キャラクターグッズの企画などを手がけるHamaru Strategy(ハマルストラテジー)が、「ランダムグッズに関する消費者意識調査2026」の最終報告を公開した。
3月から4月にかけて実施していた調査には3万5866件の回答が寄せられ、自由記述欄の総文字数は約269万字に到達。
4月に発表された中間報告では、ランダムグッズに対して「嫌い」「非常に嫌い」と答えた人が89.9%にのぼることが明らかになっていた。
今回の最終報告では企業からの回答も追加。一連の結果をまとめた特設サイトでは、全55項目の調査結果を無償で閲覧できる。
ランダム商法に対して業界内外の認識にズレ? 独自調査で乖離が鮮明に
ランダムグッズとは、中身や絵柄を購入者が選べない状態で販売される商品のこと。いわゆる“推し活”において広く用いられており、カプセルトイやキャラクターくじなどが代表例だ。
缶バッジやアクリルスタンド、カードなどで広く採用されており、目当てのキャラクターが出るまで複数の商品を購入する、いわゆる“ランダム商法”への批判も根強い。
「ランダムグッズに関する消費者意識調査2026最終報告」
この調査はもともと、“ランダム商法に対して業界内外の認識にズレがあるのではないか”というHamaru Strategyの疑問をもとに実施。発端となったのは、先行して3月24日に公開されたBANDAI SPIRITSによるアンケート調査の結果だ(外部リンク)。
その中で「何が出るかわからないドキドキ感やワクワク感」など、ランダムグッズの魅力が強調されていたことについて、当時SNS上で「現実と乖離している」との批判の声が上がっていた。
そこで、Hamaru Strategyは独自に調査を実施。4月に公開された中間報告では、回答者の約9割がランダムグッズを「嫌い」と回答したことが話題となった。
今回の最終報告では、未発表だった集計結果や自由記述に加え、ランダムグッズに関わる企業18社へのヒアリング結果も公開されている。
消費者の9割が「高くても選んで買いたい」と回答
最終報告によれば、消費者からみたランダム販売の代替策として「単価は上がるが、選んで買える」形式を望んだ回答者が89.7%にのぼった。
また、「これまで1回のランダムグッズ購入や配布にかけた最大金額」を尋ねた設問では、平均値が20,256円、中央値が15,000円となった。
「これまで1回のランダムグッズ購入や配布にかけた最大金額」
調査結果からは、平均値や中央値を超えて、多くの金額を支払っている回答者が多数いることもうかがえる。
ぬいぐるみをランダム販売することへの強い抵抗
「ランダムグッズとして販売されても許容できるもの」を尋ねた設問では、推し活の定番アイテムであるぬいぐるみを許容した回答者は0.6%だった。
同じく定番アイテムのフィギュア・マスコットとアクリルスタンドも、それぞれ1.8%にとどまっている。
「ランダムグッズとして販売されても許容できるもの」
自由記述では、こうした立体物やキャラクターの姿をかたどったグッズには、ほかの商品以上に「命」を感じるため、不要でも捨てたり手放したりしづらい点が挙げられた。さらに「そもそもランダムで販売しないでほしい」という声も寄せられたという。
ランダム販売によって意図せず迎え入れたキャラクターを「外れ」として扱わなければならないことが、作品や登場人物に愛着を持つファンの感情と衝突しているようだ。
売り手・つくり手も84.3%がランダムグッズを「嫌い」
調査では、ランダムグッズの製造や販売に関わっている回答者に限定した集計も実施。
売り手・つくり手側でランダムグッズを「非常に嫌い」「嫌い」と回答した人の合計は84.3%だった。消費者側だけでなく、製造・販売側も嫌っている結果となった。
「ランダムグッズは好きですか?」への回答
販売現場からは、目当ての商品を引けず何度もレジを訪れる客を見るのがつらい、大量購入者や転売目的の購入によって一般客が商品を買えずに帰る姿に疑問を感じる、といった声が寄せられている。
なお、消費者からの自由記述で多く挙げられた問題は、「選ばせてほしい」「交換・譲渡の負担」「製造上のミスへの対応」「転売の助長への怒り」「環境・資源浪費への批判」「ギャンブル性への疑問・規制」の6項目。
商品の封入に偏りがあった場合でも、「開封済みなので交換できない」「ランダムなのであり得る」などとして、返品や交換を断られたという事例も紹介された。
「価格を2倍にした程度ではやめられない」「売れるうちは売る」企業が語る事情
また、Hamaru Strategyでは、調査に興味を持ったランダムグッズ関連企業計18社(権利元9社、メーカー・販売企業8社、その他1社)に個別に調査結果報告会を実施。今回は、そこでの匿名のヒアリング結果も掲載されている。
それによると、権利元、メーカー、販売企業それぞれの主張や事情、商品者に対する認識など、ランダムグッズを取り巻く環境が見えてきた。
メーカーや販売企業からは、ランダム販売を手がける理由として、キャラクターごとの人気差による在庫リスクを軽減できることや、描き下ろしイラストや権利元に支払うロイヤリティ(メーカー・販売企業が権利元に支払う対価)など投資額の回収が挙げられた。
そのほか、すべてのキャラクターを商品化する必要があること、受注生産では通常生産よりロイヤリティが高く設定される場合があること、店舗での在庫管理や陳列が容易になることなども理由として示された。
ランダムグッズではなく「選んで購入できるなら、いくらまで出せるか」への消費者側の回答
一方で、「自社だけ自粛する意味がない。売れるうちは売る」「価格を2倍にした程度ではランダム販売をやめられない」といった率直な声も掲載されている。
消費者への理解にも企業間で差「嫌だけど買っている」「炎上の認識なかった」
なお、メーカー・販売企業の消費者に対する認識も、各企業で異なっている状況がうかがえる。
「嫌だけど買っている人がほとんどだと思う」「お客様から『ランダムグッズをやめて』と問い合わせが来る」とネガティブな反応を認識している一方で、「ランダムグッズが炎上している認識はなかった」という回答もあった。
権利元側からは、「人気キャラだけピックアップした販売企画を許諾することはない」「ランダムグッズを規制することで、企業が撤退しても困る」といった声も寄せられている。
なお、本調査は無作為抽出による統計調査ではなく、SNSやWebメディアなどを通じて自発的に参加した3万5866件の回答によるもの。
Hamaru Strategyは、今回の報告について、特定の企業やコンテンツを糾弾するものではなく、消費者とメーカー、販売企業、権利元が現状を改善するための土台として活用してほしいとしている。
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