スマホが普及し爆発的にSNSの利用者が増えた今、ネット上に作品を投稿することが普通になり、個人クリエイターが脚光を浴びるようになった。
LINEスタンプの制作や、SNSに投稿された漫画が話題を集めて書籍化されるなど、イラストレーターが活躍しヒットを生む場も増えている。
可愛い絵柄と裏腹に、キャラクターたちの時にゆるく、時に生々しい日常を多彩な表情で描いたユニークな作品「もぐらコロッケ」シリーズや『なんか小さくてかわいいやつ』を生み出したナガノさんは、そんな時代を象徴するクリエイターの一人だ。
ナガノさんの手によって生み出されたキュートなキャラクターたちは、みんなで歌を歌っているかと思えば、共食いや隣人への恐怖に悩んだりもする。
特に表情が多彩で、時には複雑な感情が入り混じった迫真の表情を見せてくれる。
その件はネズミがかじったということになってバレなかったものの、以後彼は仲間の味に取りつかれてしまう。 後の『もぐらコロッケと苦悶』では、また夜な夜な仲間をかじろうとしたところで実際に現れたネズミと出会ってしまい、ネズミに「自分と同類だ」と突き付けられるもそれを必死に否定しようとしている。 かわいらしいデザインの中に、仲間の味に酔いしれている様や、ネズミを拒絶する際の根拠もなく自分を信じるしかない強迫観念に迫られた様子が表情を使い分けることで巧みに表現されている。
可愛いだけではないキャラクターを生み出してきたナガノさんに聞いた、イラストを描き始めたきっかけや、描くうえでのこだわりとは?
物心ついた時からずっと絵を描くことが好きで、なぜ絵を描き始めたか最早思い出せないぐらいずっと絵を描き続けてきたという。
小さいころは鉛筆でノートにコマ割りをして漫画を描いていたというナガノさん。イラストを描くときのこだわりとして「PCで直接描かず、手描きしたものをスキャンして使うようにしています!」というアナログ派。
ナガノさんはスタンプを自作して登録すればLINEスタンプとして販売できる「LINEクリエイターズスタンプ」の月刊MVPを獲り、ポケモン公式スタンプやLINEスタンプ プレミアムの在宅生活応援公式スタンプも制作している。
以前から「スタンプを自分でつくれたらいいのにな」と思っていたナガノさんは、2014年からLINEクリエイターズスタンプが始まるとすぐに制作を始めた。
Twitterの漫画はそうした重めの作業に対する息抜きとして描いているそうで、漫画を描く仕事の息抜きが漫画を描くことだという、高い創作意欲が伝わってくる。
『なんか小さくてかわいいやつ』でも、「キメラ」という可愛くない存在の登場とその存在を受け入れられない「なんか小さくてかわいいやつ」が描かれている。
「なんか小さくてかわいいやつ」が何なのか、作中では一切説明がなく、キメラになったキャラも初登場でなぜキメラになったのかも描かれていない。
ナガノさんの作品には、シュールな世界観、不条理さ、読者が「何か読み取れそう」な世界の奥行きが存在する。
もう一つ、自身のルーツになっているかもしれないものとしてナガノさんがあげてくれたのは、「淡々とした雰囲気の中にドキドキ感がある童話や絵本」だった。
子供の頃から『おおかみと7匹の子やぎ』やピーターラビットの『ひげのサムエルのおはなし』が好きだったそうで、どちらも捕まってしまって食べられそうになった動物が逃げ出す話だ。
可愛いだけではないナガノさんの作品が持つ世界観は、絵柄や文章とは裏腹にハラハラする童話や絵本、不条理ギャグの吉田戦車さんといった作品にルーツを持ちながら、現代のSNSやLINEスタンプといった短く、それ単体でもコミュニケーションとなる絵柄や世界観に昇華されている。 この4月には、「もぐらコロッケ」の冒険などが描かれたナガノさんの単行本『自分ツッコミくまの本(2) もぐらコロッケのゆめ』が発売された。
作品や自身の今後については「ゆくゆくは映像作品になって欲しい!というのが一番大きな夢です…が、とにかく描き続けていられるよう頑張りたいです!」とのこと。
ゆるく不条理なナガノさんの世界は、まだまだ広がりそうだ。
©nagano/©Anova
LINEスタンプの制作や、SNSに投稿された漫画が話題を集めて書籍化されるなど、イラストレーターが活躍しヒットを生む場も増えている。
可愛い絵柄と裏腹に、キャラクターたちの時にゆるく、時に生々しい日常を多彩な表情で描いたユニークな作品「もぐらコロッケ」シリーズや『なんか小さくてかわいいやつ』を生み出したナガノさんは、そんな時代を象徴するクリエイターの一人だ。
ナガノさんの手によって生み出されたキュートなキャラクターたちは、みんなで歌を歌っているかと思えば、共食いや隣人への恐怖に悩んだりもする。
特に表情が多彩で、時には複雑な感情が入り混じった迫真の表情を見せてくれる。
ゆるく可愛く生々しい。ナガノさんのユニークな漫画
例えば、この『もぐらコロッケの味』の一幕では、ある日謎の生き物もぐらコロッケの一匹が、そうとは知らずコロッケを食べてしまう。 その日食べた味が忘れられなかった彼は、夜な夜な仲間の頭をかじってしまう。その件はネズミがかじったということになってバレなかったものの、以後彼は仲間の味に取りつかれてしまう。 後の『もぐらコロッケと苦悶』では、また夜な夜な仲間をかじろうとしたところで実際に現れたネズミと出会ってしまい、ネズミに「自分と同類だ」と突き付けられるもそれを必死に否定しようとしている。 かわいらしいデザインの中に、仲間の味に酔いしれている様や、ネズミを拒絶する際の根拠もなく自分を信じるしかない強迫観念に迫られた様子が表情を使い分けることで巧みに表現されている。
可愛いだけではないキャラクターを生み出してきたナガノさんに聞いた、イラストを描き始めたきっかけや、描くうえでのこだわりとは?
