既視感を誘うディストピア シモン・ストーレンハーグ作品が翻訳出版

既視感を誘うディストピア シモン・ストーレンハーグ作品が翻訳出版
既視感を誘うディストピア シモン・ストーレンハーグ作品が翻訳出版

『エレクトリック・ステイト』/Amazon商品ページ

POPなポイントを3行で

  • シモン・ストーレンハーグのイラスト集が翻訳出版
  • ハリウッド映画化も決定したスウェーデン人作家
  • 小島秀夫らも反応するディストピアSFを描く
スウェーデン人アーティストのシモン・ストーレンハーグSimon Stålenhag)さんのイラスト作品集『エレクトリック・ステイト』(THE ELECTRIC STATE)が4月にグラフィック社から翻訳出版された。

ストックホルム出身のデジタルアーティストとして、未来都市や廃墟など、既視感を誘うディストピアを描いたSF的な作風が日本でもたびたび注目されてきたストーレンハーグさん。

すでにハリウッドでの映画化も決定しており、独特な世界観に注目が集まる中での待望の翻訳版。翻訳はSF作品や前衛文学などの翻訳を手がけてきた山形浩生さんが担当している。

スウェーデン人アーティスト シモン・ストーレンハーグ

シモン・ストーレンハーグさんは1984年生まれ。田園や公道など日常的な風景に巨大な構造物や重機がたたずむ、どこか荒廃的な作品で知られるスウェーデン人アーティスト。

第1作『Tales from The Loop』(外部リンク)は、スウェーデンのブックフェアで話題を呼び、英語版の出版をクラウドファンディングサービス・Kickstarterで募ったところ、40万ドル(現在のレートでおよそ4400万円)の資金が集まった。 『エレクトリック・ステイト』は『Things from the Flood』(外部リンク)に続く3作目の作品集。ストーレンハーグさんによる超現実的イラストレーションとテキストで織りなす、奇妙な既視感を誘うディストピアを、少女とロボットが旅するロードムービーストーリーとして展開。

物語の舞台は、無人機ドローンによる戦争で荒廃し、ニューロキャスターで接続された人々の脳間意識によって未知なる段階に到達した世界が広がる1997年のアメリカ。

10代の少女・ミシェルと、おもちゃの黄色いロボット・スキップが、サンフランシスコ記念市の北、ポイント・リンデンのある家を目指して、西へとドライブに出発する。

ハリウッド映画化も決定した『エレクトリック・ステイト』

ストーレンハーグさんの『エレクトリック・ステイト』が世界的に注目を集めている背景には、作風に加えて、ハリウッドでの映画化が決定しているという事実がある。

2017年に映画化権を獲得したのは、「アベンジャーズ」シリーズで知られるルッソ兄弟の制作会社・Russo Brothers Studio(外部リンク)。ストーレンハーグさん自身も、製作総指揮として参加する。 翻訳版の出版には、「メタルギアソリッド」シリーズの開発者として知られるゲームデザイナー・小島秀夫さんや、アニメ『メカウデ』を手がけた若手アニメーション監督・オカモトさんらが反応。

SFによく見られるはるか遠い未来ではなく、どこかノスタルジーを感じさせつつも、異物のような機械の存在が不気味さすら醸し出すその世界を、ぜひ体験してみてほしい。 なお、Amazonでは現在、通常価格2800円(税別)の商品は品切れ(記事執筆時点)。ECではhonto(外部リンク)、紀伊国屋書店(外部リンク)、楽天ブックス(外部リンク)で入手できる。

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