連載 | #4 冨樫義博『HUNTER×HUNTER』超特集

【ハンターハンター考察座談会】ヒソカvsクロロ決着 奇術師はハメられたのか?

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【ハンターハンター考察座談会】ヒソカvsクロロ決着 奇術師はハメられたのか?
【ハンターハンター考察座談会】ヒソカvsクロロ決着 奇術師はハメられたのか?
連載が再開されて以降、怒涛の展開で読者の予想と期待を上回り続ける『HUNTER×HUNTER』(ハンターハンター)。3年半ぶりとなる最新33巻の発売とともに多くの読者が歓喜の声をあげています。

KAI-YOU編集部では、『HUNTER×HUNTER』に対する考察/議論が休む暇もなく行われているほか、作者である冨樫義博さんが描く作品世界を分析したコラムを掲載するなど、ハンター論壇をつくりあげんとする意思に余念がありません。 今回の「ハンター座談会」では、作中トップクラスの実力と人気を兼ね備えたクロロ・ルシルフルvsヒソカ・モロの天空闘技場での決闘を振り返ります。

激戦の末に、死亡に追い込まれてしまったヒソカ。しかしその先で旅団を待ち受けていた悪夢とは……?

ハンター座談会の登場人物

bpm
KAI-YOUのアートディレクター/ラッパー。MtG部とストリート研究会の部長/会長であり、KAI-YOU Barの店長もつとめている。

わいがちゃんよねや
KAI-YOUのCEO。最近なぜか髪の毛が金髪になった。趣味の釣りがさらに上達してきた。

ふじきりょうすけ
KAI-YOUのディレクター。鉄砲玉として日夜奔走している。ジョジョも好き。ハースストーンで強くなりたい。

コダック川口 a.k.a GUCHIKIN
なかなか動画をアップしないYouTuber/ライター。ハンターより幽白(仙水編)が好き。

以下、単行本未収録分の『HUNTER×HUNTER』の話題が多く出てきます。ネタバレに気をつけてください。

クロロVSヒソカの死闘に幕……!

ふじき 連載再開後に、いきなり始まったクロロVSヒソカの決闘に決着がつきましたね。15年前から待望されていた対戦カードでしたが、まずはこの対決を振り返りたいです。

わいがちゃんよねや 先週の座談会でも少し話してたんですが、ヒソカvsクロロは結局タイマンじゃなかった。「盗んだ念を駆使しているように見えるけど、実は観客に旅団が紛れて援護してる」というパターンでしたね。 わいがちゃんよねや それは、「神の左手悪魔の右手」(ギャラリーフェイク)のコルトピや「携帯する他人の運命」(ブラックボイス)のシャルナークという団長が使用した能力を持つ旅団メンバーが、ヒソカの死を確認しに来たことからも明白です。

bpm 改めて読み返してみると、不自然にコピー人形が多かったり、いつの間にかアンテナが抜け落ちていたりと、コマごとにそれを予期させるシーンがありますね。

なにより複数人の戦闘じゃないとクロロがべらべらと能力をしゃべっていることの説明がつかない。冨樫先生の創作論において最も外れた行為だと思っていたんだけど、その理由を汲み取ることができました。

ふじき クロロが能力を奪ったことで、シャルナークやコルトピには、戦闘力がほぼ無いというミスリードになってたじゃないですか。

それにヒソカも警戒していた通り、能力の説明をするなら、どこかでまた使う可能性があるって考える。でも実際には、能力を見せた次の瞬間には持ち主に返して共闘してるんですよね。

団長は能力を借りていなかった?

ふじき ただ、団長がどのタイミングで念能力を返したのか? ここはすげー気になりませんか。そもそも「盗賊の極意(スキルハンター)」に能力を返すという描写はないですよね。「スキルハンター」の能力はこの説明で完結してて欲しい。

他人の能力を盗んで使うことができる。盗まれた側は、その能力を使えなくなる。具現化した本(盗賊の極意)に盗んだ能力を封じ込め、自在に引き出すことが出来る。しかし、条件はかなり厳しい。

1:相手の念能力を実際に目で見る
2:念能力に関して質問し 相手がそれに答える
3:本の表紙の手形と相手の手の平を合わせる
4:1から3を1時間以内に行う 「盗賊の極意(スキルハンター)」能力解説

わいがちゃんよねや 盗る能力しか説明ないですね。でも使いようによっては交渉手段になりえるので、「能力を返す」能力を付与させている可能性は少なからずある。というかクロロならそうしていると僕は思います。

ふじき 盗んだ能力をわざわざ返す能力があるとして、それって単純に盗賊らしくない考えだと思うんです。

だから「ブラックボイス」も「ギャラリーフェイク」も、実は本人たちが持っていて、いかにタイマンに見せかけていたか……という可能性はないでしょうか。もっとも、目の前で「ギャラリーフェイク」を使ってるのでさすがに厳しいんですけど。

わいがちゃんよねや クロロが使った能力が、実は「ギャラリーフェイク」じゃなくて、「ギャラリーフェイク的な別の能力」だったなら可能だよね。

コダック川口 見せかけかーーーーー!

