トレーディングカード鑑定サービス「Professional Sports Authenticator(PSA)」および親会社のCollectors Holdingsに対し、米国の利用者であるニコラス・ファンク(Nicholas Funk)さんが集団訴訟としての認定を求める訴えを起こした。
訴状は7月28日、米メリーランド州連邦地方裁判所に提出された。米メディア「Dexrto」などが報じている(外部リンク)。
原告側は、PSAが専門的かつ客観的な鑑定サービスを提供していると宣伝しながら、実際の評価には不透明な主観性が含まれていると主張。鑑定結果のばらつきや追加料金の仕組み、親会社がカードの売買や保管にも関与していることなどを問題視している。
なお、現状では訴状が提出されたのみであり、提出内容が立証されたわけではない。また、PSA側も訴状に対する回答を行っていない。
鑑定結果のばらつきや追加料金を問題視
PSAは、トレーディングカードの保存状態を鑑定し、原則として10段階のグレードを付与するサービス。カードを専用ケースに封入し、鑑定番号やグレードを記したラベルを添えて返却する。
最高評価の「PSA 10」を取得したカードは高値で取引されるなど、現在ではPSAの評価が、カードの状態を示す目安にとどまらず、市場価格を左右する指標にもなっている。
今回提出された訴状で原告側は、PSAが客観的かつ標準化された鑑定を提供していると掲げながら、実際にはカードの「見映え」など、明確に数値化されていない要素を重視していると指摘。
同じカードを再び鑑定に出した場合に異なるグレードが付く可能性があり、利用者がより高い評価を求めて再提出を繰り返すことで、PSAがその都度手数料を得る構造になっていると主張している。
鑑定から売買までを手がける親会社との利益相反も
訴状では、PSAと親会社Collectors Holdingsの事業構造についても疑義が示された。
Collectors HoldingsはPSAによる鑑定事業だけでなく、カードの保管や買取、売買から融資まで、鑑定後のコレクターズアイテムに関わる複数のサービスを展開している。
原告側は、PSAがカードにグレードを与え、同社のレポートが各グレードの流通枚数や希少性を示す一方、親会社はその評価を前提にした取引から利益を得られると指摘。
カードの価値を認定する側と、その価値を市場で収益化する側が同じ企業グループ内に存在することは、利益相反に当たると主張している。
この他、Collectors Holdingsが同業の鑑定サービス「SGC」や「Beckett」を買収したことにも触れ、証拠によって主張が裏付けられた場合には、事業分離を含む措置を求めている。
PSAおよびCollectors Holdingsによる、今回の訴訟に対する正式な反論や声明は、本稿執筆時点では確認できていない。
日本でも広がる「PSA」鑑定
PSAは米国のスポーツカードを中心に成長してきたが、近年は『ポケモンカードゲーム』や『ONE PIECEカードゲーム』など、日本発のトレーディングカードの鑑定でも存在感を強めている。
PSA日本支社は2024年8月、同人誌即売会「コミックマーケット104」に初出展。米国でもスポーツカードを上回る勢いで『ポケモンカードゲーム』や『ONE PIECEカードゲーム』の人気が高まっていると説明していた。
日本のトレーディングカード市場でも、PSAの鑑定結果はフリマアプリやカードショップ、オークションなどで、価値を伝える指標として広く使われている。
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