絶食で話題のダイオウグソクムシ、突然の死亡
ダイオウグソクムシは、深海に生息する海生甲殻類。基本的にその生態は謎に包まれている。鳥羽水族館によると、5年の絶食を続けながらも、6年にもわたってダイオウグソクムシを飼育した例は他になく、国内の最長飼育記録とのことだ。「NO.1」と名付けられていたこのダイオウグソクムシの突然の死亡については、テレビやネットなど多くのメディアが報道し、それを知ったファンは追悼の意を表明していた。
死因は不明、胃内部の真菌については特定作業を進める方針
18日、鳥羽水族館の飼育日記にて、その詳細な解剖記録が綴られている。入館して以来アジ1匹しか口にせず、1869日の絶食期間を経ているにも関わらず、入館時と比べて死亡時の体重が20g増えている点など、やはりいまだにダイオウグソクムシについては解明できていない部分が多い。
死亡当日のお知らせにも記述されていたが、飼育日記によると、直接の死因は現時点では不明とのこと。
また、胃の内部を満たしていた謎の液体中に、顕微鏡で酵母様真菌を確認できたとのこと。ただし、その真菌がどこから由来したものなのか、どのように作用するのかあるいはしないのか、他のダイオウグソクムシの消化管内にも存在するものなのか、病原性なのか等、これも現段階では明らかになっていないそうだ。胃を含めた消化管全体に炎症、変色部位は認められず、これまで解剖したどの個体よりも状態が良いように見えました。
また、これまでの個体と比較しても特に軟組織の削痩(痩せ)は認められませんでした(餓死ではない?)。 鳥羽水族館 飼育日記より もりたきさん
今後、この真菌がどういったものなのか、特定を進めていく予定とのこと。
ダイオウグソクムシNO.1(オス)NO.1に再び餌を食べさせることができなかったことは残念でしたが、6年と158日の飼育日数はおそらく国内の最長飼育記録になると思います。
インターネットなどで話題になったことでダイオウグソクムシの認知度が上がったことはとても喜ばしく、NO.1には感謝しています。
飼育にかかわることで私自身もこの生きものについて多くのことを知ることができました。
これからもさらに多くのことを学び、学んだことを次に活かしていきたいと考えています。
NO.1は現在、冷凍保存中です。 鳥羽水族館 飼育日記より もりたきさん
入 館 時:体長29cm 体重1040g(2007年9月9日)
死 亡 時:体長29cm 体重1060g(2014年2月14日)
生存日数:6年158日(2350日)
絶食日数:5年43日 (1869日)
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