わいがちゃんよねや どのパターンだとしても、クロロがヒソカをハメてるのは間違いない。そうすることで、ヒソカの一人称で話進んでたことにも納得できる。

ふじき 多数の思惑が交錯するのが『ハンターハンター』における戦闘の醍醐味。だから、前回の座談会でクロロvsヒソカに不満を漏らしてしまったんですけど、旅団との共闘がほのめかされたことで、クロロ側の思惑が理解できてよかったです。

コダック川口 ヒソカが復活した後、マチの発言から旅団の共闘を察して、禍々しかった感じしませんでしたか? あれ、かなり根に持ってますよね。

わいがちゃんよねや そうですね、ヒソカわりとキレてますね。13巻でわざわざ飛行船に乗ってまで2人きりになったのに。その鬱憤もあるのかもしれません。

コルトピ、シャルナークはなぜ死んだ? 生き残る術は…

bpm コルトピもシャルナークも、念能力を持った状態でヒソカに殺られたってことですか?

わいがちゃんよねや 念は戻ってると思います。シャルナークのアンテナは団長に渡したままのようでしたが。

bpm 団長から後でアンテナを受け取るって言ってましたね。でも、それって不自然じゃないですか? ヒソカとの戦闘中は、クロロがアンテナ刺す役目で、シャルナークが操作していたのは疑う余地がない。まさにチーム戦でした。

ただ、自分の能力を仲間に隠すほど戦闘にシビアな人たちが、打倒・ヒソカという用が済んでるのに戦えない状態でいるって……

ふじき ヒソカは一度はたしかに死んでいたし、油断してしまったんでしょうね。シャルナークは、アンテナを団長から早々に回収して、自分に刺す裏技を使っていれば、あるいはあんな惨状にはならなかったのかもしれませんね。

2本あるアンテナのうち1本を渡していたのか、2本とも渡していたのかは分からないままですが。

わいがちゃんよねや いずれにせよ、ヒソカの復活とコルトピの死を察知して、かなり焦ってるように見えましたね。

我々はいつもベランダでハンターの話をしています

bpm 団長との戦いでも散々弱いと言われてましたが、流石にそろそろヒソカ強いと言っていいのでは!?

わいがちゃんよねや いや逆ですよ! 団長が殺せないからって、下っ端の非戦闘員に八つ当たりしてるんですよ? ヒソカ、みっともないです。暗黒大陸に行く前に殺されると思います><

bpm それは今度こそ団長を殺るためじゃないですか。もし、団長以下の実力だったとしても十分強いと思いますよ。ヒソカが瞬殺したカストロだって、なんだかんだ天空闘技場のフロアマスターですし。

ふじき ヒソカの場合、十分強いという戦闘力じゃだめでしょう。強い敵との戦闘が彼の目的なんですよ? 強者を玩具呼ばわりしてゾクゾクしてるのに……。その割にヒソカって強いやつを倒したことがないんですよね。

わいがちゃんよねや ただ『ハンターハンター』の戦闘は、腕っぷしの強さが絶対の価値ではないから。これからもヒソカの奇策は見たいんよね。

コダック川口 ちなみにコルトピが生き残る方法は……?

bpm うんこしてるところ狙われたら仕方ないっす

来週以降の『ハンターハンター』はどうなる?

bpm でも来週からどうなるんだろう……。出航のセレモニーに話が飛ぶんでしょうか。団長から王族の秘宝が移民船にあるという話が出ましたし。

わいがちゃんよねや クロロが船でシャルナークと落ち合うはずが、ヒソカが現れる……! 的な。そこにはもちろん、クラピカも乗ってるわけです。因縁の三つ巴ですね。とにかく来週ですべて繋がってほしいです。

コダック川口 船は20万人も収容するんですよね。内部がどう描かれるのかも気になりますね。王族以外にも小競り合いが起きそう……。

bpm ジャイロも乗ってたらいよいよですね。

わいがちゃんよねや さすがにジャイロはいないかな……。もし物語に絡んでくるとしたら、パリストンが蟻の兵隊を保有しているようですし。パリストンとジャイロが共謀しているとか?

bpm ラスボスがジャイロだとしたら、そういったくだりも暗黒大陸編のあとの章で描かれるかもしれません。新章が始まったばかりで気の早い話ですが。

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連載

冨樫義博『HUNTER×HUNTER』超特集

1998年より『週刊少年ジャンプ』にて連載を開始した漫画家・冨樫義博さんが描く『HUNTER×HUNTER』。 主人公のゴン=フリークスが父親であるジンを探すためハンターとなり、キルア、クラピカ、レオリオといった仲間達との絆を深めながら、未知なる敵との戦いを描きます。 緻密に計算された高度な攻防と読者の予想を上回り続ける展開で人気を博す一方、非常に寡作なことでも知られ、現在までに500回以上の休載を繰り返していることも話題となりました。 冨樫義博『HUNTER×HUNTER』超特集では、そんな本作に魅せられたKAI-YOUの面々が、作品にまつわる疑問や伏線などを考察するコラム記事を執筆。ときには座談会も実施しながら、一読しただけでは伝わりづらい冨樫義博作品に通底する思想を紐解きます。

7件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:2830)

これ、あえてレベルの低い議論で注目を浴びようとしているのだろうか。
おおげさなプロフィールのわりに中身は、掲示板でも個人ブログでもやりつくされたもの以下。

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:2372)

下っ端に八つ当たりっていうか本気で勝ちにいってるんだよ
能力削らないことには勝ち目ないからね

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:2352)

これは酷い、、、
低脳の集まりだな
自分たちの検討違いの憶測を信じきってて笑える

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