スタジオジブリの高畑勲監督が逝去した。
ジブリによる公式発表では、2018年4月5日(木)午前1時19分、帝京大学医学部附属病院にて、肺がんで亡くなった。享年は82歳。
日本のメディアだけではなく、BBCはじめ海外メディアでも高畑勲監督の死は大きく報じられている。
フランスのミッシェル・オスロ監督作『キリクと魔女』では日本語版翻訳・演出をつとめたり、ロシアのユーリー・ノルシュテイン監督『話の話』では解説本を刊行、来日の際は公開対談を行ったりと、海外クリエイターとの交流を深めてきた。
スタジオジブリ初の国外スタジオとの合作となった2016年公開の『レッドタートル ある島の物語』にも、スタジオジブリからは高畑勲監督がアーティスティック・プロデューサーとしてクレジットされている。
日本が誇るアニメーションスタジオを牽引してきた高畑勲監督。では、果たして海外での高畑勲監督の評価はどのようなものだったのだろうか?
プロデューサーとしては『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』などにも携わっているが、ここでは監督作品にのみ絞った。
高畑勲監督によるジブリ作品は、『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』『かぐや姫の物語』の5本だ。
英語圏で最も知られている映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」の評価で見ていくと、『ホーホケキョ となりの山田くん』(英題:My Neighbors the Yamadas)が75%、『平成狸合戦ぽんぽこ』(英題:Pom Poko)が80%、『火垂るの墓』(英題:Grave of the Fireflies)が97%と続く。
そして、100%という驚きの評価を受けている作品が2つ。『おもひでぽろぽろ』(英題:Only Yesterday)と『かぐや姫の物語』(英題:The Tale of the Princess Kaguya)だ。
点数付けも一風変わった方式で、寄せられたレビューが肯定的か否定的かを分類し、全体のレビューのうち肯定的だった評価の割合をパーセントで集計していく。その割合によって“fresh”(新鮮)か“rotten”(腐敗)かに分かれている。
つまり、“TOMATOMETER”が100%の場合、その作品をレビューした批評家全員が肯定的だと評価したということになる。
宮崎駿監督作品について言えば、実は100%の評価を受けているものは存在しない。『千と千尋の神隠し』(Spirited Away)と『魔女の宅急便』(Kiki's Delivery Service)の2つが97%という評価を受けている。
もちろん、宮崎駿監督作品のいずれも80%以上を記録しており、その数値は驚異的だと言える。宮崎駿監督が世界的に高い評価を受けていることは間違いない。
ただ、現時点での「Rotten Tomatoes」の評価だけを見ると、日本のアニメ界の巨匠・宮崎駿と同等かそれ以上に、海外からも高く評価されたのが高畑勲その人だったということがわかる。
前述の通り2016年の『レッドタートル ある島の物語』にも関わっているが、自ら手がけたという意味では遺作となった『かぐや姫の物語』が海外の評論家から100%の評価を受けた。
晩年に残す作品として魂を込めた『かぐや姫の物語』には、『平成狸合戦ぽんぽこ』などがそうであったように、日常に向ける高畑勲監督の優しい眼差しが詰まっている。
※参照はすべて「Rotten Tomatoes」(外部リンク)より
ジブリによる公式発表では、2018年4月5日(木)午前1時19分、帝京大学医学部附属病院にて、肺がんで亡くなった。享年は82歳。
日本のメディアだけではなく、BBCはじめ海外メディアでも高畑勲監督の死は大きく報じられている。
'Grave of the Fireflies' director Isao Takahata dies at 82 https://t.co/fHoxF9e51m
— BBC News (World) (@BBCWorld) 2018年4月6日
高畑勲監督、海外からの評価は? 「Rotten Tomatoes」で見る
宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーと共にスタジオジブリを立ち上げるも、最後まで役員職に就くことはなく現場にい続けた。フランスのミッシェル・オスロ監督作『キリクと魔女』では日本語版翻訳・演出をつとめたり、ロシアのユーリー・ノルシュテイン監督『話の話』では解説本を刊行、来日の際は公開対談を行ったりと、海外クリエイターとの交流を深めてきた。
スタジオジブリ初の国外スタジオとの合作となった2016年公開の『レッドタートル ある島の物語』にも、スタジオジブリからは高畑勲監督がアーティスティック・プロデューサーとしてクレジットされている。
日本が誇るアニメーションスタジオを牽引してきた高畑勲監督。では、果たして海外での高畑勲監督の評価はどのようなものだったのだろうか?
プロデューサーとしては『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』などにも携わっているが、ここでは監督作品にのみ絞った。
高畑勲監督によるジブリ作品は、『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』『かぐや姫の物語』の5本だ。
英語圏で最も知られている映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」の評価で見ていくと、『ホーホケキョ となりの山田くん』(英題:My Neighbors the Yamadas)が75%、『平成狸合戦ぽんぽこ』(英題:Pom Poko)が80%、『火垂るの墓』(英題:Grave of the Fireflies)が97%と続く。
そして、100%という驚きの評価を受けている作品が2つ。『おもひでぽろぽろ』(英題:Only Yesterday)と『かぐや姫の物語』(英題:The Tale of the Princess Kaguya)だ。
「Rotten Tomatoes」では、宮崎駿以上に評価されている高畑勲監督
「Rotten Tomatoes」には評価軸が2つあり、承認制で登録された批評家たちによる“TOMATOMETER”という評価と、一般利用者による“AUDIENCE SCORE”という評価だ。点数付けも一風変わった方式で、寄せられたレビューが肯定的か否定的かを分類し、全体のレビューのうち肯定的だった評価の割合をパーセントで集計していく。その割合によって“fresh”(新鮮)か“rotten”(腐敗)かに分かれている。
つまり、“TOMATOMETER”が100%の場合、その作品をレビューした批評家全員が肯定的だと評価したということになる。
宮崎駿監督作品について言えば、実は100%の評価を受けているものは存在しない。『千と千尋の神隠し』(Spirited Away)と『魔女の宅急便』(Kiki's Delivery Service)の2つが97%という評価を受けている。
もちろん、宮崎駿監督作品のいずれも80%以上を記録しており、その数値は驚異的だと言える。宮崎駿監督が世界的に高い評価を受けていることは間違いない。
ただ、現時点での「Rotten Tomatoes」の評価だけを見ると、日本のアニメ界の巨匠・宮崎駿と同等かそれ以上に、海外からも高く評価されたのが高畑勲その人だったということがわかる。
8年かけた『かぐや姫の物語』、高畑勲の目線
特に、高畑勲監督作品としては『ホーホケキョ となりの山田くん』以来14年ぶりとなった『かぐや姫の物語』。構想から50年以上、製作に8年もの歳月をかけて公開されたのは2013年。監督が78歳のことだった。前述の通り2016年の『レッドタートル ある島の物語』にも関わっているが、自ら手がけたという意味では遺作となった『かぐや姫の物語』が海外の評論家から100%の評価を受けた。
晩年に残す作品として魂を込めた『かぐや姫の物語』には、『平成狸合戦ぽんぽこ』などがそうであったように、日常に向ける高畑勲監督の優しい眼差しが詰まっている。
※参照はすべて「Rotten Tomatoes」(外部リンク)より
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