連載 | #9 KAI-YOU ANIME REVIEW

ニューヨークタイムズも激賞『宇宙よりも遠い場所』でアニメにハマった大学生の話

ニューヨークタイムズも激賞『宇宙よりも遠い場所』でアニメにハマった大学生の話
ニューヨークタイムズも激賞『宇宙よりも遠い場所』でアニメにハマった大学生の話

『宇宙よりも遠い場所』

POPなポイントを3行で

  • 『宇宙よりも遠い場所』がNYTのベストTVに選出
  • 海外でも大人気のその魅力とは?
  • 『よりもい』でアニメにハマった大学生が解説
はじめましてKAI-YOUインターンの森田です。1月に放送されたオリジナルTVアニメ『宇宙よりも遠い場所』(通称:よりもい)が、ニューヨーク・タイムズが発表した「ベストTV 2018 インターナショナル部門」(The Best International Shows)に選出されました。

日本のアニメが「The Best International Shows」に選出されるのは2016年の『僕のヒーローアカデミア』以来2回目の快挙。 世界的権威のある新聞ニューヨーク・タイムズに日本のアニメが選出されるってすごいことですよね。一アニメファンとしてとてもうれしく思います。

……と、アニメファンを自称している僕ですが、実は『よりもい』を見るまでほとんどアニメを見てきませんでした

そんな僕にアニメの素晴らしさを教えてくれた『よりもい』の魅力を、改めて皆さんと共有したいと思います。

南極を目指す女子高生の青春グラフィティ

『宇宙よりも遠い場所』はマッドハウスによるオリジナルアニメ作品。監督はいしづかあつこさん、シリーズ構成/脚本は花田十輝さんが手がけています。
オリジナルTVアニメーション『宇宙よりも遠い場所』PV
群馬県の高校に通う玉木マリが、南極を目指す少女・小淵沢報瀬(こぶちざわしらせ)との出会いをきっかけに、のちに出会う三宅日向、白石結月とともに南極を目指す姿をみずみずしく描いた作品です。

そこは、宇宙よりも遠い場所──。

何かを始めたいと思いながら、
中々一歩を踏み出すことのできないまま
高校2年生になってしまった少女・玉木マリたまき・まりことキマリは、
とあることをきっかけに
南極を目指す少女・小淵沢報瀬こぶちざわ・しらせと出会う。
高校生が南極になんて行けるわけがないと言われても、
絶対にあきらめようとしない報瀬の姿に心を動かされたキマリは、
報瀬と共に南極を目指すことを誓うのだが……。 STORY|TVアニメ「宇宙よりも遠い場所」公式サイトより

KAI-YOUでは過去にカルチャーWebマガジン・DON’CRYと共同で『よりもい』を語るオフ会イベントを開催し大盛況だったそうです(関連記事)。参加したかった…。

『よりもい』が忘れていた青春を思い出させてくれる

画像はすべて『宇宙よりも遠い場所』公式サイトより

これは完全な偏見かつ、個人的な話で非常に申し訳ないのですが、だれにでも若く純粋で、活力に満ちていた「青春」と呼ばれる時代があったと思います。

僕の場合は部活動でバスケに熱中していた高校時代が思い浮かぶのですが、いま振り返ってみると毎日が「青春」でした。

「青春」だった高校を卒業して、なんとなく大学に進学してみたはいいものの、毎日うだつの上がらない大学生活を過ごしていました。

そんなときに、ふとしたきっかけで視聴したのが『よりもい』でした。 魅力的な個性やバックグラウンドを持つ4人の主人公たちが、迷い戸惑いながら仲間とともに乗り越えるべき過去や困難に立ち向かう姿は、まさに「青春」そのものです。

女子高生が南極に行こうとするってすごいことですよね。お金もかかるしいろいろなしがらみがつきまとって、どうしても非現実的に思えてしまいます。

しかし、多くの逆境にも挫けず、絶対にあきらめない彼女たちの強い思いが実を結んでいく過程は、僕自身の高校時代と少なからず重なって、忘れかけていた「青春」の素晴らしさを思い出させてくれました。

それでいて、「なんやかんやで全員の人間関係が丸く収まる」ことなく、曖昧で適当な手打ちにしないリアリティの高さも「青春」の持つ別の側面を的確に描いていたと思います。

OPもEDも挿入歌も、すべてが名曲

『よりもい』はOPにED、さらには挿入歌に至るまで、そのすべてが最高です!

sayaさんが歌うOP主題歌「The Girls Are Alright!」は作詞/作曲をクラムボンのミトさんが手がけています。

そしてメインキャストをつとめ、それぞれソロアーティストとしても活躍している水瀬いのりさん、花澤香菜さん、井口裕香さん、早見沙織さんの4人が歌うED主題歌「ここから、ここから」。作詞/作曲をヒゲドライバーさんです。

当初、声優は特に気にせず視聴していましたが、『よりもい』をきっかけにいろいろなアニメを観るようになってから、声優陣の豪華さを実感して驚愕しました。

余談ですが、編集部の恩田さんが「いま思えば全員が主人公なのだから(声優)全員が主役級でもなんら不思議はないね」と言っていましたが、本当にその通りだと思います。 『よりもい』が「全話神回」といわれているのは、楽曲によるところも大きいのではないかと思います。

毎話絶妙なタイミングで流れて神回と呼ぶにふさわしい演出をするのですが、それが1ミリもくどくありません。最終話は名曲メドレー状態でずっと鳥肌が立っていました!

国も文化も違う人にも評価される『よりもい』すごすぎる

正直、僕の文章力ではまだまだ『よりもい』の魅力は語りきれません。まだ観ていないという方が、少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひKAI-YOU編集部によるレビュー記事も読んでみてください。

最後に、最終話のサブタイトル「きっとまた旅に出る」は、彼女たちの「青春」がまだ続いていることを感じさせ、いつかまた彼女たちの姿を見ることができるのではないかと期待してしまいます。

Amazon Prime Videoで配信されているので、未視聴の方はぜひ一度だけでも観てみてください。僕ももう一度、第1話「青春しゃくまんえん」からはじめてみようと思います。

みんな『よりもい』が大好き!

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クールごとに数多くの作品が放送・配信されるTVアニメや近年本数を増しつつある劇場版アニメ。 すべては見られないけれど、何を見ようか迷っている人の指針になるよう、編集部が期待を込めて注目作を紹介するコーナーが「KAI-YOU ANIME REVIEW」です。 監督や脚本家らクリエイターが込めた意図やメッセージの考察、声優の演技論、作品を取り巻く環境・背景など、様々な切り口からレビューを公開しています。

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