Netflixで4月23日に全世界独占配信がスタートしたオリジナルアニメシリーズ『攻殻機動隊 SAC_2045』。
監督は神山健治さんと荒牧伸志さんの2人。田中敦子さん、大塚明夫さん、山寺宏一さんなど「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズのオリジナルキャストが集結し話題を呼んだ本作だが、新たに2名のキャストが参加している。
草薙素子率いる傭兵部隊に参加したスタンダードを演じた津田健次郎さんと、新生公安9課でタチコマたちのメンテナンスなどを担当する江崎プリン役・潘めぐみさんだ。
「第4の攻殻」と呼ばれる『攻殻機動隊 ARISE』への出演(潘さんは『攻殻機動隊 新劇場版』)や、神山さんと荒牧さんの共同監督で制作されたNetflixのCGアニメ『ULTRAMAN』に出演するなど何かと共通点のある2人。
そんな2人に、数年ぶりに「攻殻機動隊」の名を冠する作品で新キャラクターを演じることとなった心境や、ベテラン揃いの本作のアフレコ現場の裏側まで話を聞いた。
津田健次郎(以下、津田) 「攻殻機動隊」は新たなアニメーションの扉を開いた作品という印象があります。
そしてそれに続くシリーズも時代の最先端を行く作品が並んでいると思います。
潘めぐみ(以下、潘) そうですね。描かれている世界は近未来だけど、どこか懐かしさを感じるような、不思議な印象を抱いていました。
物語のカラクリもとても魅力的だと思います。1話完結としても見られるエピソードがありつつも、シリーズを通してすべてが繋がっていくようなストーリーの仕掛けに、脳が悦ぶ感覚がありますよね。 ──数年ぶりに「攻殻機動隊」の名を冠する作品で新キャラクターを演じることになりました。出演が決まったときはいかがでしたか?
津田 もともと「攻殻機動隊」がとても好きだったので非常に嬉しかったですし、このシリーズに参加できることを光栄に思います。
潘 私も心から光栄に思いました。神山監督と荒牧監督と再びご一緒させていただけるということが、まず嬉しかったです。
もともと「攻殻機動隊」シリーズは拝見していましたし、本作の前に『攻殻機動隊 新劇場版』のほうで、クリスという少女の役を演じさせていただいていたので、オーディションを受けられるとも思っていなくて。
プリンについては、オーディションの段階で「新たな公安9課のメンバー」という情報をいただいていたので、出演が決まったときは本当に興奮しましたね。 ──ストーリーにおいて「江崎プリン」「スタンダード」というキャラクターのパーソナルな情報が少ない印象でした。演じる側としても少ない情報の中で、キャラクターの生き様や作品内でのポジションなどを表現されたと思います。
それぞれのキャラクターにはじめて出会ったときの印象や、実際演じてみて変わった点など、「江崎プリン」「スタンダード」というキャラクターについて教えてください
津田 スタンダードは劇中で「オモシロ」というニックネームを付けられるキャラクターなのですが、そのニックネームそのままのキャラクターだと思いました。
「攻殻機動隊」では珍しい、明るくて少し間抜けな愛嬌のあるスタンダードは、元公安9課の皆さんに影響されずに独自のスタンスで演じようと思いました。実際に演じていて楽しいです。
潘 とにかく「江崎プリン」という名前とピンク色の髪という、この2つのインパクトがとにかく強くて。
これまでの公安9課にはいなかったタイプだと思いますし、なんなら少し浮いていてもいいのかなと。年齢的な言及はされていませんが、感覚や考え方、行動原理も、現代っ子だと感じたので、そのあたりも加味して演じました。
そして、なによりバトーさんのことが本当に好きなのだなと。ラブというか、ファンというか、バトーさんオタクというか。タチコマたちとは、いいライバルです(笑)。
津田 まずは自分の思った芝居を持っていきました。基本的にはそのまま自由に演じさせていただいたと思います。「スタンダード」はとにかく楽しい奴であるということを伝えていただきました。
潘 神山監督のディレクションで印象的だったワードは「プリン感」です!
