違法音楽配信アプリに対し、ついにアクションを起こす
無許諾音楽アプリと認識されるものについては、アプリストアに公開された際に、日本レコード協会を通じてApple社に対して削除申請を行うという対策を数年にわたり実施しているものの、削除が実施されない、または形を変えて再度登録されるなどの状況が続いている。これに対し「アプリストア側の対応が十分とは言えない状況」とし、早急に以下の対応・対策の強化を要望をApple社に対して提示している。
1.アプリが登録・公開される前の審査段階において、無許諾音楽アプリと思われるアプリに関して、事前に日本レコード協会と連携するなどの事前審査の強化
2.権利者から削除申請がなされた場合、Apple Inc.のアプリ規約に違反するアプリに対する迅速な削除対応の強化
利用者が後を絶たない「Music FM」
この音楽団体・配信事業者の連名によるAppleへの要望書提出は、「Music FM」などの社会問題化している違法音楽配信アプリに対して講じた処置だ。「Music FM」は、AppleMusicやSpotifyと同様、さまざまな音楽のストリーミング再生やダウンロードが可能なスマートフォンアプリ。
サブスク乱立による懸念も
海外の音楽市場においては、海賊版を駆逐する思想のもとに生まれたSpotifyなどのサブスク型サービスの出現によって、マーケット自体は大きく回復していることはすでに多く語られている。一方で、サブスクサービスの乱立による懸念も存在する。インターネットに関する調査を行う「Global Internet Phenomena report」によると、2015年まで落ち込んでたファイル共有ソフト「BitTorrent」のトラフィックが増加傾向にあるとしている。
一番の要因はプラットフォームとそれぞれの独占コンテンツが増えたこと。他サービスとのコンテンツの差別化のために独占コンテンツが増えると、消費者は必然的に複数サービスへの加入が求められるので負担は増える。その結果、「Torrent」利用へユーザーが戻っている可能性があると示唆している(外部リンク)。
コンテンツのフォーマットや産業モデルは現在進行形で議論されているが、国内の音楽産業にとっては、間違いなく違法音楽配信アプリの問題に関しては前進したといえるだろう。これからの動向も注視したい。
※記事初出時、一部表記に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
0件のコメント