「#渋谷ハロウィン」のハッシュタグとともに、コスプレ・仮装に身を包んだ人の姿や地面が見えないほどの人だかりがSNSに次々と投稿される。
ハロウィン当日の10月31日、渋谷には平日にも関わらず週末に勝るとも劣らない多くの人が集まりました。27日と28日の土日には、軽トラックが横転させられるなど、一部の参加者が暴徒化。負傷者や逮捕者を出していました。
迎えた当日、報道および警察の発表によると、11月1日の朝までに強制わいせつや痴漢、窃盗、暴行などの容疑で新たに9人が逮捕され、渋谷のハロウィンにおける逮捕者は合計で13人にのぼります(外部リンク)。 同日昼に報道陣の取材に応じた長谷部健区長は、「ハロウィンがイベントではなく騒動になっている」と述べ、有料化や代々木公園の使用などの可能性も含めて、対策を検討していくと発表しています(外部リンク)。
2018年のハロウィンを彩ったギャルたちを見る KAI-YOU.netでは今年も31日に現地を取材。センター街近くのビルでの火事で一時騒然としながらも、時間の経過とともにハロウィンの喧騒が上回っていきました。当日、参加者に聞いた話を通じて2018年のハロウィンを振り返りたいと思います。
写真:和田拓也
都外から遊びに来る人が多い、という世間の印象論は毎年の取材の通りですが、あながち間違っていないといえます。
そもそも当日に参加した人たちは、軽トラが横転した週末のハロウィンをどう見ていたのか。神奈川から来たという20代の女性は「気持ち悪い」と一言。ほかの参加者も「怖い」「バカ」「程度ってものがある」など否定的な意見が多かったです。 一方で、富山から来た女性2人組は、冗談交じりに「楽しそうだなって」とポジティブな回答。ハロウィンのために渋谷を訪れたという2人は週末の報道を見て「面白そう。私たちもトラック倒した〜いと思って(笑)。そういう感じで!」参加したそう。
参加者の年齢層としては20代が中心。一番若かったのは埼玉から来た高校1年生のグループです。友人と4人で来たという彼女たちの中には、週末の騒動自体知らないという人も。 参加した理由はやはり「楽しそう」。実際、報道されたような問題のある行動をした人はごく一部。話を聞いた人たちも総じて写真を撮る・撮られるを楽しんでいる様子でした。
衣装にどの程度のお金をかけているのか聞いたところ、「100円均一」で揃えたという人から「7000円」で新たに購入したという人までさまざま。
2000円から3000円が平均ですが、それらはすべて女性であり、特殊メイクや大掛かりな衣装など、「お金がかかっていそう」と思ったのはいずれも男性。女性はみな当日着た衣装は「捨てる」と答えていたのも印象的でした。 同時期に池袋で開催された「池袋ハロウィンコスプレフェス2018」では、イベントの来場数10万5000人のうち、コスプレとして参加したのは前年から6000人増加の約2万人。
コスプレの裾野の広がりと渋谷のハロウィンとを結び付けられないかと考えていましたが、どうやらそれは難しそうです。いわゆるコスプレが披露される「コミケなどには行かないけど、コスプレはちょっとしてみたいという人がいるのでは?」という仮説は、話を聞いた限り成立しませんでした。 渋谷のハロウィンは、「あの雰囲気・空気限定で楽しめる(悪く言えば許される)」と参加者が感じているからこそ、他県や地方からも人が押し寄せるんだと思います。
逮捕者まで出てしまったハロウィンを経て、次はクリスマスに年末のカウントダウンと、大きなイベントが控えています。
もはや渋谷では警察の登場すらエンタメとして消費されつつあります(DJポリスという呼び名もいまとなっては……)。果たして次はどのようなカオスが巻き起こってしまうのか……。
2018年のハロウィンを彩ったギャルたちをもっと見る
ハロウィン当日の10月31日、渋谷には平日にも関わらず週末に勝るとも劣らない多くの人が集まりました。27日と28日の土日には、軽トラックが横転させられるなど、一部の参加者が暴徒化。負傷者や逮捕者を出していました。
迎えた当日、報道および警察の発表によると、11月1日の朝までに強制わいせつや痴漢、窃盗、暴行などの容疑で新たに9人が逮捕され、渋谷のハロウィンにおける逮捕者は合計で13人にのぼります(外部リンク)。 同日昼に報道陣の取材に応じた長谷部健区長は、「ハロウィンがイベントではなく騒動になっている」と述べ、有料化や代々木公園の使用などの可能性も含めて、対策を検討していくと発表しています(外部リンク)。