シリアスなときも、周囲より緊迫感を背負わず、対応もできすぎていなくていい──プリン特有のフワフワさがあって、それによって9課のメンバーと差別化するというか。
そうした意味での「プリン感」というワードはプリンを演じる際の1つの指標になりました。 ──アフレコにおいて、現場の空気感や印象に残っている出来事があれば教えてください。
津田 アフレコの現場はとても穏やかで心地良かったです。神山監督、荒牧監督、英雄の先輩方、スタッフの皆様が素敵な現場をつくり出して下さっていて、新メンバーとして入っても、とても楽しく仕事ができる環境でした。
潘 いやはや、やはり「攻殻機動隊」であることと「公安9課」であること、ですかね。
スタジオに入るまでは、ものすごく緊張していたんです。だけど、そうした緊張が申し訳なくなるくらい、現場の空気感はとても和やかでアットホームでした。
収録がはじまる前に、いつも神山監督がキャスト陣の紹介と初登場のキャラクターについての説明や、その日、その回のストーリーについて解説して下さるんですが、そのときの皆さんとのやりとりも、またいいんですよ。
そんな時間があってから収録に入るので、とても良い緊張感の中で臨むことができました。
──『攻殻機動隊 SAC_2045』は『攻殻機動隊』シリーズとしては初のモーションキャプチャを使い、フル3DCGで制作されました。作品を拝見するとそういった技術や演出ならではの独特なリズムを感じました。3DCG/モーションキャプチャのキャラクターを演じることで難しかったことや特に気をつけたことはありましたか?
津田 モーションアクターの皆様が演じてくださった動きにセリフを合わせていくのですが、自分の思うリズムや呼吸と違う場合もあるので、そこを調整していくのに少し苦労しましたね。
このあたりが他のアフレコ現場と大きく違う部分ではないでしょうか。
他のアニメーションよりも表情や動きが細かくあるので、なるべくそこを活かして躍動感のある表現にできるよう配慮しました。
潘 3DCG/モーションキャプチャであることは、以前、両監督とご一緒させていただいた『ULTRAMAN』で経験させていただいていたのですが、モーションアクターの山城屋さんがつくり上げてくださったプリン像を汲み取りつつ、こちらもどこまで表現として乗せていくか。ナチュラルすぎても足りない、デフォルメしすぎるのも……というさじ加減は、両監督と相談させていただいて調整していきましたね。
あと、神山監督にうかがった話でとても印象的ことがあって。
3Dよりも2Dのほうがセリフ量を詰め込めるということです。
モーションキャプチャで絵に起こしているから、動きが伴って生まれる間があって、さらにリップシンクもあるから、これまでよりもセリフを削っているんだと教えてくださいました。
津田 一気に作品を見られるので、世界に没入していける良さがあると思います。物語も分断されることなく進められるので、製作サイドの伝えたいことも伝わりやすくなったのではと思います。
潘 一挙配信できるということも大きいと思いますが、それが世界同時配信だったりすると各国からSNSなどを通じてお声をいただくことも多くなりました。
それぞれの国でも、同じ役を吹替えて下さっている声優の方との交流や、ご一緒させていただくイベントなどの機会も増えましたね。
──『攻殻機動隊 SAC_2045』をはじめ、Netflixでは多くのオリジナルアニメシリーズを配信しています。お二人は『ULTRAMAN』でも共演されていましたが、今回『攻殻機動隊 SAC_2045』のお芝居をご覧になって、互いに何か印象が変わった点はありましたか?
