「Clubhouse」とは? 急速に注目される新たな招待制音声SNS

「Clubhouse」とは? 急速に注目される新たな招待制音声SNS
「Clubhouse」とは? 急速に注目される新たな招待制音声SNS

「Clubhouse」ルーム/画像はアプリのキャプチャ―(画面に表示されているメンバーには事前に画面撮影の許諾を得ています)

POPなポイントを3行で

  • 音声SNS「Clubhouse」が注目を集める
  • 現在はテスト段階で招待制、招待権の販売が相次ぐ
  • 実際に触ってみてわかったこと
Twitter、Facebook、Instagram、TikTokなど数多のSNSが勃興し、覇権を争う中、急速にその知名度を上げているSNSがある。

それが、音声を中心としたSNS「Clubhouse」だ。

音声SNS「Clubhouse」の今

「Clubhouse」は、Alpha Exploration Co.が運営する音声ベースのSNSで、2020年3月に立ち上げられた。

ユーザーは部屋を立て、自由に出入りしながら会話できる。その部屋の中での会話に参加したい場合は、手を挙げ、モデレーターが招待すれば会話に参加できるようになっている。

いまはテスト段階であり、ユーザーになるためには既存のユーザーからの招待が必要となる(アプリ内では順番待ちの予約が可能)。

アプリ内ではアカウント招待の順番待ちができる/画像はアプリのキャプチャー

コロナ禍を逆手に取って注目を集める

急速に注目されている要因として、コロナ禍において人との出会い、言葉を交わす機会が世界的に失われていることが挙げられる。

このコロナ禍を逆手に取った音声SNSというアイデアで注目が高まり、日夜様々なテーマで議論が行われているというわけだ。

これに海外のセレブリティが注目し始めているため、彼らのような、普段は接点のない人と会話ができる可能性があることも注目の要因に挙げられるだろう。

ただこれは何もセレブリティに限った話ではなく、(例として)教育者、役者、猟師、建設作業員、TVアナウンサーなどなど、その範囲に限界はない。国境もゆうゆうと超えていける。

「Clubhouse」が他のSNSと違うのは、そうした自分とは遠い存在も、仲介する友人がいれば、会話のきっかけがつくられやすいという点にある(共通の友人を介して出会うようなイメージ)。

なお「Clubhouse」のガイドラインには、「何かアクシデントが発生した際にのみ、調査の目的で会話の内容を録音する」と記されており、他のSNSのストーリー機能のように、会話自体はその場限りのものとする方針が見て取れる(外部リンク)。

また公式ブログには、苦情に対する調査のために会話内容を録音する必要があるかどうか、そしてそのプロセスを、テスト段階が終わる前に明確にするとある(外部リンク)。

メルカリやヤフオクで招待権の販売も

上記の通り、「Clubhouse」のアカウントは現在招待制となっている。

その結果、フリマアプリであるメルカリヤフオクなどで招待権の販売が相次いでいる。

メルカリに出品される「Clubhouse」招待権/画像はアプリ画面のキャプチャー

ヤフオクに出品される「Clubhouse」招待権/画像はサイトのキャプチャー

その他、Twitterの新機能としてテストを開始した「Spaces」が、部屋を立てて音声による会話を楽しむという点で「Clubhouse」に似ていると話題になっている。

筆者が実際に触ってみてわかったこと

なんとか招待にあずかることができたため、実際に軽く触ってみた。

試しにオープンな部屋を立てて雑談をしていたところ、意外にも興味を持って入ってきてくれる人がいた。

とはいえ、ただの雑談なのでその人たちが会話に参加してくることもなく、なんとなく気まずくなったので部屋は解散された。

始める前に懸念していた、Zoomなどで起きがちな誰が今喋るのか見合ってしまうような一瞬の沈黙は、カメラも存在しないのでむしろ気にはならなかった。一方で、会話が途切れた際は視覚情報がないこともあり、即座に振るネタがない場合はなかなかに苦しかった。

また、期待されている既存のコミュニティの枠を超えたコミュニケーションに関しても、難しいところがあった。

要は、既存のコミュニティがそのまま「Clubhouse」でも再現されているため、結局その中へ入って行きづらいのだ。そこに割って入るには、参入する側にバイタリティないし相当に言いたいことがあるか、開催側が議題などをあらかじめ設定しておく必要があると感じる。 とはいえ「Clubhouse」はいまだテスト段階なので、公式がどういった方向にサービスを育てていくのか、ユーザー側にどのようなインフルエンサーが現れるかで、今後の評価はいかようにもなるだろう。

それに視覚情報が遮断されたことで、視覚的な偏見を抑制し対話が行える点は、分断が叫ばれる現代において大きな可能性ではないだろうか。

常に新たな世界が生まれ続けるSNS

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