妄走族が10年ぶり再始動　ヒップホップの生ける伝説の正体

日本の音楽シーンの歴史を揺るがしかねないニュースを、一部音楽メディアが報道している。

なんと、10月頃からTwitter上では復活がささやかれていたヒップホップシーンの伝説のグループ・妄走族が、12月より再始動するというのだ。

それによると、12月30日（月）に新録音源のフリーダウンロードが開始、その後も続々とイベントの開催や楽曲のデジタル配信、2015年にはアルバム『核MIX』をリリースするという。

ストリートヒップホップの生ける伝説・妄走族

妄走族は、DENさん、神さん、般若さん、MASARUさん、剣桃太郎さん、K5Rさん、565さん、ZORROさんらといった、MCやトラックメイカーとして活動しているメンバーで結成されている日本のHIP HOPシーンを語る上で絶対に欠かすことのできないグループ。

渋谷・三軒茶屋を中心に活動、荒くれ者が多いHIPHOPの中でも、ハードコア集団として鳴らしたことでも有名だ。いまや生ける伝説とまで評されている。 元々、それぞれ個別で活動を続けていたが、以前から仲間だったメンバーで一緒に活動をしようということになり、98年に妄走族を結成。インディーズ時代、イベントに乗り込んではマイクをジャックしてのゲリラ・ライブを積み重ね、その存在感を誇示していった。

無頼漢グループとして5年の活動を通してその実力を知らしめた彼らは、2003年にはユニバーサルからメジャーデビュー。以降、アンダーグラウンド出身の東京ストリートHIPHOPの象徴として、旺盛な活動を続け、シーンを切り開いてきた。 そして、デビューから1年後の2004年に、4ndアルバムとなる『進行作戦』のリリースをもって、人気絶頂の中で「妄走族」名義での活動を実質的に休止。その後、「昭和レコード」を立ち上げた般若さんをはじめ、それぞれが個別での活動を続けてきた。

妄走族の再始動は、報道前から話題に

数々の伝説を残してきたその妄走族がついに再始動するということで、HIPHOPシーンには激震が走っている。

実は、報道の数ヶ月前から、Twitter上ではメンバーのK5Rさんが「妄走族の再始動」を匂わせるツイートを行っていた。

妄走族のミーティングを終え、今夜は宇都宮！スペースラボπ！Tweetみたと声をかけてくれた方、無制限テキーラショットプレゼント。

— K5R (@KfiveR03) 2013, 10月 11

妄の復活を願ってくれて、待ち望んでくれてる皆に感謝！集大成を届けるぜ！

— K5R (@KfiveR03) 2013, 11月 27

K5Rさんは、イベントに出演した際にもステージ上で復活を宣言していたこともあったため、日本語ラップ界隈では、半信半疑ながらも「妄走族復活」という噂が水面下で話題になっていた。そしてついに、音楽メディアが報道し、メンバーもそれに反応していることから、妄走族のおよそ10年ぶりの再始動が正式に明らかとなった。

フリー音源リリースにアルバム、定期イベントも

まず、12月30日（月）には新録音源をフリーダウンロードで公開。それだけに留まらず、以降も音源を継続的にリリースしていくようだ。2015年には、アルバム『核MIX』もリリース予定だという。

さらに、リリース予定のアルバムのタイトル名にして、かつて妄走族が主催し、毎月800人以上の動員を誇ったという伝説的なレギュラーイベント『核MIX』も、今回の再結成の一環として2014年に1年限定で定期開催されるとのこと。 これまでその活動をリアルタイムで目撃してきた者だけではなく、その伝説を耳にしてきたティーンエイジャーたちの間でも話題の、今回の妄走族の再結成。

ただし、特に、自らのレーベルを立ち上げ、関西出身の人気・実力共に一流のラッパー・SHINGO★西成さんと共に「昭和レコード」として精力的な活動を続けている般若さんが、今回の再結成に関わっているのか、いまだに判然としない。

そのため、〝再結成〟と銘打たれてはいても、どのような形で活動していくのか、どういったメンバー編成となっているのか──そちらにも注目が集まっている。

妄走族、ついに無料音源公開

30日、予告されていた通り、無料音源が公開された。タイトルは「塗りつぶせ」。

公開直後からアクセスが殺到、既に3万DLを記録しているとのことだ。現在も、ダウンロード回線はとても重くなっている。

http://firestorage.jp/download/cb28ea7b53fc9e5ec972bcdfbdff6612f54f3d2c

妄走族再始動とのことだが、やはり今回のトラックに、般若さんや剣桃太郎さん、565さんは参加していない。今後の展開にさらに注目が集まっている。