津田 潘さんとは何度も共演させていただいていますが、今回もまた僕の知らない潘さんを見せていただいています。
作品やキャラクターに対する愛情溢れるアプローチが伝わります。素敵ですね。
潘 いやはや、恐縮すぎます。『ULTRAMAN』のアダドも、『攻殻機動隊 SAC_2045』のスタンダードも、アッパーな雰囲気がありつつも、ベクトルの異なる2人ですよね。
だけど、どちらも愛されキャラのように感じるのは、津田さんのズルいところですよね(笑)。とても魅力的です。
津田 とにかく表現の世界が好きなんですよね。そして、新しい世界が見たい。だから結果的に「挑戦」になっていくのかもしれません。止まったらそこで何かが終わってしまう気がするんですよ(笑)。
今後は、演技の可能性をもっともっと貪欲に探っていきたいです。それと同時に、実写の映画が好きでこの世界に入ってきたので、実写の映画も撮っていきたいと思っています。
改めて、表現の新しい扉を開いてきた「攻殻機動隊」シリーズをすごいと思いますし、そこに参加できることを光栄に思っています。
──潘さんは声優としてのデビュー作が『HUNTER×HUNTER』でした。その後『ハピネスチャージプリキュア!』や『フルーツバスケット』、そして今回の『攻殻機動隊 SAC_2045』と、長年受け継がれる作品に出演されています。すでに一定のファンがいる、積み重ねられた歴史がある、そういった作品への出演は、キャリアにおいてどのような経験をもたらしているのでしょうか?
潘 挙げていただいた作品しかり、他のどの作品も自分のルーツになっている、大好きな作品たちばかりなんです。なので、とてもご縁を感じますし、なにより自分が触れてきた作品に還元できる、微力ながらですけど、作品への感謝の気持ちをお返しできるんじゃないかと考えています。
リメイク、続編、新作と、プレッシャーがないわけではないんですが、自分が大切な作品や役が誰かにとっても大切なものになりえるわけで、それはとても素敵なことだなと思うんです。
比べられることも、もちろんありますが、それは作品を遡ってもらえる良い機会と捉えています。そうポジティブに考えられるようになったのは、とても大きいと思いますね。
あとは、アニメなどに詳しくない友人や知人などと話すときに、わかってもらえることは単純に嬉しいです。
──最後に、お二人から見た本作の見どころについて教えてください。
津田 「攻殻機動隊」がさらに新しく進化してます。静謐で激しく、ハイテクノロジーだけどアナログ、様々な要素が渾然一体となったアクションエンターテインメントをぜひ観てください。
僕自身、とても楽しみにしています。『攻殻機動隊SAC_2045』、そして新キャラクター「スタンダード」をどうぞよろしくお願いいたします。
潘 本作に携わらせていただけること、改めて光栄に思います。長く愛され続けている「攻殻機動隊」シリーズ。私自身も、その世界に魅せられた1人です。
いまだかつて、時代は、士郎正宗先生の描いた世界に追いついていませんが、それでも現代に至るまで、テクノロジーは遥かに進化してきました。今回、舞台となる2045年はそんなに遠くない未来の話です。
時代の先を行く『攻殻機動隊 SAC_2045』の物語は、一体、どこに向かっていくのか。今のアニメーション技術で描かれる最高のエンターテインメントをぜひ、体感していただきたいです。
その中で、プリンも愛していただけますように……願っています。
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊 2045 製作委員会
監督は神山健治さんと荒牧伸志さんの2人。田中敦子さん、大塚明夫さん、山寺宏一さんなど「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズのオリジナルキャストが集結し話題を呼んだ本作だが、新たに2名のキャストが参加している。
草薙素子率いる傭兵部隊に参加したスタンダードを演じた津田健次郎さんと、新生公安9課でタチコマたちのメンテナンスなどを担当する江崎プリン役・潘めぐみさんだ。
