アメリカの権威ある文学賞の一つ「全米図書賞」(National Book Foundation)の翻訳文学部門において、小説家・多和田葉子さんの作品をマーガレット・ミツタニさんが翻訳した『献灯使』(英題「The Emissary」)が受賞した。
同部門は全米図書協会が2018年に新設したもので、世界中の作品から10作品がノミネートされていた。
翻訳部門は1983年まで存在したが、対象はフィクションのみ。新たな翻訳文学部門では、ノンフィクション作品も対象となっていた。
『献灯使』は、大震災を経て、核で汚染された近未来の日本を舞台にした近未来SF風の長編小説。深刻な環境汚染の中、外来語も自動車もインターネットもなくなった鎖国状態の日本から、ある少年が海外に旅立っていく。
なお、日本語で執筆された作品が「全米図書賞」を受賞したのは、1982年の翻訳部門における、樋口一葉さんの『たけくらべ』(英題「The Ten Thousand Leaves」)と『万葉集』(英題「The Ten Thousand Leaves」、翻訳はリービ英雄)以来、36年ぶりの快挙となった。
同部門は全米図書協会が2018年に新設したもので、世界中の作品から10作品がノミネートされていた。
翻訳部門は1983年まで存在したが、対象はフィクションのみ。新たな翻訳文学部門では、ノンフィクション作品も対象となっていた。
The Emissary by Yoko Tawada and translated from the Japanese by Margaret Mitsutani has won the inaugural National Book Award for Translated Literature! #NBAwards
— National Book Foundation (@nationalbook) 2018年11月15日
芥川賞作家の多和田葉子
多和田葉子さんは、1993年に『犬婿入り』で日本の文学賞である「芥川龍之介賞」を受賞した。 日本語とドイツ語で小説を執筆し続け、2006年にはドイツに移住。その功績が評価され、2006年にはドイツで最も権威ある文学賞の一つ「クライスト賞」を日本人として初めて受賞している。『献灯使』は、大震災を経て、核で汚染された近未来の日本を舞台にした近未来SF風の長編小説。深刻な環境汚染の中、外来語も自動車もインターネットもなくなった鎖国状態の日本から、ある少年が海外に旅立っていく。
なお、日本語で執筆された作品が「全米図書賞」を受賞したのは、1982年の翻訳部門における、樋口一葉さんの『たけくらべ』(英題「The Ten Thousand Leaves」)と『万葉集』(英題「The Ten Thousand Leaves」、翻訳はリービ英雄)以来、36年ぶりの快挙となった。
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