開催中のサッカーのFIFAワールドカップに世界が熱狂する中、日本ではスポーツ配信サービス「DAZN(ダゾーン)」が、料金プランの表示方法を巡って炎上状態が続いています。
W杯開幕前日の6月11日頃から「一見安いように見せかけて、意図的に高額なプランを契約させようとしている」といった料金表示のダークパターン(※)を批判する声が殺到。
DAZNは6月13日に公式サイトやXで謝罪。しかし、現在も「まだ誤解を招く表示である」「まるで意図的ではなかったかのような内容」「救済措置の対象期間がおかしい」など、批判が止まない状態です。
※ダークパターン:Webサイトやアプリにおいて、利用者の意図に反して特定の行動を取らせることを目的として設計手法
980円と思ったら2万6340円──「DAZN」に批判殺到
「DAZN」では、今回の北中米W杯全104試合を配信。今大会、全試合をネットでライブ視聴できる唯一のサービスとなっています。
そして、今回問題となっているのは、W杯にあわせて提供されている視聴プラン(サッカープラン)「DAZN Soccer」。このプランは月額980円。隣にあるスタンダートプランの月額1980円と比べると割安に見えますが、実際は最初の3ヶ月のみ980円で、4ヶ月目からは月額2600円の年間契約(プラン)です。
つまり、一度契約した場合、途中でサービスを解約しても、年間の総額2万6340円の支払いが発生します。一方、月額1980円のスタンダードプランは、サッカープランより割高なものの、支払い方法は月々か年間かを選択可能です。
6月13日時点の「DAZN」契約時のプラン選択画面。980円が安く見えるが、よく見ると実際は年間契約であることが記載されている/画像は公式サイトより
【DAZNのW杯期間にあわせた視聴プラン】
◯DAZN Soccer(サッカープラン)
・最初の3ヶ月のみ月額980円
・4ヶ月目以降は月額2600円
・年単位での契約のみ
・途中解約しても総額2万6340円の支払いが発生
◯スタンダートプラン
・最初の3ヶ月のみ月額1980円
・4ヶ月目以降は月額4200円
・月ごと、年間それぞれでの契約が可能
・月ごとの場合年間総額の支払い無し
今回契約した利用者は、W杯の視聴を目的としており、年間での契約は望んでいない人がほとんど。しかし、プラン選択画面における料金や支払い方法の表示がわかりづらかったことから、多くの人が「月額980円」を選択。年間2万6340円を支払うことになる事態が発生しました。
「DAZN」謝罪、救済措置発表も批判止まず炎上
望まない年間プランの契約者が続出したことで、6月11日頃から「DAZN」への批判が殺到。「安いように見せて、意図的に高額なプランを契約させるダークパターンではないか」といった指摘が相次ぎました。
こうした事態を受けて、「DAZN」は6月13日に謝罪。さらには「DAZN Soccer」の解約希望者に対して、「返金その他の適切な対応を個別に実施させていただきます」と説明。解約に応じる姿勢を見せました。
「DAZN」が6月13日に発表した謝罪/画像は公式サイトより
しかし、返金対応される契約者の申込期間が「5月30日から6月11日午後8時までの間」と限定的だった点や、「DAZN」側が意図しない表示だったかのような「一部月額プランと受け取れる記載がなされていたことが発覚いたしました」という文面、対象期間外に契約した人への救済措置がない点などに、引き続き批判が殺到している状況です。
なお、この対象期間は、誤解を生じさせる表示となっていた期間に基づくものですが、利用者からは「現在も月額980円と受け取れるわかりにくい表示が続いている」「なぜ年間総額2万6340円と表示しないのか?」といった指摘が相次ぎ、炎上状態が続いています。
SNSでは“解約報告”に反響 「DAZN」とのやり取りも公開
SNS上では、解約を求める人から不満の声が続出する中で、「私はこういう方法でやり取りしたら退会できた」という報告も行う利用者も複数現れました。
あるユーザーがXに投稿した内容は、チャット上での詳細なやり取りや文面などが記載され、該当のポストは146万回表示されるなど大反響。「DAZN」側で、ユーザーごとに個別の対応が行われていることがうかがえます。
実は筆者も、今回のタイミングでおよそ2年ぶりに「DAZN」と契約しました。プランはもちろん、「月額980円」に反応して「DAZN Soccer」(サッカープラン)を選択。年間で2万6340円の支払いが確定しています。
なお、筆者が申し込んだのは6月12日のため、「DAZN」が発表した返金対応の対象期間外。とはいえ、試しに解約可能かどうか「DAZN」のチャット欄で聞いてみたところ「できない」一点張りでした。
筆者と「DAZN」アシスタンスとのやり取り
それでも何度かメッセージをやり取りした結果、「今後はメールで対応する」との連絡。「数時間以内にメールにてご連絡」と説明されていましたが、現時点までに連絡は確認できていません(12日金曜日の夜だったので週を跨ぐことは覚悟していました。多数の個別の対応が発生しているものとみられます)。
個人的には、この2年ハイライト映像しか見ていなかったイタリアサッカーの「セリエA」や国内Jリーグの試合映像が見られるようになるしまあ……と納得できなくもないです。ただ、せめて1980円の月間プランに変更できたらと、淡い期待を抱いていることもまた事実です。
過去に退会手続きで批判 「DAZN」への印象悪化続く
「DAZN」を巡っては、以前も退会手続きの複雑さがダークパターンとして批判を集めていました。ちょうどその頃、筆者も2018年から6年間にわたって契約していた「DAZN」を解約しました。
当時は退会ボタンの小ささが気になりましたが、批判を集めた後だったからか、チャット上でひたすら「退会したい」と主張した結果、解約することができました。
今回、W杯期間中というサービスとしても絶好のタイミングで炎上してしまっている「DAZN」。本来であれば“かき入れどき”に加入した利用者が、その後も継続することを見込んでいたはずです。
しかし結果的に、誤解を生じさせようとしていると受け取られた料金表示によって、利用者の体験を著しく損なう事態に発展。サービスへの悪い印象を加速させ、「DAZN」としてのブランド力を低下させる状況となっています。
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