「第4の攻殻」と呼ばれる『攻殻機動隊 ARISE』への出演(潘さんは『攻殻機動隊 新劇場版』)や、神山さんと荒牧さんの共同監督で制作されたNetflixのCGアニメ『ULTRAMAN』に出演するなど何かと共通点のある2人。
そんな2人に、数年ぶりに「攻殻機動隊」の名を冠する作品で新キャラクターを演じることとなった心境や、ベテラン揃いの本作のアフレコ現場の裏側まで話を聞いた。
『攻殻機動隊 SAC_2045』新キャラを演じた津田健次郎&潘めぐみ
──『攻殻機動隊 SAC_2045』は20年近く愛され続けてきた「攻殻機動隊」シリーズに紐づく作品となります。お二人は「攻殻機動隊」シリーズについてどのような印象を持っていましたか?津田健次郎(以下、津田) 「攻殻機動隊」は新たなアニメーションの扉を開いた作品という印象があります。
そしてそれに続くシリーズも時代の最先端を行く作品が並んでいると思います。
潘めぐみ(以下、潘) そうですね。描かれている世界は近未来だけど、どこか懐かしさを感じるような、不思議な印象を抱いていました。
物語のカラクリもとても魅力的だと思います。1話完結としても見られるエピソードがありつつも、シリーズを通してすべてが繋がっていくようなストーリーの仕掛けに、脳が悦ぶ感覚がありますよね。 ──数年ぶりに「攻殻機動隊」の名を冠する作品で新キャラクターを演じることになりました。出演が決まったときはいかがでしたか?
津田 もともと「攻殻機動隊」がとても好きだったので非常に嬉しかったですし、このシリーズに参加できることを光栄に思います。
潘 私も心から光栄に思いました。神山監督と荒牧監督と再びご一緒させていただけるということが、まず嬉しかったです。
もともと「攻殻機動隊」シリーズは拝見していましたし、本作の前に『攻殻機動隊 新劇場版』のほうで、クリスという少女の役を演じさせていただいていたので、オーディションを受けられるとも思っていなくて。
プリンについては、オーディションの段階で「新たな公安9課のメンバー」という情報をいただいていたので、出演が決まったときは本当に興奮しましたね。 ──ストーリーにおいて「江崎プリン」「スタンダード」というキャラクターのパーソナルな情報が少ない印象でした。演じる側としても少ない情報の中で、キャラクターの生き様や作品内でのポジションなどを表現されたと思います。
それぞれのキャラクターにはじめて出会ったときの印象や、実際演じてみて変わった点など、「江崎プリン」「スタンダード」というキャラクターについて教えてください
津田 スタンダードは劇中で「オモシロ」というニックネームを付けられるキャラクターなのですが、そのニックネームそのままのキャラクターだと思いました。
「攻殻機動隊」では珍しい、明るくて少し間抜けな愛嬌のあるスタンダードは、元公安9課の皆さんに影響されずに独自のスタンスで演じようと思いました。実際に演じていて楽しいです。
潘 とにかく「江崎プリン」という名前とピンク色の髪という、この2つのインパクトがとにかく強くて。
これまでの公安9課にはいなかったタイプだと思いますし、なんなら少し浮いていてもいいのかなと。年齢的な言及はされていませんが、感覚や考え方、行動原理も、現代っ子だと感じたので、そのあたりも加味して演じました。
そして、なによりバトーさんのことが本当に好きなのだなと。ラブというか、ファンというか、バトーさんオタクというか。タチコマたちとは、いいライバルです(笑)。
『攻殻機動隊 SAC_2045』アフレコ現場の裏側
──神山監督、荒牧監督とキャラクターや演技について話されたと思いますが、監督からはどのようなディレクションがあったんでしょうか?津田 まずは自分の思った芝居を持っていきました。基本的にはそのまま自由に演じさせていただいたと思います。「スタンダード」はとにかく楽しい奴であるということを伝えていただきました。
潘 神山監督のディレクションで印象的だったワードは「プリン感」です!