新時代の寵児 SNSやLINEスタンプで人気のナガノさん
自身の生み出したキャラクター「自分ツッコミくま」のコラボカフェが開催されるなど、高い人気と評価を得ているナガノさん。物心ついた時からずっと絵を描くことが好きで、なぜ絵を描き始めたか最早思い出せないぐらいずっと絵を描き続けてきたという。
小さいころは鉛筆でノートにコマ割りをして漫画を描いていたというナガノさん。イラストを描くときのこだわりとして「PCで直接描かず、手描きしたものをスキャンして使うようにしています!」というアナログ派。
元々SNSを中心に人気を獲得していたナガノさんの名をさらに広めたのは、LINEスタンプの存在だった。くまとパグ じゃんけん族に会うの巻 pic.twitter.com/LnpV2cGbeE
— ナガノ🐟もぐらコロッケのゆめ単行本発売 (@ngntrtr) June 8, 2018
ナガノさんはスタンプを自作して登録すればLINEスタンプとして販売できる「LINEクリエイターズスタンプ」の月刊MVPを獲り、ポケモン公式スタンプやLINEスタンプ プレミアムの在宅生活応援公式スタンプも制作している。
以前から「スタンプを自分でつくれたらいいのにな」と思っていたナガノさんは、2014年からLINEクリエイターズスタンプが始まるとすぐに制作を始めた。
モチベーションで媒体を使い分ける 人気クリエイターの仕事術
スタンプ制作での活躍に加え、現在は『週刊モーニング』電子版オリジナル作品としてナガノさんが色々な場所に行き、そこで美味しいものを食べる『MOGUMOGU食べ歩きくま』を連載している。 アナログ作業に加えて取材が必要なため、他の作品よりも工程が多く大変な時もあるそう。ただ、苦労も多い分、完成したときの嬉しさは一番大きいかもしれないと感じるという。Twitterの漫画はそうした重めの作業に対する息抜きとして描いているそうで、漫画を描く仕事の息抜きが漫画を描くことだという、高い創作意欲が伝わってくる。
「生き物ならではの容赦のなさ」に惹かれるナガノさん
冒頭でも紹介したような、可愛いだけではない不思議な作品も描いているナガノさん。『なんか小さくてかわいいやつ』でも、「キメラ」という可愛くない存在の登場とその存在を受け入れられない「なんか小さくてかわいいやつ」が描かれている。
イラストレーターや漫画家として影響を受けた人を聞いてみると、不条理ギャグ漫画のパイオニアとも呼ばれる吉田戦車さんだという。あまり深い意味はないのですが、カマキリのメスがオスを食べてしまう、みたいな生き物ならではの容赦のなさが好きなところがあるので、そういった生き物らしさを描きたい気持ちがあるのかも知れません。
何かメッセージを伝えたかったり、重いテーマを描いているというよりは、何かが起こった時の反応や表情を描きたいという気持ちの方が強いです!ナガノさん
「なんか小さくてかわいいやつ」が何なのか、作中では一切説明がなく、キメラになったキャラも初登場でなぜキメラになったのかも描かれていない。
ナガノさんの作品には、シュールな世界観、不条理さ、読者が「何か読み取れそう」な世界の奥行きが存在する。
もう一つ、自身のルーツになっているかもしれないものとしてナガノさんがあげてくれたのは、「淡々とした雰囲気の中にドキドキ感がある童話や絵本」だった。
子供の頃から『おおかみと7匹の子やぎ』やピーターラビットの『ひげのサムエルのおはなし』が好きだったそうで、どちらも捕まってしまって食べられそうになった動物が逃げ出す話だ。
可愛いだけではないナガノさんの作品が持つ世界観は、絵柄や文章とは裏腹にハラハラする童話や絵本、不条理ギャグの吉田戦車さんといった作品にルーツを持ちながら、現代のSNSやLINEスタンプといった短く、それ単体でもコミュニケーションとなる絵柄や世界観に昇華されている。 この4月には、「もぐらコロッケ」の冒険などが描かれたナガノさんの単行本『自分ツッコミくまの本(2) もぐらコロッケのゆめ』が発売された。
作品や自身の今後については「ゆくゆくは映像作品になって欲しい!というのが一番大きな夢です…が、とにかく描き続けていられるよう頑張りたいです!」とのこと。
ゆるく不条理なナガノさんの世界は、まだまだ広がりそうだ。
©nagano/©Anova
関連商品
¥990
推定ページ数: 130 ページ
出版社: 講談社 (2020/4/23)
言語: 日本語
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もぐらコロッケたちに再び大事件!
海に憧れるもぐらコロッケが、仲間のもとから離れてまで願ったこととは?
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推定ページ数: 130 ページ
出版社: 講談社 (2020/4/23)
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