人工歌唱ソフトウェア「音楽的同位体 可不(KAFU) collaboration with Synthesizer V AI / The Right Stuff ver.」の発売中止が決定した。
KAMITSUBAKI STUDIO所属の花譜さんら、バーチャルシンガーの音声合成ソフトウェア「音楽的同位体」シリーズの公式Xで1月19日に発表。
発売中止の理由について、「検証、開発、 協議を重ねる中で、花譜本人の意向や当初の目標を満たすことが困難となり、今回の決断に至りました」と説明している。
また、花譜さんも自身のXで「長い間待っていたみなさまのご期待に応えられず、ごめんなさい」とコメントを残している。
KAMITSUBAKI STUDIO「音楽的同位体」プロジェクトの新作として開発
「可不」は、KAMITSUBAKI STUDIOによる「音楽的同位体」プロジェクトの一環として誕生した、人工歌唱ソフトウェアおよびキャラクター。
製品としては、AI技術により人間の声質や癖を高精度に再現する音声創作ソフトウェア・CeVIO AIを活用し、バーチャルシンガー・花譜さんの歌声をもとに開発したセットが2021年に発売されている。
今回発売中止が決定したSynthesizer V版の「可不」は、CeVIO AI版「可不」の反響を受け開発が決定。
「音楽的同位体」プロジェクトの新作として、Dreamtonics社及びAHS社が開発を進めていた。
花譜が感じた違和感──2023年末の発売が延期、そして予約キャンセルへ
Synthesizer V版の「可不」は、もともと2023年冬頃に発売される予定だった。
しかし、同年12月に公開された「フォニイ」のカバー動画に関して花譜さんが違和感を感じたとし、「発売を一旦見直して欲しいとの要望」を出したことで発売が延期。
その後、花譜さんやKAMITSUBAKI STUDIOの統括プロデューサー・PIEDPIPERさんが発売延期の経緯を説明する機会が設けられた。
以降、再リリースに向けた動きが公式X等でも都度報告されていたが、2024年5月にはすべての予約が一旦キャンセル扱いになり、動向に注目が集まっていた。
PIEDPIPERさんは発売中止を発表したリリースの中で、関係者やファンへ謝罪。改めて発売中止の経緯を説明した。
あわせて、「音声合成領域でのプロダクトとバーチャルシンガーとの親和性には非常に大きな可能性があり、アーティストやクリエイターと向き合った上で音楽的同位体プロジェクトには引き続き取り組んでいきたいと考えております」と表明。
「時間はかかるかもしれませんが、これからも私たちの挑戦を温かく見守っていただけますようお願い申し上げます」と呼びかけている。
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