2018年のハロウィンを彩ったギャルたちを見る KAI-YOU.netでは今年も31日に現地を取材。センター街近くのビルでの火事で一時騒然としながらも、時間の経過とともにハロウィンの喧騒が上回っていきました。当日、参加者に聞いた話を通じて2018年のハロウィンを振り返りたいと思います。
写真:和田拓也
「軽トラ横転」も興味を抱く材料に
渋谷を訪れた人たちはどこから来たのか。話を聞いた中では、池袋や新宿といった近場もありつつ、埼玉、神奈川、千葉からの参加者が多く、一番遠い地域としては富山でした。都外から遊びに来る人が多い、という世間の印象論は毎年の取材の通りですが、あながち間違っていないといえます。
そもそも当日に参加した人たちは、軽トラが横転した週末のハロウィンをどう見ていたのか。神奈川から来たという20代の女性は「気持ち悪い」と一言。ほかの参加者も「怖い」「バカ」「程度ってものがある」など否定的な意見が多かったです。 一方で、富山から来た女性2人組は、冗談交じりに「楽しそうだなって」とポジティブな回答。ハロウィンのために渋谷を訪れたという2人は週末の報道を見て「面白そう。私たちもトラック倒した〜いと思って(笑)。そういう感じで!」参加したそう。
初参加の理由は総じて「楽しそう」
話を聞いた中で、およそ半数が渋谷のハロウィンを経験済み。初めて来たという人は、必ず経験者とともに参加していたのが特徴的でした。参加者の年齢層としては20代が中心。一番若かったのは埼玉から来た高校1年生のグループです。友人と4人で来たという彼女たちの中には、週末の騒動自体知らないという人も。 参加した理由はやはり「楽しそう」。実際、報道されたような問題のある行動をした人はごく一部。話を聞いた人たちも総じて写真を撮る・撮られるを楽しんでいる様子でした。
コスプレの裾野が広がった? とも思ったけど
2017年を経験した参加者からすると「例年通り」「まぁこんなもん」とのことですが、体感としては人の数はもちろん、コスプレした人も増えている印象です。衣装にどの程度のお金をかけているのか聞いたところ、「100円均一」で揃えたという人から「7000円」で新たに購入したという人までさまざま。
2000円から3000円が平均ですが、それらはすべて女性であり、特殊メイクや大掛かりな衣装など、「お金がかかっていそう」と思ったのはいずれも男性。女性はみな当日着た衣装は「捨てる」と答えていたのも印象的でした。 同時期に池袋で開催された「池袋ハロウィンコスプレフェス2018」では、イベントの来場数10万5000人のうち、コスプレとして参加したのは前年から6000人増加の約2万人。
コスプレの裾野の広がりと渋谷のハロウィンとを結び付けられないかと考えていましたが、どうやらそれは難しそうです。いわゆるコスプレが披露される「コミケなどには行かないけど、コスプレはちょっとしてみたいという人がいるのでは?」という仮説は、話を聞いた限り成立しませんでした。 渋谷のハロウィンは、「あの雰囲気・空気限定で楽しめる(悪く言えば許される)」と参加者が感じているからこそ、他県や地方からも人が押し寄せるんだと思います。
逮捕者まで出てしまったハロウィンを経て、次はクリスマスに年末のカウントダウンと、大きなイベントが控えています。
もはや渋谷では警察の登場すらエンタメとして消費されつつあります(DJポリスという呼び名もいまとなっては……)。果たして次はどのようなカオスが巻き起こってしまうのか……。
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KAI-YOUが追うハロウィンとクリスマスと年末
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日本が世界に誇るべき最高のポップシティ、渋谷。 あらゆるカルチャーと人種が集まるこの街で、毎日のように繰り広げられるパーティー、愛のはじまり、夢の終わり、高揚感と喧噪、その捉えがたきポップの断片をかき集める人気連続企画。 2010年代は渋谷から発信されていく、と思う。
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