シリアスなときも、周囲より緊迫感を背負わず、対応もできすぎていなくていい──プリン特有のフワフワさがあって、それによって9課のメンバーと差別化するというか。
そうした意味での「プリン感」というワードはプリンを演じる際の1つの指標になりました。 ──アフレコにおいて、現場の空気感や印象に残っている出来事があれば教えてください。
津田 アフレコの現場はとても穏やかで心地良かったです。神山監督、荒牧監督、英雄の先輩方、スタッフの皆様が素敵な現場をつくり出して下さっていて、新メンバーとして入っても、とても楽しく仕事ができる環境でした。
潘 いやはや、やはり「攻殻機動隊」であることと「公安9課」であること、ですかね。
スタジオに入るまでは、ものすごく緊張していたんです。だけど、そうした緊張が申し訳なくなるくらい、現場の空気感はとても和やかでアットホームでした。
収録がはじまる前に、いつも神山監督がキャスト陣の紹介と初登場のキャラクターについての説明や、その日、その回のストーリーについて解説して下さるんですが、そのときの皆さんとのやりとりも、またいいんですよ。
そんな時間があってから収録に入るので、とても良い緊張感の中で臨むことができました。
──『攻殻機動隊 SAC_2045』は『攻殻機動隊』シリーズとしては初のモーションキャプチャを使い、フル3DCGで制作されました。作品を拝見するとそういった技術や演出ならではの独特なリズムを感じました。3DCG/モーションキャプチャのキャラクターを演じることで難しかったことや特に気をつけたことはありましたか?
津田 モーションアクターの皆様が演じてくださった動きにセリフを合わせていくのですが、自分の思うリズムや呼吸と違う場合もあるので、そこを調整していくのに少し苦労しましたね。
このあたりが他のアフレコ現場と大きく違う部分ではないでしょうか。
他のアニメーションよりも表情や動きが細かくあるので、なるべくそこを活かして躍動感のある表現にできるよう配慮しました。
潘 3DCG/モーションキャプチャであることは、以前、両監督とご一緒させていただいた『ULTRAMAN』で経験させていただいていたのですが、モーションアクターの山城屋さんがつくり上げてくださったプリン像を汲み取りつつ、こちらもどこまで表現として乗せていくか。ナチュラルすぎても足りない、デフォルメしすぎるのも……というさじ加減は、両監督と相談させていただいて調整していきましたね。
あと、神山監督にうかがった話でとても印象的ことがあって。
3Dよりも2Dのほうがセリフ量を詰め込めるということです。
モーションキャプチャで絵に起こしているから、動きが伴って生まれる間があって、さらにリップシンクもあるから、これまでよりもセリフを削っているんだと教えてくださいました。
声優からみたアニメ一挙配信のメリット
──Netflixを筆頭に動画配信サービスでは、TVアニメのように毎週新しいエピソードを放送するのではなく、作品を一挙配信する形態が増えつつあります。このようなアニメ作品の放送形態の変化について、何か身をもって感じたことなどはありますか?津田 一気に作品を見られるので、世界に没入していける良さがあると思います。物語も分断されることなく進められるので、製作サイドの伝えたいことも伝わりやすくなったのではと思います。
潘 一挙配信できるということも大きいと思いますが、それが世界同時配信だったりすると各国からSNSなどを通じてお声をいただくことも多くなりました。
それぞれの国でも、同じ役を吹替えて下さっている声優の方との交流や、ご一緒させていただくイベントなどの機会も増えましたね。
──『攻殻機動隊 SAC_2045』をはじめ、Netflixでは多くのオリジナルアニメシリーズを配信しています。お二人は『ULTRAMAN』でも共演されていましたが、今回『攻殻機動隊 SAC_2045』のお芝居をご覧になって、互いに何か印象が変わった点はありましたか?
