こんにちは。虎硬です。
今回は絵描きの同人活動についてお話していきたいと思います。
自分自身が同人イベントへの参加をはじめたのが2008年なので、昔のことについては諸先輩方やイベント関係者様のお話を参考に書いています。
今回はここ5年程度を中心に、イラスト同人がpixivやTwitterなどのSNSとどのように関係し、成長してきたかを中心にお話していきます。
ちなみにオレ自身の活動記録についてはブログに色々書いているので、良かったら読んでください。
Vol.2 善か悪か、ソーシャルゲーム
具体的にいえばそれは2009年ごろで、その時期からイラスト関連のサークルが増えていったようです。理由としてはやはりSNSの存在がかなり大きく、今まであまり売れてなかったサークルがネットで話題となり行列をつくるほどになったという例はオレもよく見ました。
特に2007年から始まった、イラスト系SNS・pixivの影響は大きく、多くのサークルが生まれました。
理由は主に二つあると思います。
一つ目は制作量の問題でしょう。
本で売れるレベルの完成度のイラストを数点描くことはなかなかに重い作業であり、例えば24ページ程度の本であっても最低10点は必要かと思うので、自然と作業数は膨大になります。
人によって制作速度に差があるとはいえ、印刷に耐え得るレベルのクオリティのイラストを描くのは骨の折れる作業です。もちろん制作済みの作品を掲載するという手はよくあります。
二つ目はお金の問題です。
漫画の同人誌は、表紙はカラーでも中身はモノクロでほぼ問題ないかと思いますが、イラストの場合は漫画と違い「シナリオ」という情報が少ない分、絵の綺麗さでカバーしなければいけません。それゆえ多くの絵描きはフルカラーでイラスト集を制作します。
当然ですがモノクロに比べ、フルカラーの同人誌はお金がかかります。
印刷会社によってまちまちですが、大体はモノクロの2〜4倍くらいでしょう。数万円ならまだしも、10万円を超えたりする場合、個人で気楽に払える額ではないので、仲の良い人同士でお金を出し合って本をつくるケースがあります。
例えば印刷に10万円かかっても10人で割れば一人1万円程度で済みます。売れれば利益を当分し、それぞれの出資を回収できます。個人が大きく儲かることはありませんが、売れなかった場合のリスクは少なく済みます。
オレはpixivの功績は「ランキング」と「フォロー(お気に入り)」機能だと思っています。前者については多くの批判があることは認識していますが、ランキングのおかげで一部の絵描きが様々な場面で有形無形のメリットを得たのもまた事実です。
後者のフォロー機能は、気に入ったユーザーをブックマークし、新作を観測できるという閲覧者側にとって非常に便利な機能です。これは同時に投稿者にも大きなモチベーションを与えます。
投稿者は自分をフォローしているユーザーが誰かわかります。そしてお互いにフォローし合っているときにアイコンにハートマークが表示されます。いわゆる相互フォローというやつです。つまり、お互いの目線がある程度可視化されてきたわけです。
Twitterなどにも相互フォローを知らせる機能はありますが、pixivはSNSの性質上、技術を評価する場所なので、言葉を交わさずとも絵描きという技術者同士の意思疎通として大きな意味を持っています。 このフォロー機能により、絵描き同士が仲良くなりやすい空間が生まれました。
そんなわけで昨今は相思相愛の絵描きコミュニティがとても成立しやすいと思います。以前にも書きましたが、pixiv以前のお絵かき掲示板時代ではどうしても掲示板に投稿したり、メールを送ったり、自分のサイトからリンクを貼ったり……と少し手間のかかる方法で交流をすることがメインでしたが、SNS時代はボタン一つなのでとても楽ちんです。
そしてそんなコミュニティの中から同人サークルが生まれてきます。いわばpixiv発の同人サークルです。オレが昔つくったサークルもまさにそのタイプで、メンバーはほぼ全員pixivを通じて集めました。
Twitterは馴れ合いのツールとしてとても優秀で伝達速度も早く、企画のビルドに向いているといえるのかもしれません。オレ自身はあまりTwitterでは発言しないのですが、人様が盛り上がっているTLを眺めたりアニメやニュースのネタを瞬時にイラストにして投稿したりと、とてもエキサイティングな場所になっていると思います。
以前の記事でお絵かき掲示板を取り扱ったときに「村」という言葉を使ったかと思いますが、レスポンスの早さや、空中リプライ(リプライ機能を使わずに返信すること)の様相などをみてみるとTwitterにも「村感」は存在すると思います。
今回は絵描きの同人活動についてお話していきたいと思います。
自分自身が同人イベントへの参加をはじめたのが2008年なので、昔のことについては諸先輩方やイベント関係者様のお話を参考に書いています。
今回はここ5年程度を中心に、イラスト同人がpixivやTwitterなどのSNSとどのように関係し、成長してきたかを中心にお話していきます。
ちなみにオレ自身の活動記録についてはブログに色々書いているので、良かったら読んでください。
連載:ネットイラストを巡る冒険
Vol.1 pixivの誕生、奪われたものと奪い取ったものVol.2 善か悪か、ソーシャルゲーム
イラストジャンルの隆盛
コミケやコミティアなどの同人イベントで「イラスト」というジャンルが活気づいたのは最近のように思います。それまでは漫画系のサークルが中心だったように思います。具体的にいえばそれは2009年ごろで、その時期からイラスト関連のサークルが増えていったようです。理由としてはやはりSNSの存在がかなり大きく、今まであまり売れてなかったサークルがネットで話題となり行列をつくるほどになったという例はオレもよく見ました。
特に2007年から始まった、イラスト系SNS・pixivの影響は大きく、多くのサークルが生まれました。
個人誌よりも合同誌?
