小花美穂さんによる漫画『こどものおもちゃ』のKindle版を対象にしたセールが開催されています。
集英社「春のマンガフェス!」の一環で、全10巻が50%ポイント還元。1巻〜4巻までは77円のため、全巻購入で3566円、1788円分のポイントが付いてきます。
創刊70周年を迎える少女向けコミック誌『りぼん』(集英社)で1990年代に連載され、当時の社会問題を交えながら、子役の学校生活や芸能活動を描いた『こどものおもちゃ』。
現代に通じるトピックスも多い珠玉の名作を、この機会にぜひ読んでみてください。セール期間は4月4日(金)までです。
※価格はすべて記事公開時点のもの
90年代『りぼん』を代表する学園/芸能界漫画『こどものおもちゃ』
“こどちゃ”こと『こどものおもちゃ』は、小花美穂さんが『りぼん』1994年8月号〜1998年11月号で連載していた学園/芸能界コメディ漫画です。
単行本は全10巻。このほか、作中に登場する映画『水の館』や、小花美穂さんの別作品『Honey Bitter』とのコラボ作である『Deep Clear』が、それぞれ『こどものおもちゃ』の番外編として刊行されています。
主人公は、子役として芸能活動をしている小学6年生の倉田紗南(くらたさな)。物語は彼女の同級生で、クラスの問題児である羽山秋人(はやまあきと)との交流を軸に展開します。
倉田紗南と羽山秋人。『こどものおもちゃ』8巻/画像はAmazonより
テンションの高い紗南と、終始ダウナーな羽山とのやり取りは、ドタバタではちゃめやなコメディとして秀逸。一方で、当時の社会問題となっていた学級崩壊などシリアスな要素も多く、その魅力は従来の学園ドラマの枠には収まりきりません。
たとえば羽山は、学校でちちくりあっていた教師の写真を撮影し、当事者である教師を脅迫するような人物。一方、彼は家庭環境に問題を抱えており、母親は自身を産んですぐに死去、姉からは母を殺した悪魔の子と忌み嫌われ、父との関係は希薄という状態でした。
『こどものおもちゃ』の物語序盤では、紗南がそんな羽山をいかに理解し、彼が抱える問題を解決するかが描かれています。
“チャイドル”全盛時代、『こどちゃ』で紗南を通して見る芸能界
芸能界で子役として活動する紗南も、家族に関わる一筋縄ではいかない事情を抱えています。もっと言うと、人気子役として登場する加村直澄も児童養護施設育ちだったり、羽山の親友・剛も両親が離婚したりと、様々な家族の形や家庭の問題が描かれるのも特徴的です。
余談ですが、『こどものおもちゃ』の連載当時は“チャイドル”(チャイルドアイドル)全盛時代。ドラマ『家なき子』の安達祐実さんをはじめ、その後『木曜の怪談』の野村佑香さん、前田愛さんと前田亜季さんの姉妹など、ファッションモデルなどでも活躍する子役がチャイドルと呼ばれ、人気を集めていました。
『こどものおもちゃ』3巻/画像はAmazonより
当時の人気者が主人公として描かれた『こどものおもちゃ』は、紗南の芸能活動やプライベートを通じて、光だけでなく闇──芸能活動における負の側面も描かれています。
子役としての仕事が忙しく学校に行けなくなると、クラスの女子からはぶられる。共演した人気子役との熱愛ゴシップ記事が出る、その人気子役のファンから恨まれ襲撃される──。
SNSがない時代ではあるものの、本人の知らぬところで誤解が生まれ、誹謗中傷をぶつけられるという状況は、現代にも通じると言っても過言ではありません。
そうした周囲の大きな変化を経て、紗南が恋心を自覚し、小学6年生から中学生へと成長する過程で気持ちが揺れ動く様子に、同年代である読者は夢中になりました。
『こどちゃ』アニメ版は2年間放送 ラストに紗南が放った一言
『りぼん』誌上で人気を集めた『こどものおもちゃ』は、連載中の1996年にTVアニメ化。監督は大地丙太郎さんがつとめ、紗南のハイテンションかつハイスピードなセリフや、他のキャラクターとの会話劇が一層強化されました。
OP主題歌にはTOKIOの「19時のニュース」や、楽曲を石野卓球さんが手がけ、歌唱を篠原ともえさんが担当した「ウルトラリラックス」が起用されていました。
『こどものおもちゃ』10巻/画像はAmazonより
アニメは1996年4月から1998年3月までのおよそ2年間、テレビ東京系列で全102話が放送。当時としても長期間にわたる放送では、紗南がニューヨークに行くなどアニメオリジナルの展開も描かれました。
加えて、アニメ版のクライマックスでは、問題を抱えたある人物の命に関わる重要なエピソードが登場。そうした中、最終話で無責任な教師陣に対して紗南が放った一言「しっかりしてよね、大人!」は、当時の多くの視聴者の記憶に刻まれました(筆者もその一人です)。
羽山が「紗南の彼氏」 ホットペッパーのコラボ漫画も話題に
30年以上前の作品でありながら、現在も根強い人気を誇る『こどものおもちゃ』。2015年には『りぼん』創刊60周年を記念して舞台化されましたが、それ以外で大きな展開はありませんでした。
しかし、2025年3月18日に、ホットペッパービューティーとのコラボ漫画として、高校生になった紗南たちが登場する描き下ろし漫画が公開され話題に。
羽山の紹介が「紗南の彼氏」となっていたことをはじめ、高校1年生となったお馴染みのキャラクターたちの姿に、往年のファンは歓喜したのです。
長い『りぼん』の歴史においても、時代を象徴する漫画の一つである『こどものおもちゃ』は、当時の時代の空気感を感じさせると同時に、現代にも通じるテーマ性を含んだ名作です。
少女向け漫画と侮ることなかれ。Kindleで全巻50%ポイント還元(期間は4月4日まで)というこのタイミングで、ぜひ読んでおきたい珠玉の物語であることに間違いありません。
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