バーチャルな存在は終わらない
──触れあえるアイドルでもなく、アニメのキャラクターのように別の世界の物語を生きる存在でもなく。輝夜月ちゃんのようなバーチャルな存在の強みや魅力とはなんでしょうか?AOちゃん 究極の2.5次元ですよね。これまでのキャラクターたちは1コンテンツとしては楽しめても親近感は得られなくて、憧れに終わってたんです。
それこそ芸能人って会えなくてもどこかにいるじゃないですか。でもアニメが終われば物語が止まる二次元でそれはありえなかった。だけど、バーチャルYouTuberは手を伸ばせば届くんですよ。なってる人だっているし、確実に存在している。
──物語がないからこそ、キャラクターとしての存在が終わらない。
AOちゃん 自分はガチのアニオタなんで、「なんで追っかけできねぇんだよ」って思いがずっとあって──ドラマとか映画って脚本に対して俳優さんがキャスティングされてるから、ジョニー・デップでもレオナルド・ディカプリオでも追っかけができるじゃないですか。
キズナアイちゃん見た時の感動は「ついに二次元の追っかけができる!」だったんです。
好きなアニメのキャラクターがいても1クールで終わった瞬間、もう会えないし声も聴けない。なにを生きがいにすればいいんだって思いはオタクだったらわかると思うんですよ。
──運営的な問題をおいておけば1クールで終了するアニメとは違って、バーチャルYouTuberは期間が設けられてないですからね。
AOちゃん だからずっと存在できるんです。あと……輝夜月はバーチャルYouTuberとは一度も名乗っていなくて。タレントみたいな存在になりたいんです。
──いわばバーチャルタレントですか。
AOちゃん アニメに親分や月をキャスティングしてもらえたりするかもしれない。ドラマや映画と同じつくり方が二次元でもできるし、しかも放送が終わってもYouTubeチャンネルがあるから追っかけられる。オタクばんざーい!って(笑)。
──なるほど……今の勢いだと近い将来に実現できそうな気もします。月ちゃんはバーチャルだからこそ、という特徴はどこに感じますか?
輝夜月 老いが来ない(ドヤ)!
──不老不死的な、終わらない存在ってことですね!
目標はバーチャルYouTuberの世界征服?
──それでは最後に、バーチャルYouTuberたちの存在はどんな影響を与えていくんでしょうか? それこそAOちゃんは世界征服を目的として掲げられていますが……。AOちゃん 自分もそうなんですけど、自信がない人っていっぱいいると思うんですよ。しぇかいしぇいふく #peing #質問箱 https://t.co/J3VNu8jfEZ pic.twitter.com/yX7YL9XieP
— AO (@AHOAOAHO) 2018年1月11日
でも承認欲求は絶対あって、どんな引っ込み思案の人でも誰かに認められたいんです。それは親なのか先生なのか上司なのかはわからないですけど。
それをもっと表に出てきて良いよって言ってくれるツールがアバター。そのアバターが今で言うとバーチャルYouTuber。だから世界的に増えると思います。
今は参入障壁が高いからなりたくてもなれないって人が多いと思うんですけど、そこは技術の進歩で確実になれる世の中になっていく。そうしたらたくさんのアバターが出てきます。アバターを着ることによって今まで埋もれてた才能がどんどん表に出てきて、新しい人気者が出てきて新しい文化が生まれると思います。
──一般の人がアバターとしてふるまうことがバーチャルYouTuberの世界征服?
AOちゃん もちろんこれは「AO」としての目標であって……まだマーケットがちゃんとしてない段階なのでみんなで協力するべき時だと思っています。一時のブームとしてバーチャルYouTuberが途絶えるのはすごいもったいないことじゃないですか。
それぞれのチャンネルの人たちが人気者になりたいとか、お金もうけをしたいとか、こういうのつくりたいとか。色々思惑はあると思うんですけど、それは一旦置いておいて今は皆でマーケットとして成熟させて、そこから各々したいことに向かっていけばいいなって。
月ちゃんは月ちゃんでみんなと友達になって楽しいことをシェアしていきたい。でも月ちゃんが刺さらない層にも、ほかのバーチャルYouTuberたちで存在をシェアしていって。
そうすればきっと、そういう世の中に繋がっていくので、それが課題でもあり展望でもあります。次のフェーズにみんなで行こうぜっていう。
──人類補完計画みたいな壮大さですね……!
AOちゃん でも共感してくれる人もいると思うんですよね。
実をいうとインタビューも受けるか悩んだんです。裏方の人間が表に出てくると冷めちゃう視聴者の人は絶対いるし、そんなの見たくないって人もいるだろうし。
でも(見てくれている方たちがいると)勝手な責任を感じてしまって。リスクを侵してでも、今動画をつくっている自分たちじゃないとこの声って届けられないなと。
だからバーチャルなことに興味があるんなら勉強するでもいいし、違う形でもいいからバーチャルYouTuberを広めてほしい。この存在を確立していきたいです。
もしこのインタビューで輝夜月のファンが減ってしまっても、未来への市場ができるのであれば全然いいかなって思ったんです。
──僕もとても可能性を感じているので、少しでも早く当たり前になるといいですね。今日は本当にありがとうございました!
AOちゃん 聞いてた?
輝夜月 ……? ありがとうございマッ!
輝夜月ちゃん、動画インタビュー!
そして、今回は動画でも輝夜月ちゃんにインタビューを行いました!終始テンションの高い月ちゃんのテンションに負けないよう取材に臨んだ我々でしたが……、その結果は動画でご覧ください。
この記事どう思う?
関連リンク
連載
2017年末から爆発的な人気と勢いで熱い視線を受けるバーチャルYouTuber。 VR技術を駆使した新たな文化の潮流は、コンテンツを制作するクリエイターと享受する視聴者に革命をもたらしている。 はたしてこれは一過性のブームなのか? ブームの源泉から最前線で活躍するVTuberにスポットを当て、どこよりも早く、深く紐解いてく。
9件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:1839)
今更だとは思うんですけど、インタビューありがとうございました!
匿名ハッコウくん(ID:1667)
やっぱり月ちゃんは月ちゃんなんやなって(笑)
匿名ハッコウくん(ID:1663)
おっ、ルナインタビュー受けてんじゃーん