いわゆる「同人誌」というと、個人で描かれているものを想像するかもしれません。実際、漫画の同人誌は一人で制作されているものが多いでしょう。しかし、ことイラスト系同人誌に関しては、複数人でつくっているいわゆる「合同誌」が多くを占めているように思います。理由は主に二つあると思います。
一つ目は制作量の問題でしょう。
本で売れるレベルの完成度のイラストを数点描くことはなかなかに重い作業であり、例えば24ページ程度の本であっても最低10点は必要かと思うので、自然と作業数は膨大になります。
人によって制作速度に差があるとはいえ、印刷に耐え得るレベルのクオリティのイラストを描くのは骨の折れる作業です。もちろん制作済みの作品を掲載するという手はよくあります。
二つ目はお金の問題です。
漫画の同人誌は、表紙はカラーでも中身はモノクロでほぼ問題ないかと思いますが、イラストの場合は漫画と違い「シナリオ」という情報が少ない分、絵の綺麗さでカバーしなければいけません。それゆえ多くの絵描きはフルカラーでイラスト集を制作します。
当然ですがモノクロに比べ、フルカラーの同人誌はお金がかかります。
印刷会社によってまちまちですが、大体はモノクロの2〜4倍くらいでしょう。数万円ならまだしも、10万円を超えたりする場合、個人で気楽に払える額ではないので、仲の良い人同士でお金を出し合って本をつくるケースがあります。
例えば印刷に10万円かかっても10人で割れば一人1万円程度で済みます。売れれば利益を当分し、それぞれの出資を回収できます。個人が大きく儲かることはありませんが、売れなかった場合のリスクは少なく済みます。
pixivから生まれた同人サークル
最初に述べたように、pixivは同人イベントに大きな影響を与えたとオレは考えています。理由として個人作家の知名度を上げたという点と、もう一つはコミュニティがつくりやすくなったという点です。オレはpixivの功績は「ランキング」と「フォロー(お気に入り)」機能だと思っています。前者については多くの批判があることは認識していますが、ランキングのおかげで一部の絵描きが様々な場面で有形無形のメリットを得たのもまた事実です。
後者のフォロー機能は、気に入ったユーザーをブックマークし、新作を観測できるという閲覧者側にとって非常に便利な機能です。これは同時に投稿者にも大きなモチベーションを与えます。
投稿者は自分をフォローしているユーザーが誰かわかります。そしてお互いにフォローし合っているときにアイコンにハートマークが表示されます。いわゆる相互フォローというやつです。つまり、お互いの目線がある程度可視化されてきたわけです。
Twitterなどにも相互フォローを知らせる機能はありますが、pixivはSNSの性質上、技術を評価する場所なので、言葉を交わさずとも絵描きという技術者同士の意思疎通として大きな意味を持っています。 このフォロー機能により、絵描き同士が仲良くなりやすい空間が生まれました。
そんなわけで昨今は相思相愛の絵描きコミュニティがとても成立しやすいと思います。以前にも書きましたが、pixiv以前のお絵かき掲示板時代ではどうしても掲示板に投稿したり、メールを送ったり、自分のサイトからリンクを貼ったり……と少し手間のかかる方法で交流をすることがメインでしたが、SNS時代はボタン一つなのでとても楽ちんです。
そしてそんなコミュニティの中から同人サークルが生まれてきます。いわばpixiv発の同人サークルです。オレが昔つくったサークルもまさにそのタイプで、メンバーはほぼ全員pixivを通じて集めました。
Twitter発のサークル
同じSNSでいうとTwitterのネタから始まった同人誌企画もいくつもあります。有名なものでは「しゅうまいくん」というbotがありますが、2009年に彼(彼女?)のファンを集めた同人誌が生まれたことがありました。フルカラーしゅうまい本
— しゅうまい君 (@shuumai) 2009, 7月 23
しゅうまい君botの中の人であるまき@enpitsuさんがプロのイラストレーターであったため多くの絵描きがこぞって参加しました。Twitterは馴れ合いのツールとしてとても優秀で伝達速度も早く、企画のビルドに向いているといえるのかもしれません。オレ自身はあまりTwitterでは発言しないのですが、人様が盛り上がっているTLを眺めたりアニメやニュースのネタを瞬時にイラストにして投稿したりと、とてもエキサイティングな場所になっていると思います。
以前の記事でお絵かき掲示板を取り扱ったときに「村」という言葉を使ったかと思いますが、レスポンスの早さや、空中リプライ(リプライ機能を使わずに返信すること)の様相などをみてみるとTwitterにも「村感」は存在すると思います。
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