MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所が10月16日(※)、縦読み漫画・Webtoon(ウェブトゥーン)の利用に関する調査を公開した。
MMD研究所は、15歳~69歳の男女15000人に対して予備調査を行った後、Webtoonを閲覧したことがある311人を抽出し、本調査を実施している。
Webtoonをどんなアプリで読んでいるかや課金経験の有無など、利用状況に関するアンケートを行っている。
この記事では、日頃からピッコマとLINEマンガでWebtoonを愛読し、ピッコマでは課金ユーザーの上位10%以内に入るヘビーユーザーである筆者が、主観を交えて調査結果について分析していく。
※10月22日にWebtoonの閲覧経験、利用頻度など一部データが追加された。
目次
巨大IT企業が運営する文化Webtoon
前提として、Webtoonは韓国で生まれた新たな漫画文化だ。
Webでの掲載を前提とし、縦スクロール形式で描かれることが多く、日本の漫画などよりも映像的な表現が得意だとされている。
そして、Webtoonを語るうえで欠かせない重要な要素が、ビジネス面での革新性だ。
日本でも人気のピッコマやLINEマンガは、それぞれKakaoTalk、LINEと運営を同じくするサービスだ。
「待てば無料で読める」という形式の採用や、優秀な原作を巡った小説投稿サービスの買収合戦など、巨大プラットフォーマーが運営母体だけあって、そのビジネス的な規模や革新性は、既存の漫画文化と比べても、大きな差異があると言えるだろう。
ビジネス面での評価に創作性が追いついていない現状
今回MMD研究所の調査においても、Webtoonの「良いと思うところ」を問う質問に対して、「スマートフォンで読みやすい」が37.2%、「手軽に読むことができる」が28.2%と上位に。
一方、「ストーリーが面白い」は15.6%、「世界観がわかりやすい」は14.1%と、作品の物語に関する項目は下位に収まっている。
世界観については、Webtoonでは韓国や中国の神話的な世界観や武狭小説の世界観を背景に描かれる作品も多いため、日本の作品と比べて相対的にハードルが高くなってしまっているという点を考慮すべきだろう。
とはいえ、10月には「ネイバーウェブトゥーン」の株価の下降に伴い、「実際に読む価値のある作品を見つけるのが難しい」「1つの作品が人気を集めると、似たようなジャンルの作品が次々と登場し、多様性に欠ける」といった指摘が報じられている(外部リンク)。
ビジネス的な評価に対して、創作面での評価が伴っていない(=創作性については発展途上)というのは業界全体の課題となっている。
利用率は「ジャンプ+」を抑えてピッコマ、LINEマンガが上位
MMD研究所が公開した調査データによると、予備調査に参加した人のうち、コミックアプリなどのサービスを利用したことがある人は、全体の38.2%。
2022年の33.8%からは上がっているものの、50代・60代の参加者が全体の4割を占めていることを鑑みても、まだまだ向上の余地があると考えられる。
年代別のコミックアプリサービスの利用データでは、10代の61.3%を頂点に20代の52%、30代の51.3%、40代の40.6%と徐々に下がっていく。
利用したことがあるサービスについては、全体のデータでは1位のピッコマが40.7%、2位のLINEマンガが40.2%と拮抗。そこに、少年ジャンプ+が27.4%、めちゃコミックが24.8%と続いていく。
年代別のデータでは、10代~30代のランキングは全て1位がLINEマンガ、2位がピッコマ、3位が少年ジャンプ+という順位は変わらず。
40代~60代では、ピッコマ、LINEマンガ、めちゃコミックの順で、こちらも割合こそ違うものの、ランキングの順位は変わらなかった。
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