の物」でした。
大童澄瞳の描く『映像研』
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