津田 潘さんとは何度も共演させていただいていますが、今回もまた僕の知らない潘さんを見せていただいています。
作品やキャラクターに対する愛情溢れるアプローチが伝わります。素敵ですね。
潘 いやはや、恐縮すぎます。『ULTRAMAN』のアダドも、『攻殻機動隊 SAC_2045』のスタンダードも、アッパーな雰囲気がありつつも、ベクトルの異なる2人ですよね。
だけど、どちらも愛されキャラのように感じるのは、津田さんのズルいところですよね(笑)。とても魅力的です。
声優キャリアにおける「攻殻機動隊」への出演
──いつも時代の先を描いてきた「攻殻機動隊」シリーズですが、『攻殻機動隊 SAC_2045』で新メンバーも加わり新しい世界の扉を開いていると思います。ご自身も、様々なフィールドで意欲的にご活躍される津田さんに、挑戦し続ける理由と今後どのような挑戦を考えているのか、お聞きしたいです。津田 とにかく表現の世界が好きなんですよね。そして、新しい世界が見たい。だから結果的に「挑戦」になっていくのかもしれません。止まったらそこで何かが終わってしまう気がするんですよ(笑)。
今後は、演技の可能性をもっともっと貪欲に探っていきたいです。それと同時に、実写の映画が好きでこの世界に入ってきたので、実写の映画も撮っていきたいと思っています。
改めて、表現の新しい扉を開いてきた「攻殻機動隊」シリーズをすごいと思いますし、そこに参加できることを光栄に思っています。
──潘さんは声優としてのデビュー作が『HUNTER×HUNTER』でした。その後『ハピネスチャージプリキュア!』や『フルーツバスケット』、そして今回の『攻殻機動隊 SAC_2045』と、長年受け継がれる作品に出演されています。すでに一定のファンがいる、積み重ねられた歴史がある、そういった作品への出演は、キャリアにおいてどのような経験をもたらしているのでしょうか?
潘 挙げていただいた作品しかり、他のどの作品も自分のルーツになっている、大好きな作品たちばかりなんです。なので、とてもご縁を感じますし、なにより自分が触れてきた作品に還元できる、微力ながらですけど、作品への感謝の気持ちをお返しできるんじゃないかと考えています。
リメイク、続編、新作と、プレッシャーがないわけではないんですが、自分が大切な作品や役が誰かにとっても大切なものになりえるわけで、それはとても素敵なことだなと思うんです。
比べられることも、もちろんありますが、それは作品を遡ってもらえる良い機会と捉えています。そうポジティブに考えられるようになったのは、とても大きいと思いますね。
あとは、アニメなどに詳しくない友人や知人などと話すときに、わかってもらえることは単純に嬉しいです。
──最後に、お二人から見た本作の見どころについて教えてください。
津田 「攻殻機動隊」がさらに新しく進化してます。静謐で激しく、ハイテクノロジーだけどアナログ、様々な要素が渾然一体となったアクションエンターテインメントをぜひ観てください。
僕自身、とても楽しみにしています。『攻殻機動隊SAC_2045』、そして新キャラクター「スタンダード」をどうぞよろしくお願いいたします。
潘 本作に携わらせていただけること、改めて光栄に思います。長く愛され続けている「攻殻機動隊」シリーズ。私自身も、その世界に魅せられた1人です。
いまだかつて、時代は、士郎正宗先生の描いた世界に追いついていませんが、それでも現代に至るまで、テクノロジーは遥かに進化してきました。今回、舞台となる2045年はそんなに遠くない未来の話です。
時代の先を行く『攻殻機動隊 SAC_2045』の物語は、一体、どこに向かっていくのか。今のアニメーション技術で描かれる最高のエンターテインメントをぜひ、体感していただきたいです。
その中で、プリンも愛していただけますように……願っています。
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊 2045 製作委員会
『攻殻機動隊 SAC2045』をより楽しむなら
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作品情報
攻殻機動隊 SAC_2045
- 原作
- 士郎正宗「攻殻機動隊」(講談社 KC デラックス刊)
- 監督
- 神山健治 × 荒牧伸志
- シリーズ構成
- 神山健治
- キャラクターデザイン
- イリヤ・クブシノブ
- 音楽
- 戸田信子 × 陣内一真
- アニメーション制作
- Production I.G × SOLA DIGITAL ARTS
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