「バーチャルマーケット3」レポ 仮想空間は“もう一つの現実“である

独特の方向性で進化を遂げるクリエイターたち

販売されているのは3Dアバターが中心と説明したが、それ以外にも興味深いものが数多く展示されていた。

例えばアクセサリーやボードゲーム、他にはなんと一軒家まで。購入したアバターをアクセサリーで飾ったり、友人と団らんする場所として家を購入しオブジェクトを配置したりといった需要を感じさせる。

VIRTUAL LIFE PLUSのブースでは家が売られていた。ローンを気にせず購入できるお手頃価格

ブース自体のこだわりもユニークだ。遠目から見るとロゴが表示されているだけが、近づくとアニメーションとともにブースが組み上がっていくブース。外から見るとプラネタリウムが置いてあるだけだが、中に入ると満天の星空が広がるブース。もちろんこれらはゲームでは当たり前のギミックだが、有志の制作のものをVRで経験すると新鮮な驚きがあた。

路地裏学園のブースは一見するとただロゴが浮かんでいるだけだが……

近づくとギミックが起動、怪しげな路地裏が出現する

外からは地味にも見えるうさみみ雑貨店のブース

中に入るとそこには満天の星空が

感情をアピールするエモートの販売も。たしかに、ヘッドマウントディスプレイを付けコントローラーを握って体験する仮想空間では、咄嗟に綺麗な動きで感情を表現するのが難しい。オリジナルのモーションや目立つエモートは手軽に人と差別化する手段として求められるようになるのかもしれない

モーションやモーション自体を作成するツールが販売されていたUltra Animation

純喫閣下こんこんtownでは面白いモーションが販売されていた

販売されていた3Dモデルの種類もとにかく多かった。美少女やロボットはアバターの定番といった感じで多くの種類が販売されていた。一方ケモノや怪獣、木彫りの熊や枯山水といった渋いところまで、自分の作りたいものを作るというクリエイターの多様性も確かに息づいていた。

可愛らしさと恐ろしげな雰囲気が共存するMS宇宙貿易社のブース

しましまPさんのブース、仮想空間に木彫りの熊。我が家にも、ある

vrshurikennのブースには枯山水が。禅だ

硬強甲殻器工のブース。紅ズワイガニは1杯300円!

第六製鉄部のブースはスチームパンク。各所から吹き出す蒸気が雰囲気をもり立てる

えもこさんのブースには光り輝く龍のオブジェが

バラエティに富んでいたのは一般ブースだけではない、企業ブースもだ。電撃文庫のブースではソードアート・オンラインの一場面を再現したジオラマが設置されていたりと、ファンにはたまらない展示が。この他、合計30社が協賛企業としてVケットに出展していた。 実際の店舗と連動した企画を展開していた企業も見逃せない。仮想空間に出展する一方、実店舗でアバターをまとった店員がディスプレイ上で接客しアバターとTシャツをセットで販売するという取り組みだ。自分の世界観を表現したブースに音源を置いているミュージシャンも。仮想空間と連動してプラスアルファの価値を提供する製品も今後は増えていきそうだ。

バーチャルマーケット4に向けても進行中

様々な可能性の広がりを感じさせつつ、延べ70万人が参加したバーチャルマーケット3は9月28日に幕を閉じた。既に次回となる「バーチャルマーケット4」の開催が2020年春と発表されている。
バーチャルマーケット3閉会式 Virtual Market3 The Closing Ceremony
VRゲームや今年から盛り上がりを見せたVRライブ、そしてVRマーケット。現実の制約から解き放たれて、クリエイターたちの想像力は新しい発展を遂げている。自分らしさを表現するアバターをまとって仮想空間のイベントに参加し仲間たちと交流する。そんな光景が当たり前になる未来が、少しづつだが着実に訪れようとしている。

バーチャルマーケット3に使用されたワールドは改めて一般公開されるとのこと。期間中に参加できなかった、回り切れなかった方も、テーマパーク気分で楽しめそうだ。

また、VRChat上ではバーチャルマーケット以外にも様々な試み、催しが日々おこなわれている。ヘッドマウントディスプレイの購入はまだ気が引けるという方も、試しにパソコンで参加しユーザーたちと交流してみるのが良いだろう。きっとそこに溢れる熱意を感じ取れるはずだ。

バーチャルエンターテインメントのいま

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